2023年に原点回帰をコンセプトに高評価を博した『アサシン クリード ミラージュ』。その2周年を記念する大型無料アップデート「記憶の谷」が、2025年11月18日(ヨーロッパ時間)に全プラットフォームで配信されます。舞台を9世紀のサウジアラビア・アルウラの谷に移し、主人公バシムの知られざる過去――長く行方不明だった父親を探す個人的な旅路が描かれます。6時間以上の新コンテンツに加え、酸で敵を溶かす強化道具など、本編をさらに進化させる要素が満載です。
サウジアラビアの歴史遺産を忠実に再現した新たな冒険の舞台
新たな舞台となるアルウラの谷は、9世紀の文明交流地点として栄えた地域です。制作チームは地元の専門家や考古学者と協力し、ユネスコ世界遺産にも登録されている象徴的なランドマークを忠実に再現しました。
プレイヤーは、ナバテアの南の首都「ヘグラ」や、数千の碑文が残る屋外図書館「ジャバル・イクマ」といった歴史的な場所を含む、オアシスを中心とした5つのエリアを探索できます。実機デモでは、自然のランドマーク「エレファント・ロック」や、紀元前600年から存在したダダン王国の「ライオンズツーム」などが披露され、7000年の歴史が積み重なった豊かな世界が確認できたとのことです。
クリエイティブ・ディレクターのオリヴィエ・レオナルディ氏は、アルウラ選定の理由について「本編の開発当初から候補に挙がっていた」と説明。バグダッドとその郊外を合わせた広さに匹敵する規模でありながら、都市部は少なく自然豊かな環境となっています。「パルクール(建物や壁を使った移動アクション)で進める道を、より自然な環境に適用させています」と語りました。
父親探しを軸にバシムの成長物語が完結へ
物語の核心は、バシムが長年行方不明だった父親を探し出すという個人的なクエストです。このストーリーラインは本編の終盤、バグダッドでの最後のミッションの直前にアンロックされ、隠れし者との繋がりや本編の結末とは別軸で展開します。
レオナルディ氏は物語の重要性を強調します。「父親が彼を手放した瞬間は、バシムの人生すべてに影響を与えた重要な出来事です。長く父を知らずに過ごしてきたことで何を失ったのか、そのストーリーを語りたいと思いました」
プレイヤーは地域を脅かす悪党のリーダー「アハビス」と対決しながら、地元住民の助けを借りて謎を解き明かしていきます。和解と終結によってバシムが人生を前に進めるストーリーとなっているとのことです。
暗殺道具の劇的進化と挑戦的なゲームプレイ
ゲームプレイ面では、すべての道具に新しいアップグレードが追加されます。デモプレイでは、酸によって死体を跡形なく溶かす機能や、爆破に巻き込んだ敵を眠らせるノイズメーカーの上位版などが披露されました。
プロデューサーのヴィンセント・マウランディ=ラビオーネ氏は「すべての道具に新しいレイヤーのアップグレードがあります。そのいくつかは非常に劇的なものです」と説明。一方で「エリアにはより多くの敵がいるので、彼らを打ち負かすにはプレイヤーはツールとスキルを最大限に活かす必要があります」と、難易度の上昇も示唆しました。
スキルツリーには新たなキャラクタータイプ(戦闘スタイル)が追加されるほか、評価の高い「ブラックボックス」(自由度の高い暗殺ミッション)も引き続き登場。新形式のサブクエストや、すべての暗殺ミッションとコントラクトのリプレイ機能も実装されます。これらの新要素は追加エリアだけでなく、バグダッドを含む本編全体でも使用可能で、両エリア間はいつでも自由に行き来できます。
2年越しの構想が結実した6時間以上の充実コンテンツ
当初は大規模アップデートの予定はなかったものの、発売後の好評を受けて開発継続が決定。マウランディ=ラビオーネ氏は開発経緯を説明します。「本編の開発時はバシムのメインクエストに集中する必要がありました。発売後、後回しにしていたアイデアを検討してコンセプト作りを行いました」
コンテンツボリュームは、メインストーリーが3時間以上、サイドコンテンツが3時間以上の計6時間以上を想定。改善されたパルクールを存分に楽しめる都市構造は、各所で入手できる「楽譜」の収集とも結びついており、やり込み要素も充実しています。対応プラットフォームはPS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC、iOSとなっています。
レオナルディ氏は「コミュニティーの活発な活動を見るうちに、バシムのさらなるストーリーや後回しにしていたアイデアを提供したいと思いました」と語り、2周年という節目での配信に意欲を示しました。原点回帰の集大成となるこの無料アップデートは、ステルス、暗殺、パルクールという本作の核を、より挑戦的な環境で楽しむ機会を提供してくれることでしょう。




