『Wasteland』『Fallout』などのRPGで知られるInterplay共同創設者レベッカ・ハイネマン氏が、62歳で逝去しました。全米『スペースインベーダー』王者から始まったキャリアと、その功績、最期の言葉をお伝えします。
がん闘病の末、62歳で死去
『Fallout』や『Wasteland』などの名作RPGに関わったゲーム開発者、レベッカ・ハイネマン(Rebecca Heineman)氏が死去しました。62歳でした。海外メディアPC GamerやIGNによると、ハイネマン氏は先月、腺がん(adenocarcinoma)と診断され、治療の効果が見込めないことから緩和ケアに入っていたとのことです。

ハイネマン氏はクラウドファンディングサイトGoFundMeを通じて、ファンや友人に向けて最期のメッセージを残しています。そこには、愛用のキーボード「Pixelbreaker」にふさわしい葬儀への願いとともに、2024年1月に先立った妻への想いが綴られていました。
「医者によれば、もう時間のようです。これ以上の治療は無意味だとのことです。(中略)私の唯一の真実の愛、ジェネル・ジャクイス(Jennell Jaquays)と再会するために、ふさわしい入場ができるようお願いします」
『Wasteland』『Fallout』へつながる全米インベーダー王者の原点
ハイネマン氏のキャリアは、全米規模のゲーム大会が注目され始めたタイミングから始まりました。1980年に開催された『スペースインベーダー』の全米大会で優勝し、メディアからは「米国で最初の正式なビデオゲームチャンピオン」として評されています。この勝利がきっかけとなり、彼女はゲーム業界への道を歩み始めました。
その後、1983年にはInterplay Productionsを共同で設立。プログラマーおよびデザイナーとして、『Wasteland』や『Fallout』、『Baldur’s Gate』といった数々のアイコニックなタイトルに関わりました。これらのInterplay時代の作品群は、現在の西洋RPGの流れにも影響を与えたタイトルとして、多くのファンに語り継がれています。
LGBTQアイコンとしてのレガシー
2000年代にトランスジェンダーであることを公表してからは、LGBTQ+コミュニティの支援や、ゲーム業界における多様性とアクセシビリティの推進にも尽力しました。その功績が称えられ、Gayming Magazineからは「2025 Gayming Icon Award」が贈られています。
妻であり、同じく著名なゲームデザイナーだったジェネル・ジャクイス氏とともに、彼女は技術面に加え、LGBTQ+インクルージョンや多様性の推進といった面でも業界に影響を与えました。二人のレジェンドが相次いで世を去ったことは、長くゲーム業界を見てきたファンにとっても大きな出来事となりました。彼女たちの作品や歩みは、これからも多くのプレイヤーや開発者に影響を与え続けるでしょう。




