Xboxに再値上げの噂 AIメモリ不足直撃で今年3度目の可能性、PS5は値下げの余裕も

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Xbox Series X|S本体の価格が、近い将来にも再び引き上げられる可能性があるという噂が浮上しています。背景にはAIブームによる世界的なメモリ価格の高騰があるとされますが、あくまでリーカーによる非公式な観測で、現時点で信頼性は限定的です。一方で競合のPlayStation 5は値下げを実施しており、価格面では対照的な動きが目立ちます。

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今年すでに2回値上げ、Xboxに「3度目」噂

YouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」は、マイクロソフトの営業担当者が「メモリ不足がXbox Seriesコンソールに極めて近い将来影響を与える」と警告していると主張しました。同氏は複数の情報源から同様の話を聞いているとし、「現在の価格でXboxが欲しいなら早めに購入した方がいい」とも述べています。ただし、これは匿名ソースに基づくリーク情報であり、VGCやNotebookCheckなどのメディアも “could” や “possible” といった慎重なトーンで報じていて、確度は現時点で高いとは言えません。

もし今回の値上げが実現すれば、Xboxプラットフォーム全体として、今年3度目の価格改定となる可能性があります。マイクロソフトは2025年5月に、Xbox Series X|Sの希望小売価格を全世界的に改定し、日本でも同時に大幅な値上げが行われました。日本国内では、Xbox Series X(1TB)が税込66,978円から87,980円へ、Xbox Series S(1TB)が49,978円から67,480円へと引き上げられており、発売当初からの変化も含めると、わずか数年で価格水準がひと回り高くなっている状況です。

さらに同年9月には、米国向けにXbox Series X|Sの追加値上げが発表され、10月3日以降は現地価格が再び引き上げられています。日本ではこの2回目の改定は実施されていないものの、米国では5月と10月の二段階で価格が上昇しており、そうした地域の動向を踏まえると「3回目の可能性」という言葉に敏感にならざるを得ないユーザーも出てきそうです。

AIブームでメモリ価格が急騰、Xboxを直撃?

今回の値上げ観測の背景として指摘されているのが、AIデータセンター向け投資の急拡大と、PC・スマホ需要の回復によるメモリ市場の逼迫です。Tom’s Hardwareなどの分析によれば、AIサーバー向け需要を主因としてDRAMの契約価格は前年比でおよそ170%高まで跳ね上がっており、NANDフラッシュも含めて今後も高止まりが続く可能性が高いと、複数の調査会社やメーカーが警告しています。

中でも象徴的なのが、MicrosoftとOpenAIなどが進める次世代AIデータセンター計画「Stargate」です。報道では、Stargate向けにSamsungやSK hynixが長期で大量のDRAM供給を行う契約を結んでいるとされ、世界のDRAM供給の最大約4割を押さえる可能性もあるとの試算が紹介されています。こうしたAI向けの大型案件が相次いだ結果、残りの供給分を巡って各社が奪い合う構図となり、十分なメモリ在庫を事前に確保していないメーカーほど調達価格の上昇に直面しやすいと分析されています。Moore’s Law Is Deadや一部メディアは、Xboxもその影響を強く受けていると指摘しています。

PS5はなぜ値下げできるのか 在庫戦略の差

リーカーや海外メディアは、この背景にメモリ在庫戦略の違いがあると指摘しています。一方、競合のソニーは、現時点ではより余裕のある立場にいると見られます。リーカーの分析では、ソニーはPS5向けGDDR6メモリを安価な時期に先行調達していたとされ、その結果、当面はRAM不足や価格高騰の影響を受けにくいと見られています。

実際にソニーは、2025年のブラックフライデー期間にPS5本体を最大100ドル割り引くセールを実施しました。リーカーの指摘どおりであれば、メモリを安価な時期に確保していたことが、こうした値下げに踏み切る余地にもつながっていると見ることもできます。結果として、事前に在庫を押さえて値下げできるPS5」と、「在庫戦略で後手に回ったとリーカーなどから指摘され、メモリ高騰の影響で値上げ圧力が高まっていると見られるXbox」という対照的な構図が浮かび上がっています。

本体もサブスクも値上げ、Xboxユーザーの負担感

Xboxのエコシステム全体を見渡すと、ユーザーの支出は着実に増える方向へ動いています。本体価格の上昇に加え、日本でもサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass Ultimate」が2025年10月のサービス改定にあわせて月額1,450円から2,750円へと1,300円の値上げとなりました。プラン再編により特典やDay One対応タイトル数は拡充されていますが、単純な月額負担としてはほぼ2倍弱という大きな増加です。

本体もサブスクも値上げ方向にあるなかで、ここに「3回目の本体値上げ」が重なれば、Xboxエコシステムへの新規参入や継続利用の心理的ハードルはさらに上がりかねません。今回の噂はあくまで確度の低いリーク情報にすぎませんが、AIブームによるメモリ市場の変化が、家庭用ゲーム機の価格戦略やユーザーの選択にもじわじわと影響を与えつつある状況が見えてきます。

出典

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