『GTA6』開発元で労使が対立。解雇は「組合つぶし」か「不正行為」か

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『グランド・セフト・オート6』の開発元であるRockstar Gamesが、英国およびカナダのスタジオに所属する従業員30名以上を解雇したことが明らかになりました。英国の労働組合はこれを「組合つぶし」と非難する一方、親会社は「重大な不正行為が理由」と反論し、両者の主張が対立しています。

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『GTA6』発売7ヶ月前に従業員を解雇、組合側は「組合つぶし」と強く非難

2026年5月の発売が予定される超大作『Grand Theft Auto 6』の開発が大詰めを迎える中、開発元のRockstar Gamesが異例の事態に見舞われています。Bloombergの初期報道によると、同社は2025年10月30日、英国とカナダのオフィスに所属する従業員30名から40名を解雇しました。この動きに対し、労働組合は強く反発しています。

今回の解雇を「ゲーム業界の歴史において、最も露骨で冷酷な組合つぶし行為」と厳しく非難しているのが、英国独立労働組合(IWGB)です。IWGBによると、解雇された従業員は全員が、労働組合の結成などを目的としたプライベートなチャットグループ(Discord)に参加していました。IWGBはこの解雇を、組合活動を理由とした違法かつ報復的な措置であると主張しています。

会社側は「重大な不正行為」と反論、主張は平行線

労働組合側の強い非難に対し、Rockstar Gamesの親会社であるTake-Two Interactiveは全面的に反論しています。同社の広報責任者アラン・ルイス氏は各メディアに対し、「Rockstar Gamesは、重大な不正行為を理由として少数の個人を解雇しました。それ以外の理由はありません」とコメント。Rockstarの決定を全面的に支持する姿勢を示しました。ただし、具体的にどのような行為が「重大な不正行為」にあたるのかは明らかにされていません。

IWGBは声明の中で、解雇された従業員の中には会社がスポンサーとなっているビザで就労している者や、職場の医療制度を必要とする持病を持つ者も含まれていると指摘しています。組合は「メンバーが職場復帰できるよう、あらゆる法的措置を追求する」としており、労使の主張は平行線をたどっています。今後、この問題が法廷での争いに発展する可能性も否定できません。

まとめ

今回の出来事の要点は以下の3点に整理できます。

  • Rockstar Gamesが英国とカナダで従業員30〜40名を解雇した。
  • 労働組合IWGBは、組合活動を妨害する「組合つぶし」だと強く非難している。
  • 親会社Take-Twoは、解雇理由は「重大な不正行為」であり組合活動とは無関係だと反論している。

世界中が期待を寄せる『GTA6』の発売を約7ヶ月後に控え、その開発を担うスタジオで起きた今回の解雇劇。ゲームの完成を待つファンだけでなく、ゲーム業界全体の労働環境を考える上でも、今後の動向から目が離せない状況が続きそうです。

出展

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