PS5販売8,030万台 ソニー決算で見えた事業転換の方向性

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ソニーグループ株式会社は、2025年度第1四半期(4〜6月)の決算を発表しました。ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)部門の営業利益は前年同期の約2.3倍となる1,480億円で、過去最高を記録しました。PlayStation 5(PS5)の累計出荷台数は8,030万台に到達。PlayStation Network(PSN)の月間アクティブユーザー(MAU)も1億2,300万に増えています。
さらに、決算後の質疑応答では「ハード中心」から「プラットフォーム型」への事業転換が進んでいることが示されました。

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PS5累計8,030万台達成の要因

2025年3月末のPS5累計出荷台数は7,770万台。今回の四半期(4〜6月)で250万台を出荷し、合計8,030万台に到達しました。

この期間のG&NS営業利益は前年同期比で約2.3倍の1,480億円となり、過去最高を更新しました。好調の背景には、サードパーティーソフトの販売増加とネットワークサービス収益の伸びがあります。

PSNアクティブユーザー1億2,300万に拡大

PSNの月間アクティブユーザー(MAU)は、前年同月比6%増の1億2,300万アカウント。四半期全体の総プレイ時間も前年同期比で6%増えました。これらの数字は、サードパーティーソフトやネットワークサービスが順調であることを示しています。

財務担当が語る「ハード依存脱却」

決算後のQ&Aで、ソニーグループ株式会社 執行役員(財務・IR担当)早川禎彦氏は次のように述べました。

「ゲーム事業では、ハードウェアセントリックのビジネスモデルから、コミュニティを広げていってエンゲージメントを高めていくというプラットフォームビジネスが増えてきております。こういった形で事業ポートフォリオが、よりエンターテインメント、クリエイトにシフトしていく中で、収益の安定性、それから予見性というのも増してきているという風にとらえています。」
(2025年Q1決算後Q&Aより)

つまり、PS5などの本体販売だけに依存せず、ソフトやサービスを中心に長く収益を得る方向へ舵を切っているということです。

マルチプラットフォームとサブスク強化

決算Q&Aや過去の求人情報から見える傾向は以下の通りです(新たに公式発表された施策ではありません)。

  1. PC版や他社プラットフォーム向け展開の増加
  2. サブスクリプションサービス「PlayStation Plus」の強化
  3. ファーストパーティータイトルの時限独占化の継続

これらは『Helldivers 2』や『Horizon』シリーズのPC版など、過去の動きとも一致します。

通期見通しと収益の安定性

ソニー全体の2025年度通期営業利益見通しは、4.2%上方修正され1兆3,300億円に。G&NS部門の売上見通しは4兆3,200億円、営業利益は5,000億円となっています。

早川氏が言及した「収益の安定性・予見性」は、為替変動や本体販売台数の増減による影響を小さくし、サービス収益で安定した利益を確保する狙いがあります。

まとめ

  • Q1でPS5累計8,030万台、営業利益は前年同期比約2.3倍の1,480億円
  • PSNのMAUと総プレイ時間はともに前年同期比6%増
  • 「ハード依存からプラットフォーム型」への移行を明言
  • 過去事例からも見えるマルチプラットフォーム展開やサブスク強化の流れ
  • 通期営業利益予想は1兆3,300億円に上方修正

ソニーのゲーム事業は、これからは本体販売だけでなく、より幅広いユーザー層に向けたサービスやコンテンツの提供に重点を置いていくとみられます。


参考情報

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