「全盛期のDying Light」と絶賛!『ダイイングライト:ザ・ビースト』レビューまとめ:ストーリー面に懸念も

『ダイイングライト:ザ・ビースト』レビューまとめ:シリーズ原点回帰の傑作!ただしストーリー単調さは要注意

海外主要メディアのレビューが公開された2025年9月18日時点で、『ダイイングライト:ザ・ビースト』は概ね高評価を獲得しています。カイル・クレインの復活と改良されたパルクールシステムがシリーズの原点回帰として絶賛される一方、ストーリーの単調さやオープンワールドの探索動機不足に懸念の声も聞かれます。

※本記事は2025年9月18日付PC版レビューに基づいています。

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まずはここをチェック!Dying Light: The Beastの評価まとめ

評価分布: 評価分布: 40〜92点と幅広く、90点台7件、85点5件、80点台19件、70点台7件、60点台3件、40点台1件の分布となっています。80点台を中心として高評価傾向が明確に見られます。

👍 特に評価が高いポイント

  • カイル・クレインの復活と魅力的なキャラクター描写による物語の深み
  • 「シリーズ最高のパルクール」(Eurogamer Poland)と評される流麗な移動システム
  • より残虐で重量感のある近接戦闘システムへの進化
  • ビーストモードによる新たな戦闘体験と爽快感の提供

⚠️ 気になるポイント

  • 直線的で選択肢に乏しいストーリー展開と弱い敵役(Gamesurf)
  • オープンワールドの探索における驚きや多様性の不足(IGN、PCMag)
  • 一部のAI挙動やレベルデザインの調整不足(Critical Hits)

主要メディアのスコア

  • 90点台: Areajugones(92)、CGMagazine・Eurogamer Poland・GamesRadar+・Hobby Consolas・The Outerhaven・DualShockers(90)
  • 80点台: GRYOnline.pl・GamingTrend・Loot Level Chill・XboxEra・Voxel(85)、GameStar(84)、GamePro Germany(82)、CD-Action・Critical Hits・Gamesurf・GameSpot・PCGamesN・SpazioGames・TechRadar Gaming・Game Rant・Gamepressure・Gamersky・Jeuxvideo.com・TheGamer・IGN Italia・IGN Deutschland・Oyungezer・PC Games・INVEN(80)
  • 70点台: Meristation(78)、Gamereactor UK・PCMag・IGN・PC Gamer・Shacknews・Gameblog.fr(70)
  • 60点台以下: Wccftech(65)、Eurogamer Germany・Dexerto(60)、Gamekult(40)

結論: シリーズファンや初代愛好者には強く推奨できる作品。パルクールアクションを重視する層には最適ですが、物語の深さを求める読者は単調さを考慮して選択することをお勧めします。

高評価レビューの声:全盛期への回帰

最高評価を与えたメディアからは、Techlandが『Dying Light 2』での経験を活かし、シリーズの核心に立ち戻ったことを評価する声が相次いでいます。Areajugones(92点)は「Techlandは世界中の何千ものプレイヤーの監視下で最終試験を受け、見事に合格した(passed with flying colors)」と述べ、「これまで以上にDying Lightらしく、2作目の過ちから学び、決して逸れてはならなかった道に戻った」と開発チームの姿勢を高く評価しています。

GamesRadar+(90点)は本作を「驚異的な成果(staggering achievement)」と称し、「シリーズの精神を再捕獲し、それを10倍に高めた結果、より狭いスペースを占めているにもかかわらず、ハランやヴィレドーを合わせたよりも生き生きと感じられる世界を実現した」と新マップの魅力を強調しています。Techlandが車輪の再発明ではなく、自らのプレイブックを再活性化することで「Dying Light in its prime(全盛期のDying Light)」を体現したと分析しています。

CGMagazine(90点)は技術的な進歩に注目し、「ムーブメントと武器の感覚を取り戻し、より残虐に進化させたことで、Dying Light 2の行き過ぎた性質の後では信じられないほど素晴らしく感じる」と評価しています。DualShockers(90点)も「カイル・クレインの復帰と同様に、シリーズも本来の姿に戻った(returned to form)」として、キャラクターの復活がシリーズのアイデンティティ回復に重要だったことを指摘しています。

革新的な新要素:ビーストモードと洗練されたパルクールシステム

今作の大きな特徴である「ビーストモード」について、The Outerhaven(90点)は「絶対的なハイライト(absolute highlight)」と述べ、「敵を無慈悲に引き裂くことができる」爽快感を強調しています。このシステムは、プレイヤーが獣の力を解放して圧倒的な戦闘力を発揮できる新たな選択肢として、戦闘体験に変化をもたらしています。

