神谷英樹氏、『Scalebound』への思い未だ冷めず -「やろうよ、フィル!」Xboxボスにアピール

『ベヨネッタ』や『大神』などの名作を世に送り出してきた神谷英樹氏が、かつて開発中止になった『Scalebound』への思いを再び口にしました。約1年半前にプラチナゲームズを離れ、新スタジオ「Clovers Inc」で『大神』続編の開発に取り組む神谷氏ですが、8年前に頓挫したドラゴンとの冒険の夢は、今も心に残っているようです。

YouTubeで盛り上がる開発メンバー

きっかけは、Clovers Incの公式Xアカウントが投稿した一本の動画。「神谷のデスク周りで何やら盛り上がっていることに気づきました」という書き出しで始まるこの投稿には、神谷氏とスタッフたちが『Scalebound』の初期映像をYouTubeで視聴し、懐かしむ様子が映っていました。

動画では、神谷氏が「持ち込んだヘッドフォンとスマホを持っているんだ」と説明する場面も。これに対してスタッフが「異世界転生」とコメントすると、神谷氏は「そうそうそうそうそう。今流行りの」と笑顔で応じています。

この投稿には「リリースには至らなかったけど、彼は今でもそれを誇りに思っている」「いつかまた作りたい」という神谷氏の本音も添えられていました。これを見た神谷氏はすかさず「Let’s do it, Phil(やろうよ、フィル)」とMicrosoft Gaming CEOのフィル・スペンサー氏に呼びかける形で引用リツイート。昔話に花を咲かせるだけでなく、復活への本気度が伝わってきます。

幻のドラゴンRPG、その歴史

『Scalebound』は2013年にプラチナゲームズで開発がスタート。神谷氏がディレクターを務め、ドラゴンとの絆を描くアクションRPGとして注目を集めていました。Microsoft Studiosから発売予定だった本作ですが、2017年に突如として開発中止が発表され、多くのファンを落胆させました。

それから時は流れ、2022年初めには神谷氏自身が「Microsoftとプロジェクト復活について話し合いたい」と公言。この時も「フィル、やろうよ」と呼びかけ、後のインタビューでは「冗談じゃなく、マジです」と熱い思いを語っています。

こうした動きに対し、Spencer氏は今年9月末に日本のゲームメディア「Game Watch」の取材で「今のところ『Scalebound』について言うことは何もない」と笑顔で答えるにとどまっています。その曖昧な反応に、ファンたちはまだ希望を捨てきれずにいるようです。

冷めない情熱、復活の可能性は?

開発中止から約8年という年月が経った今でも、『Scalebound』への思いは神谷氏の中で生き続けています。プラチナを離れ、新たなスタートを切った今だからこそ、未完の作品に再び向き合いたいという気持ちが強まっているのかもしれません。

ゲーム業界では開発中止は珍しくありませんが、これほど長い間、作り手自身が復活を願い続けるケースは少ないでしょう。それは単なるビジネスチャンスというより、クリエイターとしての未完の夢への思い入れを感じさせます。

神谷氏の呼びかけにMicrosoftがどう応えるのか、それともこのままなのか。『Scalebound』復活はまだ不透明ですが、「作りたい」という思いがこうして表明されること自体、ファンにとっては小さな希望の光となっているようです。

情報元:VGC

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