「お前を愛しているのは俺だけだ」サイレントヒルf・修視点なら雛子との心中エンドも?――竜騎士07が語る【ネタバレ注意】

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※※本記事は『サイレントヒルf』全エンディングクリア後の閲覧を推奨します。

「お前のことを愛しているのは俺だけなんだ。俺をどうして見てくれないんだ」——『サイレントヒルf』本編には存在しない、修の叫びです。シナリオを手がけた竜騎士07氏がインタビューで語ったもので、修視点の物語があれば「雛子との心中エンド」が存在しただろうといいます。本編では「一緒に戦ってくれない」ように見えていた修ですが、彼もまた別の地獄を歩いていたのかもしれません。

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「愛しているのは俺だけだ」——修視点の心中エンド

竜騎士07氏は、修を主人公にした『サイレントヒルf』を想像し、次のように語りました。「エンディングのひとつには必ず”雛子と心中する”ものがあると思いますね。『お前のことを愛しているのは俺だけなんだ。俺をどうして見てくれないんだ』って」。本編では描かれなかった、修の内なる叫びです。

竜騎士07氏によれば、本編は修が「自暴自棄な時期」に入った後しか描かれていません。雛子が結婚について態度を明らかにしなかったこともあり、修は追い詰められていました。

しかし、その前には約10年間、雛子に寄り添ってきた日々がありました。「修がいなかったら、この日の雛子は全く別人だったかもしれない」と竜騎士07氏は振り返っています。

修と雛子は”違うクリーチャー”を見ていた

竜騎士07氏は、本作の構造についても明かしました。「各々の地獄があって、各々の目にしか見えていない。クリーチャーが例えいたとしても各々の目線で違うものに見えている可能性も大いにあります」。

霧の世界さえ、キャラクターによって見え方が異なっていた可能性があるというのです。この構造は『サイレントヒル2』と共通しています。インタビュアーが「『サイレントヒル2』でも登場人物それぞれが自分の精神世界を歩いていましたが、同じイメージでしょうか」と問うと、竜騎士07氏は「まさにそうです」と答えました。

では、なぜ修は「一緒に戦ってくれない」ように見えたのでしょうか。竜騎士07氏は次のように説明しています。「あくまで本編は雛子目線で描かれた『サイレントヒル』なので、男たちはいつも頼もしそうなことを言って先に行ってしまって、一緒に戦ってくれないという風に見える」。修の行動は、雛子の目を通して見えていた姿に過ぎなかったのです。

プレイヤーが見ていたのは”雛子の地獄”だけだった

各キャラが別々の精神世界を歩いているという構造は、修だけに当てはまるものではありません。竜騎士07氏は「修には修の、寿幸には寿幸の地獄があったのだと思っていただければ」と語ります。凛子についても「”f”の世界ではあるバイアスがかかっている」ため、ヘイトが溜まりやすく描かれていたといいます。

竜騎士07氏は次のようにも語っています。「雛子だけが苦しんでいる、雛子だけがかわいそうだという考えは、見方としてはまだ半分かもしれないですよ」。本編をクリアした今、もう一度あの霧の世界を振り返ってみてはいかがでしょうか。

出典

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