日経トレンディネットがレベルファイブ日野晃博社長のインタビューを公開しました。
- 2015年10月『妖怪ウォッチ』シリーズは北米に進出した。アニメは高視聴率を取るなど順調だが、ゲームソフトは40万程度に留まっており『妖怪ウォッチ』として見れば全然足りない。
- 北米はコンテンツに火がつくまでに時間がかかる。今は投入途中の段階なので、半年後、1年後というタイミングで花開くよう最大限の工夫をしている。日本ではまだ行っていないような取り組みを、北米先行か、最低限でも日米同時に実施するアイデアもある。
- 映画第3弾は、実写とアニメを両方使う映像になっている。フルCG映画を作りたかったが制作に2年かかる、完全実写でも同じ。毎年1本は作りたいので、それを実現できる構造を考えて、全体のストーリーも組み立てていった。
- 『スナックワールド』は、「LEVEL5 VISION 2016」でかなりの新情報を出す。アニメやゲームは年をまたぐ可能性もあるが、脚本はかなり進んでいる。
- 『妖怪ウォッチ3』は舞台を海外へ移しマップを刷新。RPGの新作を出す以上、同じマップを使うのは失礼だと思う。妖怪データの一部を前作から引き継いでいるが、それだけでは作りたくなかった。ROM容量は前作の2倍。
- 今後のレベルファイブのゲームは基本的に全てスマホに対応していく。先日まで3DSのことばかり話していた小学1年生の男の子()が『妖怪ウォッチぷにぷに』(スマホアプリ)のことしか話さず、時代の変化を痛感した。今後は業界全体で絶対的にスマホの存在が大きくなると思う。本当にそこでゲームを作りたいかは別にして避けられない。
- VRについて:
個人的には大好きだし、社内でも色々な実験をしている。ただし、最初はなかなか利益を上げられないと思う。辛いビジネスになるのでは。
(VRがゲームを変えるという意見について)長時間プレイが難しいなど課題が多いし、やはりまだ動きが重い。今後の技術向上などによっては分からないが、現時点では“可能性がある”という段階。 - 2016年は『妖怪ウォッチ3』が大爆発して、『妖怪ウォッチ』シリーズにとってひとつの大きな区切りになる年になりそう。2017年以降は、新しいことがたくさん始まる再スタートの年になりそう。
- 東京スタジオを作っており、映像配信と音声収録のスタジオが併設された施設になる。音声収録スタジオは、映画レベルの収録も可能なものとなり、今後は声優の収録を全て社内でできるようにしたい。
音声収録スタジオを社内に持てば、声優のブッキングの自由度を格段に増すことができる。エンジニアが常駐しているので、いつでも好きな時間に収録が行えるほか、その後の作業もギリギリまで詰めることができ、作品クオリティは確実に上がる。
映像配信スタジオは、例えばあるアニメを放送した直後にファンと作品について語り合う会を開くなど、しっかりユーザーを意識して作品を作っていることを伝えられるような番組を作っていきたい。
関連リンク
・日経トレンディネット