CD Projektは、『Cyberpunk 2077』の続編がコードネーム「Project Orion」の使用はこの段階で終了し、仮称「Cyberpunk 2」として正式にプリプロダクション段階へ移行したことを発表しました。本作は、Unreal Engine 5を基盤とする次世代技術により開発が進められており、前作の舞台ナイトシティに加えて「崩壊したシカゴのような都市」の登場も示唆されています。現在96名の開発者が参加し、リリース時期は2030年以降となる見込みです。さらに、拡張コンテンツ『Phantom Liberty』の成功や『The Witcher 3』の累計6000万本突破など、CD Projekt全体の好調な展開も背景にあります。
プリプロダクションへの移行とプロジェクトの現状
「Cyberpunk 2」として開発が加速
CD Projektは2025年第1四半期決算の中で、『Cyberpunk 2077』続編が正式にプリプロダクション段階に移行したことを報告しました。コードネーム「Project Orion」の使用はこの段階で終了し、以降は「Cyberpunk 2」として言及されることになります。ただし、これは仮の呼称であり、同社は「本作がサイバーパンク世界の次なる一作であることを示すための便宜上の名称」としており、最終的な正式タイトルではありません。
開発人数の推移とスタジオ体制
本作には現在96人の開発者が参加しており、2025年2月時点の84人から着実に増員が進んでいます。主な開発拠点は北米のボストンおよびバンクーバーで、CD Projektの海外スタジオによる主導が行われています。CEOミハウ・ノヴァコフスキ氏は「プリプロダクションからの開発期間は通常4〜5年を要する」と述べており、リリースは2030年以降になる可能性が高いと見られています。
ゲームの特徴と技術的進化
舞台は「荒廃したシカゴ」のような第二の都市へ
『Cyberpunk 2』では、前作の舞台ナイトシティに加えて、新たなロケーションとして「シカゴが崩壊したような都市」の登場が予定されています。この設定は、原作『Cyberpunk』シリーズのクリエイターであるマイク・ポンスミス氏によって示唆されたもので、前作とは異なる雰囲気の世界観が構築される見込みです。
Unreal Engine 5を採用、Red Engineから転換
本作では前作まで使用されていた自社製のRed Engineに代わり、Epic Games製のUnreal Engine 5が採用されています。これにより、よりフォトリアルでダイナミックな環境表現が可能となり、没入感の向上が期待されています。CD Projektは技術基盤の強化を図ると同時に、開発の効率性と安定性も重視しています。
開発チームの陣容と他スタジオからの人材流入
継続メンバーと新規人材の融合
開発チームには、『ファントム・リバティ』のディレクターであるゲイブ・アマタンジェロ氏や、アソシエイトディレクターのパウェウ・サスコ氏といった前作の中核スタッフが引き続き参加していると、GameSpotなどの報道で伝えられています。さらに、Blizzard Entertainment、IO Interactive、Massive Entertainmentなど他社からの経験豊富な開発者も加わっており、チーム体制は強化されています。
CD Projekt全体の展開と今後の戦略
『ファントム・リバティ』が1000万本突破
『Cyberpunk 2077』の拡張コンテンツ『Phantom Liberty』は、リリースから20か月で累計販売本数1000万本を突破しました。この成功により、発売当初に毀損したシリーズのブランドイメージを大きく回復させ、続編開発への信頼感を高める要因となっています。
『The Witcher 3』は累計6000万本、シリーズ全体で1億本超
2025年に10周年を迎えた『The Witcher 3: Wild Hunt』は、累計販売本数が6000万本を突破し、シリーズ全体では1億本以上が販売されました。現在は『ウィッチャー4』(Ciriが主役とされる新作)を含む複数のプロジェクトが並行して進められており、開発スタッフは『ウィッチャー4』に422人、『Project Sirius』に49人、完全新作IP『Hadar』に19人が割かれています。
『Cyberpunk 2077』Switch 2/Mac版も進行中
CD Projektは『Cyberpunk 2077』のSwitch 2版を次週にリリース予定としており、さらにMac向けの移植も開発中であることを明らかにしました。既存IPのさらなる普及と活用を図るとともに、次期『Cyberpunk』作品のマルチプラットフォーム展開も視野に入れている可能性があります。




