日本ファルコムの近藤季洋社長が、『英雄伝説 空の軌跡 SC』のリメイクについて、「リリースしなければファンから“嘘でしょ”と言われる」と語り、続編リメイクの必要性に言及しました。また、『界の軌跡』の続編開発やシリーズの今後の方針についても明かしています。
『空の軌跡 SC』リメイクはファンへの約束
『空の軌跡 the 1st』が発表されたことで、ファンが次に期待するのは、その直接的な続編である『空の軌跡 SC』のリメイクです。この点について近藤社長は、続編制作の必要性を強く認識していると語ります。
『空の軌跡 the 1st』はやはり『空の軌跡 FC』のリメイクなので、当然『空の軌跡 SC』のリメイクもリリースしないと「嘘でしょ」となりますよね。
と、近藤社長はファンの心情を代弁するようにコメントしました。
さらに、2004年にPC版『空の軌跡』が発売された後、続編の『SC』がリリースされるまでファンを長期間待たせた過去を振り返り、「今回はなるべく間を開けないようにしたいです」と述べ、迅速な開発への意欲を示しました。なお、『SC』以降の作品のリメイクについては、今後のファンの要望次第であるとしています。
最新作『界の軌跡』も続編を準備中
リメイクプロジェクトと並行して、シリーズの完全新作も進行しています。2024年9月に日本で発売された最新作『英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-』について、近藤社長はすでに続編の開発に着手していることを明言しました。
「『界の軌跡』のストーリーは言うなれば『空の軌跡 FC』のようなポジションなので、当然続編は用意していますし、『空の軌跡 the 1st』と並行して制作しています」と説明。この続編は『空の軌跡 the 1st』と並行して開発が進められていますが、正式な発表はまだ先になるとのことです。
シリーズの未来を見据えた戦略:新規ファンと長年のファンのために
近藤社長は、なぜこのタイミングで原点である『空の軌跡』のリメイクに踏み切ったのか、その戦略的な意図についても語りました。社長は「『界の軌跡』でシリーズのクライマックスを描く前に、『空の軌跡 FC』のリメイクを作っておきたかったんです。」と述べており、その背景にはいくつかの理由がありました。
- シリーズの長期化への対応: 長年にわたるシリーズ展開の結果、『軌跡』シリーズがベテランファン向けのコンテンツに偏りがちになっているという課題認識がありました。
- 開発チームのリフレッシュ: 続編制作の繰り返しによるマンネリ化を防ぎ、開発チームの創造性を再活性化させる必要性を感じていました。「『軌跡』チームが疲れていることもあり、力を溜めるというステップが欲しかった」と近藤社長は率直に語っています。
この戦略に基づき、日本ファルコムは今後、既存ファンに向けた物語の核心に迫る新作と、『空の軌跡 the 1st』のように新規プレイヤーがシリーズの世界に足を踏み入れやすい「入口」となる作品の両方を展開していく方針です。
新規プレイヤー向けのタイトルと、長年のファン向けのタイトル。シリーズが生き残るためには、その両方が不可欠であると近藤社長は強調します。さらに、「ゲームの作り方や販売の仕方も今までのように行かないシーンに差し掛かっているので、手探りで走りながらにはなりますが、一生懸命やっていきます」と述べ、変化する市場環境への挑戦と意気込みを示しました。
発売情報
- タイトル: 『英雄伝説 空の軌跡 the 1st』
- 発売日: 2025年9月19日(全世界同時発売)
- 対応プラットフォーム: PC (Steam), Nintendo Switch, PlayStation 5
- Nintendo Switch 2版: 発売予定。150円(税込)のアップグレードパックとして提供予定。
変化の激しいゲーム業界の中で、試行錯誤を続けながらも新旧双方のファンに愛されるシリーズを目指す日本ファルコムの挑戦に、今後も多くのゲームファンから注目が集まります。
出典:Automaton:『空の軌跡 the 1st』は、「大ボリュームリメイク」であり「初心戻り」であり「続きも用意」。日本ファルコム近藤季洋社長に訊いた、人気作再誕の裏側




