スクウェア・エニックスは、PS4/XboxOne向けに鋭意開発中のタイトル『ファイナルファンタジーXV』について、本作の開発に携わる技術者やアーティストが直接説明してくれるテックデモ映像Vol.2を公開しました。
- グラフィック面での最大の課題はすべてが動的に変化するという点。次世代技術として、物理ベースのライティングやグローバルイルミネーションなどを取り入れた。しかし、分厚い雲がいつでも空を覆い隠すし、たとえ室内のシーンだったとしても次の瞬間には巨大なモンスターが屋根を引き裂いて屋外環境に変えてしまうかもしれない。我々が挑んでいるのはそういった規模のゲーム。
- 人物の肌はただの平面ではなく、光が透過し拡散反射するように見せている。車の塗装シェーダーは、実物同様ベースコート メタルフレーク その上にトップコートを重ねた層を感じるものにしている。モデルはアーティストによってかつてないほど高品質に作りこまれ、それに見合ったシェーダーとなると物理ベースのシェーダーを採用する必要があった。
- 料理は光の透過率や柔らかさといったものを素材ごとに変えなければならないが、新しいシェーダーを使うことによって、これらが綺麗に表現できるようになった。
- シェーダーが物理ベースになることで、ライト側も現実と同じようになるべき。照明ひとつひとつを計測し、それを数値に落としこんでいる。輝度や照射範囲を確定したライトアセットがあれば、街の照明配置が正しくデザインできるし、太陽の光もHDRで一日分を計測しているので、ゲーム画面の露出が現実の昼夜と同じスケールを持つことができている。
- FFの見所をエフェクトと考えている人は多い。今回使用しているシステムでは、生成するパーティクルを大幅に増やし、それぞれを独立して動かして環境と相互干渉させることが可能。
- アニメーションと環境の調和もプロジェクトの主要な目的のひとつ。周辺の地形やオブジェクト、外力に合わせてキャラクターの動きが自然に影響されている。フリーランシステムによりガードレールなど一定の障害物を自由に越えられる。人間もモンスターも動的に周囲を見回す。手足が周囲の物体を貫通しないようにしている。服や髪、草を物理的に動かすシステムも開発。倒した敵はラグドール化(攻撃などにより死亡して体の各部をコントロール出来なくなった時に、重力、運動エネルギー、回転モーメントなどを計算してそれらしい物理的な挙動を再現すること)し、体の一部を切り離すことも可能。キャラクターの制御にも物理を取り入れているので、人間もモンスターもバランスを保ち、ダメージにも動的に反応する。
- イベントタイムラインでカットシーンは動いているが、今回新たにパフォーマンス・キャプチャーで収録を行った。ボディとフェイシャルを同時に収録するので、よりリアルな表現が可能になっている。
- AIキャラクターは様々な環境を自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分で行動を決めて活動している。ルミナススタジオのAIグラフエディターは、そういったAIキャラクターの頭脳をゲームの中で再現するための強力なツールになっている。
- “移動”はAIで表現したい基礎的なもののひとつ。たとえば、プレイヤーの周囲において露天が近くにある・猫が遠くにいるといった状況を簡単にデータとして記述することができる。デザイナーの望む表現を、とても複雑なFF15の環境であっても表現できるようにする事が目標だった。