「中傷は受け入れない」『サイバーパンク2077』開発者がロード画面説を一蹴。透明化も可能だったREDengineの「奇跡」

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「ゲームのエレベーターはロード時間を稼ぐためのギミックだ」という通説に対し、本作の開発に携わったIgor Sarzynski氏は、自身のBlueskyで「巧みに隠されたロード画面(cleverly concealed loading screens)ではない」と述べました。前作のシネマティックディレクターを経て、現在は続編『Project Orion』のクリエイティブディレクターを務める同氏。GamesRadarの報道によれば、氏はREDengineを「奇跡」と呼び、一連の噂を“slander(中傷)”という強い言葉で否定したとのことです。

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「中傷は受け入れない」:開発者が語るREDengineへの自負

Igor Sarzynski氏は自身のBlueskyにて、「エレベーターは巧みに隠されたロード画面ではない」と断じました。長年ゲーマーの間で囁かれてきたこの説を、氏は「mini rant(ちょっとした毒吐き)」と表現しつつ、本作の設計について反語を交えながら自説を展開しています。

さらに目を引くのが、GamesRadarなどで報じられた一連の発言です。同誌が引用したポスト内容によれば、氏は自社開発のREDengineについて「このエンジンは奇跡だ。中傷(Slander)は受け入れない」とまで評しています。発売当初の課題を乗り越え、ナイトシティを描き切った開発チームの意地が伺える言葉です。なお、CD PROJEKTは今後のプロジェクトでUnreal Engine 5の採用を公表していますが、今回の発言は前作を支え抜いた自社技術への最大級の賛辞といえるでしょう。

「透明化も可能だった」:ロード隠し説を否定する論拠

Sarzynski氏は、エレベーターがロード用ではない根拠として、本作の構造そのものを挙げています。広大な都市の大部分を(通常プレイにおいては)目立つロード画面なしで移動でき、屋内外の遷移も多くの場面で目立つロードを伴わずに行われる本作の設計(編集部注:ストリーミングを前提とした設計とみられる)を指し、「なぜペントハウスへ行く時だけロードのトリックが必要だと思うのか」と問いかけ、噂の矛盾を突きました。

加えて、GamesRadarが報じた同氏の発言によれば、「その気になれば、外が見える透明なエレベーターにすることも可能だった」とも語られています。あえて閉鎖的な設計を選んだのは、それが世界観やシチュエーションにおいて「理にかなっている(It makes sense)」から。決して技術的な制約によるものではない、と氏は説明しています。

業界の「慣習」とは異なる演出へのこだわり

ゲーム史を振り返れば、エレベーターは『Mass Effect』や『God of War』といった多くの大作において、ロード時間を稼ぐための「移行空間」として重宝されてきました。GamesRadarは、こうした業界の一般的な手法が、本作への誤解を招く一因になったと述べています。

しかし、『サイバーパンク2077』におけるエレベーターは、会話や演出を通じて没入感を深めるための「舞台」です。ロード画面を隠すという慣習に頼らず、伝統的な様式をあえて「演出」として再定義した点に、REDengineの特異性が示されています。かつて技術的な不安が議論されたエンジンを、今や「奇跡」と断言する開発者の言葉。それはナイトシティを支える技術的基盤への、揺るぎない自信を印象付けるものとなりました。

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