中国の開発スタジオS-GAMEが手がける注目作『Phantom Blade Zero』が、2025年7月26日に開催されたChina Joy 2025のS-PARTYイベントにて最新プレイアブルデモを公開しました。武侠とスチームパンクが融合した独自の世界観と、高速なアクションが特徴のゲームプレイが注目を集めています。今回は、現地で披露された最新情報と、このタイトルの特徴についてお伝えします。
S-PARTY 2025イベントの概要
北京で開催されたS-PARTYイベントは、PlayStationとNVIDIAの後援のもと、中国国内外から1,000名を超えるプレイヤーと200名のインフルエンサーが集結する大規模な展示となりました。会場は『Phantom Blade Zero』の世界観を反映した「武侠パンク」スタイルの装飾で彩られ、来場者は「影の領域(Shadow Realm)」と呼ばれるゲーム内世界の雰囲気を体験できる空間となっていました。
PS5版のデモは安定した2K解像度・60FPSでのプレイを実現しており、優れたグラフィックパフォーマンスを披露。S-GAMEによる中国発のタイトルとして注目を集めています。
「七星剣陣」デモの詳細内容

今回公開されたデモは「七星剣陣(Seven Star Sword Formation)」と名付けられたレベルを中心に構成されており、約1時間のプレイ体験が可能となっています。このデモには以下の要素が含まれていました。
マップ探索とストーリー展開
デモでは広大なマップの探索が可能となっており、プレイヤーは「七星剣陣」のエリアを自由に探索できます。ストーリーカットシーンも複数用意されており、独特な世界観とキャラクターたちの関係性の一端を垣間見ることができます。
22分間のプレイ映像
IGNが公開した22分間の独占映像では、詳細に描かれた環境やキャラクターアニメーションの一部が確認できます。中国の伝統的な武侠の要素とスチームパンク的な機械仕掛けが融合した世界は、このゲームの特徴的な魅力となっています。
印象的なボスバトルシステム
デモには複数のボスバトルが用意されており、特に「反逆の神(God of Rebellion)」と「七星の首席弟子(Chief Disciple of the Seven Stars)」との対決が注目を集めています。さらに、隠しボスとして「堕ちた希望(Fallen Hope)」との戦いも用意されており、プレイヤーの挑戦心を刺激する内容となっています。
公開された映像から、ボスとの戦闘では高速なアクションと精密な剣戟が特徴的であることがわかります。主人公は複数の武器を切り替えながら戦うことができ、敵の攻撃を見極めてのパリィや回避、そして反撃のタイミングが重要な戦闘システムとなっているようです。
「天地逆転」モードの新要素
今回のデモでは「天地逆転(Heavenly Reversal)」と呼ばれる新たなゲームモードも公開されました。詳細は明かされていませんが、プレイヤーに新たな戦略的選択肢を提供する仕組みとなっているようです。通常の戦闘に加えて、このモードがゲームプレイに新たな要素を加えることが期待されています。
『Phantom Blade Zero』の魅力とゲームシステム
『Phantom Blade Zero』は単なるアクションRPGではなく、いくつかの人気ゲームの要素を取り入れた作品となっています。開発チームはこのゲームを「武侠パンク(Kung Fu Punk)」と表現しており、以下のような特徴が挙げられます。
武侠アクションRPG(Wuxia Action Games)の新ジャンル
開発元によると、『Phantom Blade Zero』は広義ではARPG(アクションRPG)に分類されますが、既存のジャンルには収まらない独自のアイデンティティを持っています。Liang氏は「武侠アクションゲーム(Wuxia Action Games)」という新しいジャンル概念を提案しており、中国の武侠文化と革新的なゲームデザインの融合を目指しています。
公開された映像からは、高速で流動的なアクション性を重視した戦闘システムが確認できます。開発チームは「コンボ主導の心躍る戦闘システム」を目指していると述べています。
ビジュアルとサウンド
Unreal Engine 5で開発された『Phantom Blade Zero』のビジュアルは、中国武侠の美学とスチームパンクの要素を融合させた独自の世界観を表現しています。環境や動きの表現は、次世代機の性能を活かした高品質なグラフィックが特徴です。
サウンドについても、映像から伝統的な要素と現代的な音楽性が組み合わされていることが窺えます。
世界観とストーリー
ゲームの舞台となる「影の領域(Shadow Realm)」は、中国の古代をモチーフとしながらも、スチームパンク的な機械仕掛けや神秘的な力が存在する架空の世界です。公開された映像からは、独自の世界観が構築されていることが確認できます。
また、Liang氏によれば、屋根の上を矢の雨の中を跳躍したり、高速で走る列車の屋根の上で戦闘を繰り広げるなどの映画的な要素も多く含まれているとのことです。
今後の展開と発売情報
『Phantom Blade Zero』はPS5とPC向けに開発が進められており、PS5向けコンソール独占タイトルとなる予定です。正式なリリース日はまだ発表されていませんが、開発元のS-GAMEによると2025年後半に発表されるとのことです。一部の情報では2026年秋のリリースが噂されていますが、公式な確認はまだされていません。
今回のS-PARTY 2025に続き、8月下旬のドイツ・ケルンで開催されるGamescom 2025と、9月の東京ゲームショウでも同様のデモが体験可能になることが発表されています。公式Xアカウント(@pbzero_official)では、これを「これまでで最大のデモ」と称しています。
『Phantom Blade Zero』の開発背景と注目ポイント
『Phantom Blade Zero』は、以前に中国国内でのみリリースされたインディーゲーム「Rainblood: Town of Death」の精神的な後継作品として位置づけられています。S-GAMEはこれを長年温めてきたプロジェクトであり、中国のゲーム開発を国際的に展開する重要なタイトルとして開発を進めてきました。
特に注目すべきは、開発チームが中国の伝統的な武侠文化を現代的なゲームデザインと融合させた点です。近年、『黒神話:悟空』など中国発のAAA級タイトルが国際的に注目されていますが、『Phantom Blade Zero』もその流れを汲む作品として期待されています。
S-GAMEの開発チームは、このゲームを通じて中国の文化と革新的なゲームデザインを融合させるプロジェクトとして取り組んでいることが伺えます。
出典
- ENFANT TERRIBLE – “PHANTOM BLADE ZERO New China Joy 2025 Gameplay Demo”, YouTube
- TechNode – “Phantom Blade Zero hosts first major offline demo event in Beijing”
- xiaovie – “《Phantom Blade Zero》 2025 DEMO 22 minutes PV《影之刃零》试玩会Demo 22分钟实机演示”, YouTube
- Phantom Blade Zero (@pbzero_official), X (Twitter)
- Gematsu – “Sony Interactive Entertainment announces ChinaJoy 2025 lineup”
- IGN – “Phantom Blade Zero – 22 minutes of S-PARTY 2025 gameplay”
- GamesRadar – “Phantom Blade Zero is neither a Soulslike game nor a traditional action game”




