『Fable』善悪ゲージ廃止、目撃ベースの「評判」システムへ刷新——開発責任者が設計思想を語る

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『Fable』リブート版のゼネラルマネージャー兼ゲームディレクターであるラルフ・フルトン氏は、本作の道徳システムについて「スライド式の善悪ゲージは存在しない」と明言しました。代わりに採用されるのは、プレイヤーの行動を目撃したNPCが各自の価値観で評価し、集落ごとに「評判」として蓄積される仕組みです。本作は2026年秋に発売予定で、Xbox Series X|S、Xbox on PC、Xbox Cloud、Steam、PlayStation 5、Xbox Game Pass Ultimateに対応します。

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善悪ゲージ廃止と「評判」システムの導入

オリジナル三部作では善と悪の二項対立が中心的な要素でしたが、本作ではその仕組みを根本から見直したとフルトン氏は説明しています。新システムでは、プレイヤーの行動を少なくとも1人のNPCが目撃した場合に「評判」が発生します。

「我々の道徳システムにはスライド式の善悪ゲージのようなものはありません」 ——Xbox Wireより

鶏を蹴る行為を例に挙げると、目撃者がいれば「チキンチェイサー」という評判が付き始め、繰り返すほどその集落での代名詞となっていきます。重要なのは、同じ行動でもNPCごとに評価が異なる点です。鶏を蹴る行為は客観的な善悪に該当せず、各NPCの価値観によって反応が変わるとフルトン氏は述べています。

評判は集落ごとに「ワードクラウド」として蓄積され、店舗での価格、恋愛対象として見られる確率、結婚の可否にまで影響が及びます。気に入らない評判があれば、行動で挽回するか、タウンクライヤー(町の伝令)に金を払って新しい評判を触れ回らせることも可能です。

フルトン氏はこの設計思想を次のように表現しました。

「ゲームがプレイヤーを裁くことはないが、アルビオンの人々は裁く」 ——Xbox Wireより

「ファンタジーではなく、おとぎ話」という設計思想

本作の設計指針について、フルトン氏はLionheadから継承した資料に言及しました。その中に「『Fable』はファンタジーではなく、おとぎ話である」という一文がありました。フルトン氏はこの表現が『Fable』の本質を見事に言い表しているとし、アートスタイルや世界構築のあらゆる部分で「おとぎ話」の理念を追求してきたと語っています。

フルトン氏の解釈によれば、ファンタジーとおとぎ話はスペクトルの両端に位置するものです。『ウィッチャー』『スカイリム』『ロード・オブ・ザ・リング』のようなファンタジーが壮大でシリアスな地政学的物語を描くのに対し、おとぎ話は親密で個人的な小さな物語を扱います。

おとぎ話の特徴として挙げられたのは、「魔法が普通の人々の生活に触れたときに起こる出来事」を描くという点です。そしてそこには必ず道徳的な要素が含まれるとフルトン氏は述べました。

1,000体以上のNPCが暮らす「Living Population」

本作には「Living Population」と呼ばれるNPCシステムが導入されており、1,000体以上のNPCがそれぞれ役割、個性、日常行動パターンを持って存在するとフルトン氏は語っています。

開発上の課題として、すべてのNPCが眠れるだけの家とベッドを各集落に用意する必要があったと振り返っています。通常のゲームでは見た目が良い町を作れば十分ですが、本作では「機能する町」である必要があったためです。

開発初期には、ある町が昼間に人がいなくなる問題が発生しました。デバッグモードで確認したところ、NPCたちは仕事に向かおうと家を出たものの、職場が遠すぎて到着前に就寝時間となり、引き返していたことが判明したとのことです。

こうした調整を経て、プレイヤーは個々のNPCの名前や好み、住居、職場といった情報を自然と把握できるようになるとフルトン氏は述べています。

「レベルが足りないから入れない」を避けたいオープンワールド設計

オープンワールドの設計方針について、フルトン氏は「北へ向かったのにレベルが足りないから入れない、という状況にはしたくない」と語りました。プレイヤーが村を出た瞬間からアルビオン全土を自由に探索できることが、開発当初からの目標だったといいます。

多くのプレイヤーはメインストーリーを追うと想定されますが、開発チームは「世界を見て回りたい」というプレイヤーも積極的に歓迎する姿勢です。どの集落を訪れても楽しめる要素を用意することが絶対条件であり、成長システム全体をこの方針に合わせて設計したとフルトン氏は説明しています。

なお、レベリングや成長システムの詳細については後日発表予定とされています。

シリーズの「新たな始まり」としてのリブート

本作の位置づけについて、フルトン氏は次のように述べています。

「私たちはこのゲームをずっと『新たな始まり』と呼んできました。というのも、このフランチャイズをリブートさせる必要性があると強く確信していたからです」 ——Xbox Wireより

オリジナル三部作の完結から長い年月が経過し、ゲーム業界では約二世代が過ぎました。開発チームはオリジナル作品のタイムライン——出来事やキャラクター——に縛られない道を選び、独自のアルビオンを構築して新しい物語を描く自由を確保したと説明しています。

開発元のPlayground Gamesは『Forza Horizon』シリーズで知られるスタジオです。同氏は「私たちはLionheadではない。Lionheadのゲームを作ろうとしてはいけない」と開発チームに伝えたと明かしており、オリジナルへの敬意を保ちながらも、Playground Gamesとしての『Fable』を目指す姿勢を示しました。

※本記事はXbox Wire掲載のインタビューに基づいています。

出典

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