2026年2月12日に発売された『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』のプロデューサー兼ディレクター堀井亮佑氏が、ファミ通.comのインタビューでパッケージに込めた桐生と峯の対比構造やキャスト変更の哲学を語りました。サブストーリーは新規が7割、残り3割も書き直しており、原作『龍が如く3』からそのまま残したものはないとのことです。和田アキ子氏の出演決定後にチーム内で開かれた”アッコさんミーティング”の内幕など、開発現場の具体的なエピソードにも踏み込んだ内容となっています。
パッケージのセリフが映す桐生と峯の内面
堀井氏はインタビューの中で、パッケージに散りばめられたセリフの意図を説明しています。堀井氏によると、パッケージに描かれているセリフは峯自身の心の声であり、セリフで縛られているように見えるデザインには明確な意図があるといいます。
「峯の場合は自縄自縛というか、自分のコンプレックスなどが書かれている形です。逆に桐生側は、桐生自身の言葉はあまり書かれておらず、周囲の人の言葉に縛られているようなイメージですね」 ——ファミ通.comより
峯は自らのコンプレックスに縛られ、桐生は周囲の人間の言葉に縛られている。同じ「縛り」というモチーフでありながら、その由来が正反対であるという対比構造がパッケージに表現されていることになります。
“アッコさんミーティング”とキャスティングの舞台裏
本作では和田アキ子氏がサブストーリーのキャラクターとして出演していますが、堀井氏はそのキャスティングがレディースチームを描く「ツッパリの龍」とは無関係だったと振り返っています。メインキャストの配役がおおむね固まったころ、もうひとつ「サプライズなパンチが欲しい」と感じた堀井氏が、シリーズのグローバルプロダクトマネージャーである山藤雅也氏に相談したことがきっかけでした。堀井氏によると、和田氏側からは「ゲームは知らないけれど、ちょっと興味はあります」という趣旨の返答があり、資料やムービーでのプレゼンを経て正式に出演が決まったとのことです。
出演が決まった後、堀井氏は歌唱やバトル参加も依頼。開発チーム内では「アッコさんにどんなことをしてもらうか」を話し合う場が設けられました。
「オーケーをもらえたので、さらに『あわよくば、バトルもしてほしいんですけれど……』なんてお願いもしました。開発時は”アッコさんミーティング”を開いたところ、チームのメンバーもノリノリで」 ——ファミ通.comより
このミーティングでは「アッコさんには何を持って攻撃してもらいますか?」といった議題が真面目に議論され、『北斗が如く』で制作した鐘をベースに使えるのではないかというアイデアも飛び出したと堀井氏は語っています。
サブストーリー7割が新規、残り3割も書き直し
リメイクにあたって堀井氏が重視したのは「『龍3』を大事にするけれど頼らない」という方針でした。「伝説を変える」というキャッチコピーは横山昌義氏(龍が如くスタジオ代表)の発案であり、変えることを恐れない姿勢が開発の軸になったと堀井氏は話しています。
その方針はサブストーリーにも色濃く反映されました。堀井氏はサブストーリーの変更量について「新ネタが7割で、残りの3割も書き直しているので、『龍3』そのままのサブストーリーはないと思っていただければ」と述べています。当時のテキストには拙い部分もあり、近年のシリーズで演出やカメラワークが洗練されてきた水準にそのまま合わせることが難しかったことがその理由です。
キャスト変更にも同じ哲学が貫かれました。人気キャラクターである力也の声優交代については社内でも議論があったものの、堀井氏は「『人気だったから新作でもそのままにしておきましょう』というのは安全だしラクですが、それはクリエイターとしては健全ではないですし、姿勢としては不誠実だと思います」と語っています。なお原作『龍が如く3』のリマスター版はPC等で現在もプレイ可能であり、藤原竜也氏が演じた力也の演技も引き続き楽しめる状態にあることを堀井氏は併せて説明しました。
企画書第1稿から構想していたアサガオライフ
『極3』の新要素であるアサガオライフは、堀井氏が作成した企画書の第1稿から盛り込まれていたコンテンツです。シリーズが続く中で『7外伝』や『龍8』で50代後半となった桐生にとって、アサガオの子どもたちの存在がより重要になったと堀井氏は考えました。『極3』で再びアサガオを描くなら、原作のエピソードだけで終わらせるのではなく、桐生が子どもたちと向き合う機会を設けたかったといいます。
コンテンツの軸には「家事」が据えられました。堀井氏は「いわば”子育て”そのものをゲームにしたかったんです。子育てって”イベントに顔を出して、お小遣いを渡して、いい顔して終わり”というわけにはいきません。毎日の積み重ね……面倒くさいこともやっていかなければ信頼は得られない」と、日常の積み重ねを重視する設計思想を語りました。アサガオライフでは料理やミシンがけ、宿題の世話などを通じて「パパランク」を上げていく仕組みが採用されており、公式サイトでも各ミニゲームの概要が紹介されています。
ミニゲームのひとつ「さいほう」は難航した企画でしたが、堀井氏がミシンの動きからセガのアーケードレースゲーム『アウトラン』を連想したことで方向性が定まりました。「画面に桐生の顔を絶対に入れたい」という堀井氏のこだわりも加わり、独特のビジュアルが完成しています。
※本記事はファミ通.comの報道をもとに構成しています
出典
- ファミ通.com:『龍が如く 極3 / 3外伝 Dark Ties』和田アキ子さんからオーケーをもらえたあと”アッコさんミーティング”を開いた。パッケージに散りばめた言葉の意味など開発秘話を訊く【堀井亮佑P/Dインタビュー】
- 『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』公式サイト:アサガオライフ



