任天堂は2025年11月4日、2026年3月期の中間決算を発表しました。6月5日に発売した新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」が、9月末までの期間に1000万台を突破したことを明らかにしました。この結果を受け、同社は通期の売上高予想を、初めて2兆円を超える見通しの2兆2500億円へと上方修正しています。
Nintendo Switch 2が好調な滑り出し、販売計画を1900万台へ引き上げ
任天堂が11月4日に発表した2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)の連結決算では、6月5日に発売された「Nintendo Switch 2」が販売を牽引しました。Switch 2の販売台数は9月30日までに1036万台に到達。同期間の売上高は前年同期比110.1%増の1兆995億円、純利益は同83.1%増の1989億円となりました。
この販売状況を受け、任天堂はSwitch 2の通期販売計画を見直しました。当初1500万台としていた予想を400万台引き上げ、1900万台としました。古川俊太郎社長は決算会見で、年末商戦に向けて「欲しいとする顧客にしっかりと届けることを最優先」すると述べています。
通期業績予想を上方修正、売上高は初の2兆円超え見通し
Nintendo Switch 2の販売計画引き上げに伴い、2026年3月期通期の連結業績予想も上方修正されました。売上高は従来予想の1兆9000億円から3500億円増の2兆2500億円(前期比93.1%増)となり、同社として初めて2兆円の大台を超える見通しです。また、営業利益は3700億円、純利益は3500億円へと、それぞれ500億円ずつ引き上げられました。
『マリオカート ワールド』販売957万本、本体普及を後押し
ハードウェアの販売はソフトウェアが支えています。本体と同時発売された『マリオカート ワールド』は、本体セット販売分を含めて957万本を販売。7月に発売された『ドンキーコング バナンザ』は349万本を販売しました。
Switch 2の販売台数1036万台に対し、『マリオカート ワールド』の販売本数は957万本です。この数字には本体セット販売分が含まれており、単純計算で本体販売台数の約92%に相当します。ハードウェアの普及を後押しするタイトルとなっています。
株主還元も強化、年間配当は181円に
業績予想の修正に伴い、任天堂は株主還元の強化も発表しました。2026年3月期の年間配当予想については、従来計画の1株あたり129円から52円増額し、181円に修正しました。これは前期実績の120円からの増配となります。
さらに、配当方針そのものも見直されました。これまで配当総額の基準を「連結営業利益の33%」としていましたが、2026年3月期の期末配当より「連結営業利益の40%」へと引き上げることを明らかにしました。




