任天堂は、次世代機「Nintendo Switch 2」がNvidiaのDLSS技術とレイトレーシング技術を採用することを正式に発表しました。しかし、具体的な実装方法やデモンストレーションはまだ公開されていません。この情報は、IGNが参加したニューヨークでのハードウェアに関する質疑応答イベントで明らかになりました。
DLSS(Deep Learning Super Sampling)は、Nvidiaが開発したAI技術で、低解像度の画像をリアルタイムで高解像度にアップスケーリングします。これにより、ゲームのパフォーマンスと画質を同時に向上させることが可能です。Nintendo Switch 2では、最大4K解像度でのテレビ出力が可能なため、開発者がこの技術を活用して柔軟に画質を調整できるとされています。任天堂のエンターテインメント企画開発部門でプログラミング管理グループのシニアディレクターを務める堂田卓宏氏は、「DLSSはゲーム開発に必要な技術であり、開発者に多くの選択肢を提供する」と述べています。
さらに、Nintendo Switch 2のGPUがレイトレーシングに対応することも確認されました。レイトレーシングは、光の反射や影をリアルに再現する技術で、ゲームの視覚的表現力を高めます。堂田氏は「GPUはレイトレーシングをサポートしており、DLSSと同様に開発者にとって有用なツールとなる」と説明しました。ただし、どの程度の性能で動作するのかは不明です。
一方で、任天堂はハードウェアの具体的な仕様については多くを語りませんでした。技術開発部門のゼネラルマネージャー兼シニアディレクターである佐々木哲也氏は、「Nintendoはハードウェアの詳細よりも、消費者に提供できる価値を重視している。GPUに関する情報はパートナーであるNvidiaが提供する予定だ」とコメントしています。公式仕様では、Nintendo Switch 2がNvidia製の「カスタムプロセッサ」を搭載することが記載されているのみで、詳細は伏せられています。
2025年1月には、Nintendoが2023年7月に申請し公開された特許が注目されました。この特許は、AIを用いた画像アップスケーリング技術を説明しており、ゲームのダウンロードサイズを抑えつつ4Kテクスチャを実現するものです。この技術はNvidiaのDLSSやPlayStation 5 ProのPSSRに似ており、Nintendo Switch 2での活用が期待されています。
Nintendo Switch 2は、DLSSとレイトレーシングを搭載することで、現行機種から大きな進化を遂げる可能性があります。今後、Nvidiaからの追加情報が明らかになることで、その全貌がより明確になるでしょう。
情報元:IGN