『Heavy Rain』や『Detroit: Become Human』など、重厚な物語体験を届けてきた開発スタジオQuantic Dreamが、スタジオ史上初となるマルチプレイヤー対戦ゲーム『Spellcasters Chronicles』を発表しました。本作は基本プレイ無料の3v3チーム対戦アクションストラテジーで、PC(Steam)向けに2025年内にクローズドベータを開始する予定です。これまでシングルプレイヤーの物語主導型ゲームを専門としてきた同スタジオにとって、これは大きな方針転換となります。
なぜ物語のQuantic Dreamが「対戦」に挑むのか?
これまで数々の物語作品で高い評価を得てきたQuantic Dreamが、なぜ全く異なるジャンルである対戦ゲームに挑戦するのでしょうか。スタジオの代表であるDavid Cage氏は、今回の挑戦がチームにとって「挑戦であると同時に成長の源」であったと語ります。このプロジェクトは、約30年にわたるスタジオの歴史の中で培われた「創造的な精神と技術的な野心」を反映したものだとしています。今回の発表を機に、Quantic Dreamは単一のプロジェクトに集中する体制から、複数のプロジェクトを同時に手掛けるスタジオへと進化していくことも明らかにされました。

呪文と召喚が乱れ飛ぶ、3v3の高速空中アリーナバトル
『Spellcasters Chronicles』は、3人1組の2チームに分かれて戦う、スピーディーなアクションストラテジーです。プレイヤーは「スペルキャスター」と呼ばれる強力な魔法使いとなり、1試合約25分の中で、仲間と協力して拠点を制圧し、敵チームの「ライフストーン」を破壊することを目指します。本作の大きな特徴は、空中を自由に飛行しながら戦うダイナミックな戦闘です。空から戦場を見下ろし、戦況を分析しながら、強力な呪文や召喚を駆使してチームを勝利に導きます。スケルトンやドラゴンといったクリーチャーを召喚するだけでなく、戦況を覆す力を持つ巨大な「タイタン」を呼び出すことも可能です。7つの魔法系統、50種類以上の呪文や召喚から自分だけのデッキを構築し、戦略的なバトルを楽しみましょう。

対戦ゲームで「物語」を紡ぐ?コミュニティと共に創る世界の運命
本作は対戦ゲームでありながら、Quantic Dreamらしい物語へのこだわりも盛り込まれています。David Cage氏が「コミュニティ主導の物語を探求する」機会だと語るように、本作ではプレイヤーコミュニティの選択が世界の運命を左右します。シーズンごとに提示される選択肢にコミュニティが投票し、その結果がゲームのストーリー展開やゲームプレイそのものに影響を与えていくという、野心的な試みです。ゲームディレクターのGregorie Diaconu氏によると、クローズドベータの開始時点では対戦モードであるアリーナバトルに焦点を当て、このコミュニティ主導の物語要素は数ヶ月後に追加される予定とのことです。

ファン待望の『Star Wars Eclipse』開発も継続中
今回の新作発表とあわせて、多くのファンが心待ちにしている『Star Wars Eclipse』の進捗についても言及がありました。David Cage氏は、同作の開発が「もちろん、続いています」と明言し、開発が順調に継続していることを明らかにしました。具体的な内容については、将来的にさらなる情報を共有したいとしており、こちらも続報が待たれます。




