Bokeh Game Studioが次回作の開発に本格的に着手していることが明らかになりました。『野狗子: Slitterhead』を手がけた外山圭一郎氏は、現在進行中の新プロジェクトについて「スタジオの総力を挙げて立ち向かっている」と語っており、スタジオとして重要な節目にあることを示唆しています。
この記事では、現在開催中の展示会「The Concept Art of Slitterhead -『野狗子: Slitterhead』コンセプトアートとその世界-」で行われたインタビューを基に、Bokeh Game Studioの次回作に関する最新の動きや開発の方向性について詳しくお伝えします。
スタジオ再始動──外山圭一郎氏の新たな挑戦が動き出す
Bokeh Game Studioは、2024年11月発売の『野狗子: Slitterhead』を経て、新たな開発段階に入りました。展示会でのインタビューにて、外山氏は次回作への本格的な取り組みについて次のようにコメントしています。
「いまはまたスタジオの総力を挙げて立ち向かわないといけないな、という感じです」
この発言から、現在進行中のプロジェクトがスタジオにとって中心的な位置づけであることがうかがえます。
開発方針の変化──ライト企画から全社的プロジェクトへ
設立当初の方針として、若手主導の小規模企画にも可能性を見出していた外山氏。しかし、現行のプロジェクトでは方向転換が図られています。
「当初はもっとライトな企画も含めて、いろいろやれるスタジオにしたいと考えていました。ですが、いまはまた総力を挙げて立ち向かわないといけないという感じです」
このコメントから、次回作はスタジオの主軸となる大型開発である可能性が高いと考えられます。
『野狗子』から得た反省と次回作への活用
『野狗子: Slitterhead』はアクションとホラー要素を組み合わせた独自の作品としてリリースされましたが、外山氏は「ジャンルの伝え方」についての課題を感じていたと振り返っています。
「ホラーなの? アクションゲームなの? みたいな戸惑いがあったことも感じています」
このような反応を受け、次回作ではジャンルや設計の明確化が重視されると考えられます。また、外山氏は「骨太で遊び応えのある作品」を目指していたとも述べており、プレイ体験によりフォーカスした開発が行われていると見られます。
次回作は『野狗子』の続編なのか?
『野狗子』のエンディングは物語の広がりを感じさせるものでしたが、次回作がその続編であるかについては、現時点では明確な回答はありません。
「すぐに続編の物語が作れるかというと、そうではなかったりもして。そのあたりは、今後必然性が噛み合ったときにはあるのかなと思いますが、少なくともすぐのタイミングではないでしょうね」
この発言から、次回作は『野狗子』の直接的な続編ではなく、新たな企画である可能性が高いことが読み取れます。
現在の開発状況とスタジオの将来設計
開発中の次回作は、まだ初期段階にあると外山氏は述べています。
「まだまだ序盤のほうなので、詳しいお話はもっと未来にお伝えすることになるのかなと思います」
また、自身の年齢や後進育成にも触れ、スタジオとしての持続可能性にも配慮していることが語られました。
「どこまでこの挑戦を続けられるのか、自分の年齢も考慮したりすると難しいところではありますが、それを続けながらも次の世代にバトンタッチしていかなくてはならないな、と思っています」
このように、今回のプロジェクトは単なる1タイトルの開発にとどまらず、スタジオの未来を見据えた長期的視野のもとで進められていることがうかがえます。
アート展に見る創作の広がり
次回作が進行する一方で、現在開催中の『野狗子』コンセプトアート展では、ゲーム本編に登場しなかった構想や設定も公開されています。削除されたキャラクター「ハーレイ」や、“人間牧場”といった構想段階のアイデアも展示されており、作品づくりの背景が明かされています。
開発に携わった髙橋美貴氏は、自身の個展「肉と魂」との合同開催という形式でゲーム表現とアートの融合を試みており、Bokeh Game Studioの表現の幅広さを示す場ともなっています。
今後の開発動向に注目
Bokeh Game Studioが取り組む次回作は、前作『野狗子: Slitterhead』で得た知見と制作体制を基盤にしつつ、新たな方針で進行しています。続編ではなく、新規プロジェクトである可能性が高いことも確認されており、開発の進捗とともにその内容が徐々に明らかになると見られます。
現段階では詳細な発表は未定ですが、スタジオが全力で取り組むプロジェクトとして、進展が注目される状況です。
情報元:ファミ通.com




