『サイバーパンク2077』ローカライゼーションの舞台裏。5,000人チームの約半数が挑んだ多言語対応

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CD Projekt Redの大作RPG『サイバーパンク2077』のローカライゼーションプロセスが、ゲーム開発全体の中でも特筆すべき規模であったことが明らかになりました。Polygonの報道によると、ゲーム制作に携わった5,381人のうち、約45%にあたる2,456人がローカライゼーション作業に関与したとのことです。

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ローカライゼーションの規模

サイバーパンク2077のローカライゼーションは以下の規模で行われました。

  • 約110万語を19言語に翻訳
  • 82,000行以上のセリフを11言語で音声収録
  • 20人の社内ローカライゼーションチーム
  • 117人の翻訳者、編集者、校正者
  • 120人のローカライゼーション品質保証テスター
  • 233人のプロジェクトマネージャー、音声ディレクター、エンジニア、制作スタッフ
  • 1,966人の声優

複雑なプロセス

CD Projekt Redのローカライゼーション部門で上級プロジェクトマネージャーを務めたAlexander Radkevich氏は、翻訳品質の向上を図るため、各言語の翻訳をそれぞれ異なる専門会社に委託する方針を採用したと述べています。これにより管理上の負担は増えたものの、より高水準のローカライゼーションの実現を目指したとのことです。

課題と対応

ローカライゼーションプロセスには様々な課題がありました。

  1. 適切な声優の確保:各言語で120〜200人の声優が必要でした。
  2. 翻訳の効率化:1日あたり2,000語を目安に、複数の翻訳者でワークロードを分担しました。
  3. 品質保証:各言語につき4〜6人のテスターが関与しました。
  4. 英語を基準言語とする作業:ポーランド語で書かれた原稿を英語に翻訳し、それを基に他言語へ展開しました

ローカライゼーションの成果とユーザーフィードバック

『サイバーパンク2077』のローカライゼーションは、各言語でのユーザー評価に大きく寄与しました。特に、声優陣の演技と翻訳品質の高さが多くのプレイヤーから賞賛されました。

  • 日本語版: 声優陣の演技が高く評価され、ゲームの没入感を大幅に向上させました。キャラクターの感情やニュアンスが正確に伝わり、日本語版プレイヤーからは「まるで映画を見ているかのようだ」との声が寄せられました。
  • ドイツ語版: 翻訳品質が特に高く評価され、ゲームの国際的な成功に大きく貢献しました。ドイツ語版のプレイヤーからは、「翻訳が自然で、ゲームの世界観に違和感がない」とのフィードバックが多数ありました。
  • フランス語版: 声優陣の演技が「感情のニュアンスを完璧に捉えている」と評され、多くのプレイヤーから賞賛されました。特に、主要キャラクターのセリフ回しが高く評価されました。
  • スペイン語版: 翻訳が「自然で流暢」との評価を得ており、ゲームの世界観がよりリアルに感じられたとの声が多数寄せられました。

これらの評価は、CD Projekt Redがローカライゼーションに注いだ努力が実を結んだ証であり、ゲームの国際的な成功を支える重要な要素となりました。

今後の展望

CD Projekt Redは今回の経験を踏まえ、将来のプロジェクトではさらなる改善を目指しています。各言語に専任のマネージャーを配置することが究極の目標とされています。

このように、『サイバーパンク2077』のローカライゼーションは、ゲーム業界における大規模プロジェクトの一例となりました。今後、他のゲーム開発会社がこの経験をどのように活かしていくか、注目されるところです。

情報元:Polygon

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