Rockstar Games共同創設者のダン・ハウザー氏が、BBC Radio 4のインタビューで退社理由を説明しました。『GTA 5』『RDR 2』の巨大な開発規模や「もう1本は無理」と感じた心境を明かしています。
Rockstar退社理由「想像を絶する規模」と「もう1本は無理」
ハウザー氏はインタビューで、Rockstar時代の最後の2作である『グランド・セフト・オート5』と『レッド・デッド・リデンプション2』について、「その規模はあらゆる想像を超えていた」と振り返りました。世界的な成功作の裏で、開発規模そのものが大きな負担になっていたことを示しています。
さらに同氏は、Rockstarが手がけるような規模のゲーム開発を率いることは「一度に何年ものあいだ、自分の時間のすべてを飲み込む」と表現しました。プライベートを含めた生活の多くを開発に捧げざるを得なかった実感がにじむ発言です。
シリーズ次回作『グランド・セフト・オート6』は、前作『GTA5』から約13年後にあたる2026年11月19日に発売予定です。こうした、一作ごとに長い年月をかける開発体制は、ハウザー氏の言葉にいっそうの重みを与えます。
そうした状況の中で、ハウザー氏は退社の核心について「自分の中に、もう1本ああいうゲームを作る余力があったかどうかわからない」と語りました。次の超大作が完成するまで再び長い年月を捧げることに、限界を感じていたことが読み取れます。
一方で同氏は、「信じられないほど才能のある人々と働いた」「彼らの巨大な頭脳に便乗して素晴らしいことができたから、そこで働いていた」とも話しています。こうした言葉からは、退社後もRockstarや元同僚への敬意が残っていることがうかがえます。
Absurd Venturesで模索するマルチメディアな次の一歩
2020年にRockstarを離れたハウザー氏は現在、新スタジオ「Absurd Ventures」を率いています。同スタジオでは自らのユニバースに基づく新たなフランチャイズづくりを進めており、その一環として小説『A Better Paradise』を2026年初頭に発売する予定です。
Absurd Venturesは、アニメーション、実写、書籍、コミック、そしてビデオゲームを含む「マルチメディアアプローチ」を意図しているといいます。1本の超大作ゲームにすべてを注ぎ込むのではなく、複数のメディアに物語を分散させる姿勢は、かつて「時間のすべてを飲み込む」開発に携わったハウザー氏なりの次の一歩と見ることもできます。




