『ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE』(エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ)がThe Game Awards 2025で正式発表され、2026年にPlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発売予定であることが明らかになりました。本作ではストーリーの前提として、「名声は真実ではなかった」という一文が公式に示されており、シリーズにおける主人公像の置き方に変化が見られます。
主人公は「偽物の翼」──称号の正体を最初に明言
公式発表によると、本作の主人公は戦闘機パイロットとして任務に就く存在ですが、その立場は最初から“英雄”として描かれているわけではありません。主人公は中央ユージア連合(FCU)の旧式空母「エンデュランス」に救助され、そこで「シーヴの翼(WINGS OF THEVE)」という名を託されます。
この「シーヴの翼」は、FCUの首都シーヴの名を冠した“希望の象徴”として語られてきた伝説的な称号です。しかし公式リリースでは、その直後に「しかし、その名声は真実ではなかった」と明記されています。物語の出発点として、称号そのものが虚構であったことを最初から示している点が、本作の大きな特徴となっています。
発表直後からSNS上では、トレーラー名や公式説明にある「偽物の翼」「名声は真実ではなかった」という表現を手がかりに、称号の意味や物語の前提について考察する動きが広がっています。現時点では公式が詳細を明かしていないものの、本作が主人公の立場や象徴のあり方を問い直す物語として受け止められていることがうかがえます。
舞台は2029年7月、崩壊寸前の中央ユージア連合
物語の舞台はストレンジリアル世界の2029年7月。中央ユージア連合は、ソトア共和国による電撃侵攻を受け、主要戦力を喪失し、国土の大半が占領された状況にあると説明されています。
主人公は救難ボートで海を漂流していたところを、FCU海軍所属の旧式空母「エンデュランス」に救助されます。この空母は、母国海軍がほぼ壊滅した後、避難民を抱えたまま戦線を離脱していた艦とされています。主人公は艦内で新たに出会う3人の仲間とともに、奪われた土地を取り戻す戦いに身を投じていくことになります。
一人称視点のシネマティック演出を公式が明言
演出面では、シリーズとして新しい試みとなる要素が公式に言及されています。発表では、「臨場感あふれる一人称視点のカメラ操作が可能なシネマティックシーン」が導入されることが明らかにされています。
これにより、従来のカットシーンとは異なり、地上にいるパイロットの視点で物語を体験できる演出が用意されるとされています。公式説明では、仲間とともに数々の難局を乗り越える過程で、本物のエースパイロットとなる達成感を味わえるとされています。
技術面のキーワード:Cloudlyと10,000㎢の空
技術面では、Unreal Engine 5と独自開発エンジン「Cloudly」を組み合わせた開発体制が取られていることが公式に発表されています。これにより、10,000㎢にも及ぶ広大な空域が再現されるとされています。
公式リリースでは、多層構造の雲や飛行機雲、キャノピーに反射する太陽光といった表現が、単なる背景ではなくゲームプレイに影響を与える要素として機能する点が強調されています。視覚的なリアリティと戦闘体験の両立を目指していることがうかがえます。
発売時期・対応ハード・マルチプレイの扱い
発売時期は2026年、対応プラットフォームはPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)と公式に告知されています。
また、海外向けの公式発表では、マルチプレイヤーモードについても言及されていますが、詳細は「後日発表予定」とされています。現時点では存在が示唆されている段階であり、具体的な内容については続報を待つ必要があります。
河野一聡氏のメッセージが示す「深化」という方向性
国内向け公式リリースには、シリーズブランドディレクター河野一聡氏のコメントも掲載されています。その中で河野氏は、「今回、私たちが目指した『8』は単なる進化ではありません。『深化』です」と述べています。
このコメントでは、前作『エースコンバット7』以降の取り組みや、シリーズの根幹に向き合ってきた時間についても触れられており、本作が単なるナンバリングの継続ではなく、シリーズ表現を掘り下げる意図で作られていることが示されています。
まとめ
『エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ』は、The Game Awards 2025での発表時点で、主人公に与えられた“伝説の称号”が真実ではなかったことを公式に明言しています。英雄譚から始まらない物語構造や、一人称視点のシネマティック演出、そして技術面での進化が、本作の大きな特徴です。
詳細については今後の続報を待つ必要がありますが、現時点で公開されている情報からは、シリーズの前提を見直す意欲的な作品であることがうかがえます。




