独特な世界観とビジュアルで話題を呼んだ『アトミックハート』。その続編『Atomic Heart 2』がついに正式発表されました。対応プラットフォームはPCとコンソールです。ゲームエンジンはUnreal Engine 5に変更され、物語・システム・構造すべてを見直す大規模なプロジェクトとして動き出しています。今回のインタビューでは、前作の課題や、その克服に向けた開発陣の工夫が語られました。
Atomic Heart 2 アナウンスメントトレーラー
前作の反省と、新たな世界作り
探索の妨げとなった要素と改善の方向性
開発を率いるRob Bagratuni氏は、「前作では敵の出現頻度が高すぎて探索の邪魔になっていた」と素直に振り返ります。また、NPCの動きやゲームのテンポが原因で、没入感をうまく作れなかった点も課題だったと認識していたそうです。
中でも都市チェロメイについて、「見た目は魅力的だったが、実際にはプレイヤーがあまり立ち寄れなかった」と述べ、今作ではそうした設計ミスを繰り返さないと強調しています。
舞台と物語のスケールアップ
今作では舞台が前作の施設「3826号施設」から外の世界へと広がり、物語もより国際的な視点へと展開します。前作主人公P-3の物語が続く一方で、新たなキャラクターの登場も示唆されており、複数の視点が絡むストーリーになっていくとのことです。
Bagratuni氏は「ただ風景を通り過ぎるのではなく、その世界に“生きている”感覚を大切にしたい」と語り、探索そのものを豊かにする設計が意識されています。
システム・戦闘・成長の進化
ポリマーと武器の組み合わせがさらに強化
ポリマーグローブの能力と武器の連携は、今作でさらに進化します。「直感的かつ手応えのある戦闘体験」を目指し、さまざまなビルドを試せるようにバランスが調整されており、スキルと武器の相互作用がより感じられるようになっているとのこと。
また、ステルス要素の薄さや育成のテンポの悪さといった前作の課題にも向き合い、「自由度とやりごたえの両立」が目標に掲げられています。
RPG要素の自由度がアップ
キャラクター育成についても、「プレイヤーが自分の好みに合わせて自由に成長できるようにする」という方針が明言されています。レベルやスキルの選択がゲームプレイにしっかりと影響する設計へと見直されており、自分なりのプレイスタイルを作りやすくなるよう配慮されているようです。
初めてでも入りやすい構成に
シリーズ未経験者にも配慮したストーリー構成
『Atomic Heart 2』では、シリーズを初めて遊ぶ人でも楽しめるようにストーリー設計が工夫されています。Bagratuni氏は、「前作やDLCを知らない人にも対応する」と述べ、第3DLCで好評だった“ダイジェスト形式の導入部”を今作でも取り入れる可能性があると語りました。
過去作をプレイしていなくてもストーリーに入り込みやすい構成になっており、新旧ファンのどちらも楽しめる内容が目指されています。
続編への仕込みと開発の進化
DLCを使った実験と発展
『Atomic Heart 2』の構想は実はかなり早い段階から始まっていました。前作のDLCではすでに続編に向けた仕掛けがいくつか試されており、第3DLCに登場したグラップリングフックも「続編で重要な役割を果たす可能性を想定した実験」だったといいます。
そのほかにも、本編とは気づかれにくい形で試されていた要素がいくつもあり、それらが今作の中核へと発展していく設計が進められています。
技術の進歩とチームの成長
続編では開発ツールや技術基盤が一新され、より複雑で連動性の高いシステムが構築可能になっています。Bagratuni氏は「以前は無理だったような方法が使えるようになり、開発者としてとてもワクワクしている」と語り、開発チーム全体のスキル向上と技術的な進化を強調しました。
販売戦略とリリースへの展望
地域ごとの展開にも引き続き注力
前作では、Focus Entertainmentが全体の販売を手がけ、地域ごとにディストリビューターと連携する形で展開されました。Bagratuni氏は「セルフパブリッシングの流れも歓迎するが、ローカルの知識と経験を活かした展開も大切」とし、今回も同様の戦略が検討されていると話しています。
発売時期は「まだ先」、こだわりの仕上げに注力
『Atomic Heart 2』の発売時期については未定で、「完成までに数年かかるかもしれない」とのことです。ただし、「ビジョンを妥協せずに最高の体験を届けることを優先する」という姿勢が明確に示されており、じっくりと丁寧に開発が進められています。
スクリーンショット



















情報元:ファミ通.com




