日本ファルコム近藤社長:『軌跡』チームを2つに分けて新作に取り組んでいる、『イース セルセタの樹海』を皮切りに過去作をPS4とかで遊べるようにしたい、『イースIX』は一部モーションキャプチャーを採用…など

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日本ファルコムの近藤社長が、3月9日に韓国で開催された「PS FESTA」のステージに登壇。そこで行われた質疑応答で近藤社長が語った内容をご紹介します。

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PS FESTA 日本ファルコム近藤社長 質疑応答より

日本では既に『イース セルセタの樹海』をPS4に移植することが決定している。ここではっきりと約束することはできないが、『セルセタの樹海』を皮切りに、過去の作品をPS4とかで遊べるようにするために少しずつ進めていきたいなと今考えているところ。遊びたいタイトルがあれば、ぜひご意見を頂ければなと思います。
コラボタイトルをやりたいという声は社内でも上がっている。やはり約束することはできないが、スタッフおよびファンの意見をあわせながら、『イース vs. 空の軌跡』に続くようなタイトルが出せるよう社内でも話し合っていきたい。
軌跡シリーズは今後もナンバリングシリーズが進んでいくが、既に完結した『閃の軌跡』シリーズの中で語り尽くせなかったことなどやり残した部分がある。そういった部分や後日談的なものを、何らかの形でお届けすることを考えている。今年で『軌跡』シリーズ15周年を迎えるので、15周年の内にそれに関する情報を届けられればなと思う。
ゲームを制作する時は最低でも1年、長い場合は2~3年という時間をかけて作る。それだけ時間をかけて一生懸命になれるものを自分たちも作られなければならない。贅沢を言えば、年老いたときにファルコムのゲームって面白かったなって思い出してほしい。そのためには、そのゲームならではフックを必ず用意する。

例えば軌跡シリーズはお話をきちんと作ろうというフックがあるし、『イースVIII』は強いヒロインを作ろうということでああいうキャラが生まれた。ゲームタイトルを聞けば必ずプレイした人が思い出してくれる何かを入れ込む。

ファルコムは平凡な人間の集まりだから、やれることは何でもやる。ストップウォッチを持って街の中を走り回って、どれくらい時間がかかるかを測るなど、そういう細かいことを一生懸命やりながら、なるべく快適に遊んでもらえるようにする。この2つを大切にしている。

グラフィックの弱さは色々な国のイベントに参加した時に指摘されるので意識している。『閃の軌跡III』ではモデルのクオリティを上げた。『イースIX』では一部にモーションキャプチャーを採用しながら、今までよりもクオリティを上げていきたいと考えている。ゲームの情報を得るとき最初に目に入ってくるのはグラフィックやイラストなので、今後の課題として捉えている。

ただ、ファルコム社員の名誉のために言っておきたい。彼らはサボっているわけではない。『閃の軌跡』は4作で完結したが、5年かけてゲームを4本作った。このペースで50~80時間のRPGをリリースし続けるというのは、日本のゲーム業界の中では、そんなことができる会社はほとんど存在しない。例えば2年かけてCGムービーを作るのであれば、彼らはもっと高いクオリティを実現できる。ところが『軌跡』シリーズのイベントシーンは2時間どころか20時間くらいある。彼らは当然クオリティを上げたいとは思っているが、軌跡シリーズのリリース期間を考えてなるべく早く届けようと思うと、どこかで折り合いをつけなければならない。クオリティを上げながらやっていると、僕が生きているうちに終わらない可能性がある。

そうは言っても、綺麗なグラフィックで遊びたいし、僕自身も好きなゲームを勧めた時に「グラフィックがしょぼい」と言われ胸が傷んだ経験もある。今、ファルコムには若い人材も入ってきて、彼らはもっともっと良くしたいと考えて色々な提案をしてくれている。それが結果として少しずつ現れてくると思うので、楽しみに待っていてほしい。

軌跡シリーズの新作がどの地域を舞台にするかは既に決まっていて、その中にカルバード共和国も含まれている。いくつか残りの地域を描いていくが、『空の軌跡』から『閃の軌跡』の間で名前が出ている地域になる。閃の軌跡シリーズを通して大陸の東側がどうなっているかという話しが出てくると思うので、閃の軌跡IVをプレイしながら楽しみに待っていてほしい。
僕がファルコムに入社するきっかけになったキャラクターがいる。それは英雄伝説シリーズ3作目『白き魔女』に登場する“白き魔女ゲルド”。本作は“白き魔女”の足跡をたどる旅を描くRPGで、彼女がやってきたことや各地に遺してきたことを目にしながら冒険を進めていくものの、彼女の生死については不明なまま。そして最終的に主人公たちは“白き魔女”がどうなったかを知ることになるわけだが、そのエピソードがあまりにも綺麗で涙をボロボロ流しながらプレイした。その経験からゲームのストーリーを作ってみたいと思った。また、当時個人的にファンサイトを運営しており、それがファルコムの目に留まり入社を打診された。
今最も好きなキャラクターは『イースVIII』のダーナ。ファンの中では『イースI・II』のフィーナとリリアというヒロインが根強く残っている。彼女たちを超えるにはどうしたらいいのか?ということから生まれたのがダーナ。彼女たちは操作できなかったけれど、実際に操作できてその半生を描けば、思い入れが変わってくるのではないかと考えた。ただ、イースはアドルを動かすゲームなので、ヒロインを動かしたらみんな怒るのではないかと思い“夢の中で動かす”というアイデアを思いついた。ダーナというヒロインをきっかけに『イースVIII』ゲーム全体のシステムが固まっていった。
軌跡シリーズはナンバリングとして大きなものが既に動き始めている。これは大掛かりなもので若干時間がかかると思う。しかし、あまりに待たせるのも良くないと思い軌跡チームをふたつに分けた。こういうエピソードが見てみたいとか、あれをやってみたい、これを知りたかったという思いに応えられる作品を、もうひとつのチームが何とか出来ないかというのを実は考えている。
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