『ファイナルファンタジーVII』(以下、FF7)の人気キャラクターであるセフィロスの刀「正宗」の長さが場面によって変化することを、キャラクターデザイナーの野村哲也氏が明かしました。刀の長さはゲームのシーンや操作性に応じて自由に調整されており、通常は約3メートル(10フィート)を目安としているものの、厳密には一定していません。野村氏はまた、「正宗」の名前や形状を選んだ理由、デザイン上のこだわり、さらには今後ゲーム内で明かされる刀の製作秘話についても語りました。
セフィロスの刀「正宗」の秘密
伸縮自在の「正宗」、視覚効果や操作性を考慮
『FF7』に登場するセフィロスの象徴的な武器「正宗」は、実はシーンごとに長さが変化しています。デザイナーの野村哲也氏によると、「正宗の刀身には有機的な特性があり、必要に応じて伸縮します」とのことです。これは特に最新作『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』の『ザ ファーストソルジャー』編第2シーズンで初めて具体的に描写されており、ゲームプレイ中に「正宗が伸びるシーン」が登場しています。
具体的な長さについては「刀の長さは約10フィート(約3メートル)というガイドラインを持っていますが、登場する作品ごとに異なり、商品化されたグッズでも一定ではありません」と野村氏は明かしました。戦闘シーンやゲーム操作性に応じて臨機応変に調整されており、ビジュアルエフェクトのために刀を長くする場合や、特定のアクションに適した長さに短縮することもあるそうです。
「正宗」のデザイン背景と名付けの由来
クラウドの「バスターソード」との対比を狙ったデザイン
セフィロスが持つ細長い「正宗」は、主人公クラウドの太く巨大な「バスターソード」と意図的に対比させるためにデザインされました。野村氏は、「クラウドのデザインが修正されるたびにバスターソードが巨大化していったため、強力なセフィロスが細長い刀を持つことで、対照的なイメージを狙った」と語っています。さらに、この対比は日本の有名な剣士である宮本武蔵と佐々木小次郎のライバル関係にも着想を得ており、「広い幅の西洋剣と細長い日本刀とのコントラストを強調したかった」とのことです。
「最強の刀」としての伝統的な名称
「正宗」の名前は『ファイナルファンタジー』シリーズで伝統的に最強の武器として使われています。野村氏は「セフィロスにふさわしい強力な刀を考えた際、最も適した名前は正宗以外にないと思った」と述べています。『FF7 エバークライシス』では、若き日のセフィロスが「正宗」を入手するエピソードが描かれ、その刀を鍛えた鍛冶師にも出会うというシーンも用意されており、今後さらなる掘り下げが行われる予定です。
『エバークライシス』が描く「正宗」の物語と今後の展開
軍用刀から「正宗」へ──唯一無二のカスタマイズ
『FF7 エバークライシス』の『ザ ファーストソルジャー』編第1シーズンで初登場した若きセフィロスは、神羅軍の軍用刀を装備しています。この軍用刀は儀礼用の側面が強く、他の兵士たちも同様の装備をしていた可能性があると野村氏は語ります。
ただし野村氏は、軍用刀を戦闘用にカスタマイズし、実際に実戦で使いこなしていたのは、セフィロスただ一人だったのではないかと語っています。
さらに野村氏は、刀という武器は使い手の力量に大きく左右されるものであり、相応の技量がなければ実戦では通用しないとも述べています。こうした背景から見ても、軍用刀を実戦レベルで活用できた存在は非常に稀であり、セフィロスの特異性が際立つエピソードといえるでしょう。
情報元:Polygon




