2025年10月30日、パリで開催されたコラボレーションイベントにおいて、『Clair Obscur: Expedition 33』と『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』の協業による新規アートワークが公開されました。このプロジェクトは、Square Enix、Kepler Interactive、Sandfall Interactiveの3社共同で実現しています。
二人のアートディレクターによる相互デザイン
今回公開されたアートワークは、両作品のアートディレクターが互いの作品のキャラクターを描くという形式で制作されました。『Clair Obscur: Expedition 33』のアートディレクターNicholas Maxson-Francombe氏が『ファイナルファンタジーVII』のクラウド・ストライフとエアリス・ゲインズブールを手がけ、『ファイナルファンタジーVII リメイク』シリーズのクリエイティブディレクター野村哲也氏が『Expedition 33』のギュスターヴとマエルを描いています。
この相互デザイン交換により、それぞれのアーティストの解釈を通じて、両作品のキャラクターが新たな表現で描かれることとなりました。

アートワークの特徴
公開されたアートワークは、セピア調のモノクロームで統一され、ヴィンテージのエッチング技法を思わせる質感で仕上げられています。画面上部には「FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE」のロゴが配置され、右下には「CLAIR OBSCUR EXPEDITION 33」の文字が記されています。
構図には、クラウド・ストライフ、エアリス・ゲインズブールをはじめとする『ファイナルファンタジーVII』のキャラクターと、『Expedition 33』のギュスターヴとマエルが配置され、両作品の世界観を一枚の絵画として融合させています。
『Expedition 33』の実績
『Clair Obscur: Expedition 33』は2025年4月24日に、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)向けにリリースされました。本作はXbox Game Passの初日配信タイトルとしても提供されています。
リリースから約5ヶ月後の2025年10月時点で、全世界累計販売本数は500万本に到達しました。また、レビュー集積サイトMetacriticでは93点を獲得しています。
Sandfall InteractiveのCOO兼プロデューサーFrancois Meurisse氏は、Polygonのインタビューに対し、「平均的な商業的成功を収める良質なゲームになると強く信じていました」と当初の期待を語りました。一方で、実際の販売実績とレビュースコアは、この予想を大きく上回る結果となっています。 CTO兼リードプログラマーのTom Guillermin氏は、Metacriticスコアの公開時について「初期の期待と現実のギャップに、最も大きな衝撃を受けました。スコアが発表された瞬間、スタジオ中のメンバーが叫び声を上げ、飛び跳ねていました。本当に熱狂的な状態でした」と当時の様子を振り返っています。
開発スタジオの今後の展開
フランスを拠点とするSandfall Interactiveは、大手AAA開発スタジオと比較して小規模なチーム体制で開発を行っています。Meurisse氏は今後の方針について、「私たちには、本作と新規プロジェクトに対する明確なビジョンを持つクリエイティブディレクターのGuillaume Broche氏と、経験豊富なチームがいます。本作で成果を上げたチーム規模を維持しながら、大作タイトルを継続的に制作していくことを目指しています」と述べています。
なお、本作のチーム規模については、ゲームクリエイターの小島秀夫氏が「スタジオにとって理想的」と評価しています。
無料アップデートの開発
Sandfall Interactiveは現在、『Expedition 33』向けの大型無料アップデートを開発中です。このアップデートには、新規環境、新規エネミー、新規ボスバトルが含まれる予定で、Meurisse氏によれば、リリースは今後数ヶ月以内を見込んでいます。
両作品について
『ファイナルファンタジーVII』は1997年にPlayStation向けにリリースされたRPGで、以降シリーズ展開が続いています。『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』のXbox Series X|S版およびNintendo Switch 2版は、2026年1月22日にリリースが予定されています。
『Clair Obscur: Expedition 33』は、Sandfall Interactiveが開発し、Kepler Interactiveがパブリッシングを担当するターン制RPGです。Guillermin氏はPolygonのインタビューで、「ターン制システムは、私たちが構築したゲームのDNAに組み込まれています」と述べた上で、「具体的な内容を語るには時期尚早ですが、重厚な物語世界と、私たちを興奮させるゲームプレイという、スタジオのDNAに忠実であり続けることが重要だと考えています」と今後の制作姿勢を示しています。




