ユービーアイソフトの2025-26会計年度上半期決算において、2026年3月までに「未発表タイトル」が発売される計画が明らかになりました。複数の海外メディアは、これを『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』のリメイク版であると報じています。本稿では、発売時期の根拠とともに、現代編削除やRPG要素の導入といった主な噂を整理します。
決算資料から読み取れる発売時期
ユービーアイソフトが公開した決算資料によると、現会計年度の第4四半期(2026年1月~3月)に、『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』リメイクなどと並んで「未発表タイトル(an unannounced title)」の発売が予定されています。同社の会計年度は3月31日に終了するため、この未発表作は遅くとも2026年3月末までにリリースされる見込みです。
Insider GamingやMy Nintendo Newsといった主要メディアは、この枠こそが以前から噂されている『ブラック フラッグ』リメイクであると報じています。公式発表はまだ行われていませんが、数年前から開発情報がリークされていたほか、オリジナル版で主人公エドワード・ケンウェイを演じた声優がイベントでリメイクを示唆する発言をするなど、その存在は「公然の秘密」となりつつあります。
噂される主な変更点とその確度評価
リメイク版に関しては、発売時期だけでなくゲーム内容についても具体的なリークが相次いでいます。ただし、情報の確度にはばらつきがあるため、ここでは複数のメディアで報じられている確度の高い情報と、噂レベルの情報を区別して紹介します。
現代編カット報道とシームレスな移動
もっとも議論を呼んでいるのが、「現代編」のゲームプレイが削除されるという報道です。TechRadarなどが伝えたところによると、リメイク版ではアニムスから出る現代パートが廃止され、海賊時代のゲームプレイに完全に没入する形式になるとされています。これには物語への集中を歓迎する声がある一方、シリーズの重要な要素が失われることへの懸念も上がっています。
また、ゲームプレイ面では、船と陸地の移動がシームレスになると噂されています。オリジナル版では上陸時にロード画面を挟む場面がありましたが、リメイク版では現世代機の性能を活かし、ロードなしでスムーズに行き来できるようになると伝えられています。
RPG要素強化と新コンテンツ追加
戦闘や装備システムについては、『アサシン クリード シャドウズ』に近いRPG寄りの仕様へ刷新されるとの見方が有力です。具体的には、ステータス付きの装備品集めや、より複雑な戦闘メカニクスが導入されると言われています。近年のシリーズ作がRPG路線で成功していることを踏まえれば、現実味のある変更点といえます。
さらにRedditなどのコミュニティでは、現代編削除の代わりに、実在の女海賊メアリー・リードに関連するミッションが増加するとの噂も語られています。これらは二次的な情報源に基づくものであり確度は高くありませんが、海賊ファンにとっては期待のかかる追加要素といえるでしょう。
Ubisoft Singaporeと海戦リメイクの期待
リメイク版の開発は、Ubisoft Singaporeが主導しているとみられています。同スタジオはオリジナル版の開発にも参加していたほか、『ブラック フラッグ』の海戦システムから派生した海賊ゲーム『スカル アンド ボーンズ』を長年手掛けてきました。
もし同スタジオが主導であれば、リメイク版は単なるグラフィックの向上にとどまらず、海戦メカニクスにおける「原点回帰」と「技術的還元」が期待できます。『スカル アンド ボーンズ』で蓄積された波の表現や船の挙動に関するノウハウが、名作『ブラック フラッグ』の世界にどうフィードバックされるかが注目されます。
シリーズ戦略の中で見るBFリメイク
ユービーアイソフトにとって、アサシン クリードは依然として最大の収益源です。決算報告によれば、シリーズ全体のセッション数は年初来で2億1100万回(過去2年平均比約35%増)を記録。『アサシン クリード ミラージュ』は累計1000万プレイヤーに到達し、最新作『シャドウズ』も500万以上のユニークプレイヤーを獲得しています。
2026年には『シャドウズ』の大型拡張コンテンツ第2弾も期待されています。そこに人気作のリメイクを投入することで、新作と拡張、そしてリメイクのサイクルを回し、IPの勢いを絶やさない戦略が見て取れます。2026年3月までの発売が実現すれば、シリーズファンにとって忙しい年度末となりそうです。




