スクウェア・エニックスは、2025年3月13日に中国のゲーム開発会社HK TEN TREE LIMITED(通称Ten Tree)に対して、著作権侵害の訴訟を提起しました。この訴訟は、Ten Treeがスクウェア・エニックスの『Front Mission 2089: Borderscape』というタイトルの開発契約が終了した後に、その資産を使用して『Metal Storm』(または『Mecharashi』)というゲームをリリースしたことに起因しています。
スクウェア・エニックスとTen Treeは、2022年4月に『Front Mission 2089: Borderscape』の共同開発を発表しました。このプロジェクトはモバイル向けゲームとして進められていましたが、同年10月にスクウェア・エニックスが開発をキャンセルし、両社間の契約を終了しました。
スクウェア・エニックスは、Ten Treeが『Front Mission 2089: Borderscape』の開発に関する契約を解除されたにもかかわらず、そのゲームの資産を無断で使用したと主張。具体的には、「メカデザイン、キャラクター、ゲームメカニクス、その他の創造的な要素を含む、ライセンスゲームの保護対象となる表現を意図的かつ故意に『Metal Storm』にコピーした」と述べています。そして、26ページに及ぶ訴状には、不正使用の証拠として、スクリーンショット(※下記。左がFront Mission、右がMetal Storm)などが添付されています。
訴訟では、スクウェア・エニックスは以下の要求をしています。
- Ten Treeの利益の賠償
- 各著作権侵害に対して最大15万ドルの損害賠償
- 弁護士費用や法的費用の全額負担
- Ten Treeの行動を制限するための仮差止命令
この訴訟は、アメリカのワシントン州西部地区裁判所と日本の東京地方裁判所の両方で提起されています。スクウェア・エニックスは、Ten Treeが『Metal Storm』を日本と中国でリリースした後、アメリカ市場への展開を阻止するために法的手段を講じています。
最後に『Front Mission 2089: Borderscape』と『Metal Storm』のトレーラーを掲載します。
情報元:Anime Corner