2025年7月12日頃、人気アクションゲーム『ステラーブレイド』の公式X(旧Twitter)アカウントが、暗号資産詐欺グループによる乗っ取り被害に遭っていたことが明らかになりました。投稿内容やプロフィールが改ざんされ、虚偽のキャンペーン情報が発信される事態となりましたが、開発元であるSHIFTUPはその後、アカウントの復旧と再発防止策を発表しました。
乗っ取りの発覚は、通常ゲーム関連の投稿がされていた同アカウントにて、突如として「ゲーム史上最大のエアドロップ」と称した暗号資産キャンペーンの投稿が繰り返され始めたことに端を発します。詐欺グループは『ステラーブレイド』に関する画像や用語を悪用し、フォロワーを偽サイトに誘導していました。リンクのクリックを促す、典型的なフィッシング型詐欺でした。
この不審な動きに対し、同社の代表でありゲームディレクターも務めるキム・ヒョンテ氏は個人の発信を通じて「本件は当社と無関係の詐欺であり、当社が暗号資産を発行した事実は一切ありません」と明言し、ユーザーに対して注意を呼びかけました。
アカウントは数日間にわたり乗っ取られた状態が続きましたが、SHIFTUPは7月21日22時頃、「Important Announcement」と題する公式声明を発表し、アカウントが完全に復旧したことを報告しました。同時に「長らくお待たせしてしまい誠に申し訳ありません」「再発防止のため、セキュリティ体制を強化してまいります」とコメントしました。
この事件を通じて明らかになったのは、ゲーム業界におけるソーシャルメディアアカウントのセキュリティが依然として脆弱であるという現実です。特に、大規模なフォロワーを抱える公式アカウントは、ブランドとユーザーの信頼を直結する重要なチャネルであり、その乗っ取りは重大なリスクを伴います。
SHIFTUPの対応は、一定の迅速さと誠実さをもって行われましたが、今回のような事例は、他のゲーム企業やファンコミュニティにとっても、セキュリティ対策の見直しと情報リテラシーの向上を迫る警鐘となりました。
今後、ゲーム企業には多要素認証の導入や運用権限の厳格化など、技術的な対策はもちろんのこと、初動対応やユーザーへの迅速な説明責任を果たす体制構築が求められます。
SHIFTUPは、今回の教訓を踏まえ、セキュリティ体制の再点検を行うとともに、再発防止に全力を尽くす姿勢を明らかにしています。




