『Silent Hill』、『SIREN』シリーズ、『Gravity Daze』シリーズの生みの親である外山圭一郎氏が2020年8月に設立したBokeh Game Studioのデビュー作『野狗子: Slitterhead』のレビューが解禁となりました。その結果は、Metacriticスコアが60、OpenCriticスコアが67(いずれも11/4 22:34現在)と厳しい評価となっています。
『野狗子: Slitterhead』は、猥雑さを色濃く残す街「九龍」を舞台に、記憶と肉体を失った精神生命体「憑鬼」となり、人間に擬態する怪物「野狗子」を倒すため、さまざまな人間に憑依しながら戦っていくというアクションアドベンチャーです。
『野狗子: Slitterhead』レビューまとめ
レビューでは、次々と異なる人間に乗り移りながらバトルおよび探索を行うというゲームシステムや、独特な世界観とビジュアルが評価される一方で、技術的な問題やゲームバランスの悪さ、反復の多いゲームプレイ、一部レベルデザインの不親切さを指摘する声があります。また、ストーリーが複雑で理解しづらいこともマイナスポイントとしてあげられています。
良い点
- 独創性とビジョン: 多くのレビュアーが既存のホラーゲームとは一線を画す独特のビジョンとスタイルを高く評価。リメイクや続編が多い中、新たなIPで独自の体験を提供しようとする姿勢を称賛しています。
- 興味深いメカニクス: 憑依能力を使って異なるキャラクターを操作するメカニクスや、時間ループを取り入れた斬新なコンセプト。
- ビジュアルと音楽: 不気味で驚異的なモンスターのデザインや、山岡晃氏によるサウンドトラック。
- 戦闘の戦略性: 憑依やパリィなどを駆使した戦略性の高い戦闘。
- グリティな雰囲気とオールドスクールな魅力: グリティで古風な魅力があり、「カルトクラシック」(※特定の層に熱狂的に指示され、時代を超えて愛される作品)になる可能性がある。
悪い点
- 戦闘システムの粗さ: 基本的な戦闘が単調で満足度に欠ける。
- ストーリーテリングの不備: ストーリーを理解するのが難しく、プレイヤーを置いてけぼりにする部分がある。
- 古臭さと洗練の欠如: 一部の要素が古臭く、現代のゲームと比べて洗練されていない。
- ゲームプレイの反復性: ゲームプレイが単調になりがちで、特にクエストの反復的な性質が興奮を薄れさせる要因となっている。
- 曖昧で不均一な体験: ゲームの全体的な流れと構造が断片的で一貫性に欠ける。
『野狗子』は、革新的で独特なアイデアとビジョンを持つ一方で、ゲームとしての完成度の低さが足を引っ張っている模様。カルト的な魅力やユニークな試みは評価されていますが、万人受けする作品ではなさそうです。
情報元:Metacritic / OpenCritic