ドゥブロヴニクで開催されたゲーム技術カンファレンスREBOOT DEVELOP BLUE 2019にて『シェンムーIII』の新たな情報やスクリーンショットが公開されました。以下、鈴木裕氏が語った内容をまとめたものです。
『シェンムーIII』Reboot Develop Blue 2019 からの情報
- 最近は盛んにプレイチェックをしているが、20人ほどのモニター全員が全く違うプレイになっていて、狙った感じになってきた。デバッグは大変ですけどね。
- 寄り道が楽しいゲームになっている。薪割りばかりしている人も。
- 私はシミュレーターの人というイメージが強くて、シェンムーに関しても「リアルだね」と言われてきたが、実際はリアルを追求しているわけじゃなくてリアリティ(らしさ)を重視。例えば桂林の街の場合は、山は桂林だけど、街中には日本っぽい屋台があったり、鳳凰古城があったり、中国っぽく見える景色を色々なところから持ってきて、自分がやりたい表現に近づけるためにデフォルメしたりしている。
- 背景についてはすごくデフォルメしているが、モーションや中国人っぽい顔の造形などNPCには力を入れている。ここまで爺さん婆さんばかり出てくるゲームもないのかなっていうのもあるし。BGMにしてもなるべく中国の楽器を使ったり、こだわっているところはこだわっている。
- これはとても中国の船には見えないが、うちのデザイナーが得意だったから入れた。たくさんの電飾を付けるなどギラギラした感じを出して、なんとか中国風にしようと努力した結果、外観は中国の船に見えるようになった。
- スタッフの得手不得手を考慮し、スタッフが力を発揮できるように企画自体を少し変更してアレンジを加えたりしながら、世界観を崩さないギリギリを守りつつ作っている。
- 生産効率が落ちないように、各スタッフが得意とする表現で自由に作らせた後で調整していった。料理で例えるなら、完成したもの全てにバターをかけて似た味に仕上げるみたいな感じ。
- IとIIでは、さまざまな要素同士の繋がりが希薄だった。だから、『III』では色々な要素を繋いで関連付けていくということをした。アイテムひとつとっても、アルバイトでお金を稼ぎ、そのお金を木札と交換、木札をギャンブルで増やし、増やした木札を景品交換所でほしいアイテムに交換するなど、お金やアイテムの循環がある。そして、これらのサイクルは最終的に「技書」へ集約されるようになっており、何事も無駄なく全てのことができる限り関連するようにしている。
- 景品交換所では、色々なアイテムとの組み合わせで「技書」と交換することができる。
- 「簡単モード」「おすすめモード」「修行モード」「やめておけモード」という4つの難易度を用意。
- 「簡単モード」では、バトルが簡単で鍛錬もあまりしなくていいように調整されている。また、手に入れた技書の中から最大5つをデッキにセットし、左スティックで技書を選択、右スティックで一発で繰り出すというように、コマンドを覚えなくても簡単に技が出せる。
- いつでも練習・試合ができる「道場」を実装。「クンフー」で体力がアップし持久力が上昇。「散打」で技のレベルがアップし攻撃力が上昇。試合で強敵に挑戦し勝利することでランクアップしていく。
- 過去作を未プレイでも楽しめるよう作っているが、やっていればより楽しめるので、ダイジェストムービーを用意してある。
- フォークリフトも登場。どのような遊びが盛り込まれているかは秘密。
- シェンムーIIIは過去作とは異なるプレイフィールだが、やってみれば『シェンムー』としか名前が付けられないようなゲームになっている。ファンからは合格点がもらえると思うので、早く届けたい。