Sucker Punchの最新作『Ghost of Yotei』を巡り、「発売4日間で200万本販売」という虚偽の報道がオンラインで拡散され、ゲームコミュニティで混乱が起きました。この情報は信頼性の低い情報源から発信され、ファンアートを悪用した偽ポスターによって広まったものです。ユーザーによる検証で偽ポスターが発覚し、公式発表のない情報を鵜呑みにすることの危険性を示しています。
週末から拡散した200万本販売の情報
騒動の発端は、週末にゲームレビュアーのDetective Seeds氏が投稿したツイートでした。彼は「『Ghost of Yotei』が200万本の販売を達成した、または達成に近づいている」と述べ、月曜日に公式アップデートがあると主張しました。この投稿は瞬く間に拡散され、賛否両論の反応が広がりました。
その後、Daniel Camilo氏がスクリーンショットとポスターを共有しました。それはPlayStation中国の営業運営ディレクターとされる人物のものでした。ディレクターはWeChat(中国のメッセージングアプリ)で、販売目標の達成を祝う投稿をしたとされています。このポスターが200万本という数字の「証拠」として拡散され、注目を集めました。しかし、公式発表は一切行われませんでした。
ユーザーによる検証で偽ポスターと判明
オンラインのユーザーがポスターを詳しく調べたところ、複数の不審な点が発見されました。画像下部の小さなテキストには、通常の法的情報ではなくジョークが書かれていました。また、作成者としてPlayStationと無関係のコンテンツクリエイター(動画やアート作品を制作する人)「Jharila FF」の名前が記載されていることが分かりました。

さらに、ポスターに使用された画像が、デジタルアーティストLouis Iske氏による非公式のファンアートであることが確認されました。Iske氏は『Ghost of Yotei』の開発やパブリッシングチームとは無関係です。自身のアートワークがオンラインで虚偽情報を広めるために悪用されていることを知らない可能性が高いと報じられています。
加えて、Daniel氏が投稿したスクリーンショットでディレクターの名前をぼかしていた点にも疑問が投げかけられました。PlayStation中国の営業運営ディレクターの名前は簡単なGoogle検索で見つかる公開情報であり、機密情報ではないためです。名前をぼかす必要がないことから、スクリーンショット自体の信憑性も疑われる結果となりました。
これらの検証結果がオンラインで共有され、ポスターが偽物であることが明らかになりました。
公式の沈黙と情報リテラシーの重要性
現時点で、Sucker PunchもPlayStationも『Ghost of Yotei』の販売実績について公式アップデートを共有していません。200万本という数字は、公式発表による裏付けがない情報です。
今回の騒動は、オンラインで拡散される情報を鵜呑みにせず、情報源を確認することの重要性を改めて示しています。特に、ゲームの販売実績のような数字は、公式発表がない限り信頼すべきではありません。ユーザーによる迅速な検証が虚偽情報の拡散を食い止めた形となりました。
PS5独占タイトルとして2025年最大級の注目を集める『Ghost of Yotei』ですが、正確な販売実績については公式発表を待つ必要があります。