パルクールシステムも大幅な改良が施されており、Eurogamer Poland(90点)は「シリーズ最高のパルクール」と評価しています。移動の流麗さと操作感の向上により、屋根から屋根へと飛び移る爽快感がさらに高められました。XboxEra(85点)も「トップレベルの移動システムと戦闘」として、これらの要素が物語を支える重要な柱となっていることを指摘しています。

舞台設定も注目すべき変更の一つです。従来の都市部からアルプスのリゾート地へと変更されたことで、TechRadar Gaming(80点)が指摘するように「街の通りから眠れるアルパインリゾートへのアクションの移行は歓迎すべき変化」となり、新鮮な探索体験と視覚的魅力を提供しています。Hobby Consolas(90点)は「新マップ、より重い車両感覚」などの的を絞った新要素を評価しています。

指摘されている懸念点

PC版のパフォーマンス自体は安定しているとの評価がある一方で、ゲーム設計の構造的な課題が複数のレビューで指摘されています。これらの懸念は、プラットフォームを問わずゲーム全体に共通する設計面の課題として言及されています。

ストーリー・物語面の課題では、Gamesurf(80点)が「物語は単純明快で、意味のある選択肢がなく、脇役キャラクターは平板で敵役も弱い」と指摘し、物語の深みやキャラクター描写の不足を問題視しています。IGN Deutschland(80点)も「クエストとストーリーラインがすぐにルーティン化する」として、展開の単調さを指摘しています。

オープンワールド設計については、IGN(70点)が「平凡なストーリーとサプライズの少ないマップ」を指摘し、探索の動機付けが弱いことを示唆しています。PCMag(70点)も「エキサイティングなアクションとパルクールが平凡なオープンワールドデザインによって妨げられている」と評価し、広大なマップが必ずしも多様な体験に繋がっていないことを指摘しています。

ゲームバランスと技術的調整に関しては、Critical Hits(80点)が「キャンペーンの進行が突然高すぎるレベルを要求する問題」と「キャンペーンミッションでのVolatileのAI問題」を具体的な課題として挙げています。TechRadar Gaming(80点)も「人間の敵は依然として戦っていて面白みに欠ける」として、敵AIの改善余地を指摘しています。

一方で、Gamereactor UK(70点)は「大きなイノベーションが必要になってきている」として、シリーズの将来的な発展の必要性を建設的に示唆しており、Critical Hits(80点)も一部の問題を「容易に修正できる」と言及していることから、これらの課題は今後のアップデートでの改善が期待される部分です。

なぜ高評価?「焦点の絞り込み」という改善の核心

『ダイイングライト:ザ・ビースト』が高評価を獲得した最大の理由は、開発チームが『Dying Light 2』での経験から得た教訓を真摯に受け止め、シリーズの核となる魅力に立ち戻ったことにあります。Voxel(85点)は「長年のファンに最も響く作品」として、「的を絞った改善に焦点を当てながら、過去作でうまくいった多くの要素を保持する大胆な動き」を評価しています。

特に評価されたのは、パルクールと戦闘システムの洗練です。GameSpot(80点)は「Dying Lightは常にいくつかのことを非常にうまくやるシリーズだったが、同時により多くのことをやろうとして気が散ってしまっていた。ついにThe Beastは、Dying Lightの最良の部分に寄りかかっている」と分析し、焦点を絞ったアプローチを高く評価しています。

また、当初はDLCとして企画されていた本作をフルゲームに昇格させた判断についても、GRYOnline.pl(85点)が「Dying Light 2の2番目のDLCをフルゲームに変換する決定は正しかった」と評価しています。TheGamer(80点)も「より野心的なDying Light 2のDLCとして始まったかもしれないが、その内包された成功は、私たちが求めていた続編により近いものとなった」と述べ、開発チームの判断が結果的にファンの期待に応える形となったことを指摘しています。

総括:原点強化が示すシリーズの未来

『ダイイングライト:ザ・ビースト』は、派手な革新よりも「核の深化」で勝負した原点回帰型の成功例として位置づけられます。シリーズファンやパルクールアクションを重視するプレイヤーには間違いなく推奨できる作品であり、特に初代『Dying Light』の雰囲気を愛するプレイヤーには最高の体験を提供してくれるでしょう。

一方で、ストーリーの深さやオープンワールドの多様性を最重視する読者は、単調さの指摘やAIの調整不足などを考慮した上で選択することをお勧めします。しかし、その根幹にあるゲームプレイの質は非常に高く、これらの懸念点を補って余りある魅力を持っています。

複数のメディアが「シリーズ最高の一作」「全盛期」と評価している本作は、今後のフランチャイズの方向性を示す重要な指標となるでしょう。Techlandが自らの強みを再認識し、それを最大限に引き出すことに成功した『ダイイングライト:ザ・ビースト』は、シリーズの新たなスタンダードとして、ゾンビサバイバルアクションゲームの進化に大きな影響を与えることが期待されます。


出典:Metacritic: Dying Light: The Beast (PC)

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