『ハンドレッドライン』小高和剛氏「怒りが原動力だった」──DLC予定なし、IP展開はメディアミックスで

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『ダンガンロンパ』の小高和剛氏が手がけた『ハンドレッドライン -最終防衛学園-』。Steam「非常に好評」を獲得した本作の開発の背景には、過去の挫折から生まれた「怒り」がありました。韓国メディアGame Mecaのインタビューで語られた開発の裏側と、DLC・続編についての明確な回答を紹介します。

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「怒り」から始まった開発──自費投入で完成へ

小高氏はスパイク・チュンソフト時代に『ダンガンロンパ』を手がけ、推理アドベンチャーの代表作として高い評価を得ました。その後、トゥーキョーゲームズを設立し、「自社IPの制作」と「打越鋼太郎氏との共同開発」という2つの目標を掲げました。しかし、過去に別のパブリッシャーと進めていたプロジェクトが中止になった経験があると語っています。

この挫折を経て、小高氏は本作の開発を決意しました。「インスピレーションの源は『見返してやる』という反骨精神と怒り、そして作品への愛だ」と述べています。設立目標を達成するため、自費を投じてでも完成させる覚悟だったといいます。

開発は困難を極め、借金も膨らみました。それでもアニプレックスとの出会いを経て、完成に至りました。発売後の現在について小高氏は「幸い、借金は無事に返済可能な水準になった。カップ麺生活から抜け出し、サラダを添えて食べられるようになった」と笑います。

「物量で圧倒」100エンディングの設計思想

本作は100日間の物語の中で、100個のマルチエンディングを用意しています。小高氏は「市場に多くのゲームがある中で生き残るには差別化が必要だった。シナリオライターが多い我が社の強みを活かし、物量で圧倒しようという戦略を立てた」と語ります。

制作体制にも特徴があります。トゥーキョーゲームズではシナリオライターが演出スクリプトまで担当する方式を採用しています。ライターが想像する音楽、表情、演出を正確に再現するためです。この方式は開発期間とコストの増加につながりましたが、その結果として、選択肢によってジャンルまで変化する独自の体験が実現しています。

小高氏は「すべてのエンディングを見る必要はない。プレイヤー各自が納得する結末で止まるのも、ゲームを楽しむ一つの方法だ」とも語っています。

発売後はユーザーからのフィードバックにも対応しました。より高い難易度を求める声があり、高難度モードを追加しています。小高氏は「唯一無二のシナリオ体験を作れた」「SRPGパートが予想以上に面白く仕上がった」と完成への手応えを語りました。

ダンガンロンパとの関係

インタビューでは作風についても質問が及びました。「絶望」というキーワードや雰囲気が過去作『ダンガンロンパ』に似ているとの指摘に対し、小高氏は「これまでの作品の総集合、ベスト版を作ろうという目標があった。ダンガンロンパのスタイルを意図的に避けようとはしなかった。自分自身もそういうスタイルが好きなので」と説明します。

ただし「作品自体が直接的に繋がっているわけではない」とも明言しており、ダンガンロンパの続編やスピンオフではないと明確にしました。

韓国語版の経緯と今後のIP展開

2025年4月に発売された本作は、Steamで「非常に好評」の評価を獲得しています。11月には韓国語版の対応が発表され、発売から約8ヶ月を経た現在も好調を維持しています。

稲生舜太郎プロデューサー(アニプレックス)によると、当初から韓国語を含む多言語対応を予定していました。しかし、日本語で約600万字に及ぶ膨大なテキスト量のため、ローカライズパートナーの確保に時間を要したといいます。発売後の好評を受けてアークシステムワークスアジアからパブリッシングの提案があり、韓国語版の実現に至りました。

小高氏は「発売直後から日本語でプレイしてくださった韓国の方も多いが、やはり母国語で楽しむ方がストーリーを100%理解するのに役立つと思う」と韓国語版の意義を語りました。

今後の展開について、稲生プロデューサーは「現時点で新キャラクターやシナリオを追加するDLC計画はない」と明言しました。シリーズ拡張についても「無理に継ぎ足して『違法建築』のようにするより、メディアミックスなどでIPを拡張する方向を好む」と述べ、グッズ展開などへの意欲も示しています。プラットフォーム拡大には前向きですが、ビジネスリソースを考慮して慎重に検討するとのことです。

出典

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