ゲームクリエイターの小島秀夫監督が、AI(人工知能)技術はゲームにおいて3D化やインターネット接続に並ぶ「第3の大きな革命」になるとの見解を示しました。この発言は、サウジアラビア・リヤドで開催されたイベント「New Global Sport Conference(NGSC25)」において、映画監督のニコラス・ウィンディング・レフン氏と行ったパネルディスカッションで明らかにされたものです(出典:Rolling Stone)。
AIは「ゲーム史における第3の革命」
小島監督は「ゲームは常にテクノロジーと共にある」と前置きしたうえで、ゲーム史における大きな転換点を整理しました。最初の変革として2Dから3Dへの移行を挙げ、次にインターネットによるオンライン接続を「第2の変革」と説明。そして「これに続く第3のトレンドがAIの導入だ」との考えを示しました。
この発言は、ゲーム開発におけるAIの役割が従来以上に大きくなることを示唆しており、技術的な進歩がゲーム体験を根本から変える可能性に言及したものです。
プレイヤーから学習するAIへの注目
小島監督が注目しているのは、従来のキャラクター挙動を制御するAIにとどまりません。対談の中で監督は「ChatGPTだけではなく」と軽く触れつつ、プレイヤーの操作行動から学習するAIの活用に期待を寄せました。
具体的には「プレイヤーがどのように操作するかから学習する」技術が今後のゲームに取り入れられる可能性を示唆。これは固定された設定型AIとは異なり、プレイヤーの行動に応じて体験が変化していく仕組みを想定したものであり、より動的でパーソナライズされたプレイ体験を実現する道を開くと考えられます。
今後の展望と創造性の源泉
今回の発言は、今後小島監督が手掛けるタイトルでAI技術が活用される可能性を示唆しています。ただし、監督自身が具体的な新作での実装を明言したわけではなく、将来の展望として語られた点に注意が必要です。
一方で監督は同じパネルで「おそらく年に1本くらいしかゲームをプレイしない」とも述べており、インスピレーションの源泉として映画や美術館などを重視している姿勢も明らかになりました。幅広い視点から得られる発想が、ゲームにおけるAI活用の独自性につながっていると考えられます。
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