Bloombergの2026年3月7日付報道によると、中国ゲーム大手のネットイースは、名越稔洋氏が率いる名越スタジオ(東京都渋谷区)への資金提供を2026年5月から停止する方針です。同報道が匿名の関係者の話として伝えたところでは、名越スタジオの初作品『Gang of Dragon』の完成には少なくとも70億円の追加資金が必要と判明していました。スタジオの今後については、開発済み素材の取り扱いや独立継続の条件をめぐりネットイースとの協議が進行中です。
5月からの資金提供停止、ネットイース広報が方針認める
Bloombergによると、名越スタジオの従業員には2026年3月6日にこの決定が伝えられました。ネットイースの広報担当者は同メディアに対し、5月から名越スタジオへの資金提供を停止する方針であることを認めています。
名越スタジオは2025年12月に初の開発作品『Gang of Dragon』の予告映像を公開していました。しかし、同作品の完成には少なくとも70億円の追加資金が必要であるとネットイースは把握しており、発売前に資金提供の打ち切りが決まったと、匿名の関係者が同メディアに伝えています。
資金停止の方針が示されるなか、名越スタジオの今後についても複数の動きが伝わっています。
名越氏はスポンサー探しを継続、独立には条件付き
関係者の話としてBloombergが伝えたところでは、名越氏は新たなスポンサーを探していますが、現時点で成果は出ていません。開発済みのゲーム素材の取り扱いについても、名越スタジオとネットイースの間で協議が進められています。
ネットイースは名越スタジオに対し、独立して事業を継続することは可能だと伝えた一方、資産やブランドを保持する場合には相応の費用負担が必要との条件を示したとされます。スタジオ側が自力で費用を賄える場合に限り交渉に応じる姿勢だと関係者は伝えています。
なお、ネットイースの広報担当者は関係解消に関する条件の詳細については明らかにしていません。名越スタジオの広報担当者は、この件についてコメントすることは特にないと話しています。
名越スタジオは、ネットイースが海外展開を進めていた時期に設立された経緯があります。
2021年設立の名越スタジオ、ネットイースは投資縮小を推進
名越稔洋氏は「龍が如く」シリーズの生みの親として知られ、2021年にセガサミーホールディングスを退社しています。Bloombergによると、退社前後にはネットイースと中国インターネットサービス大手のテンセント・ホールディングス(騰訊)が名越氏の獲得を競っており、名越氏はネットイースの支援を受けて名越スタジオを設立しました。
近年、ネットイースは創業者兼CEOの丁磊氏が主導する形でゲーム事業への投資規模を絞っており、各国でスタジオの閉鎖や人員整理が続いています。日本では2024年後半に桜花スタジオが閉鎖された一方、名越スタジオに対しては初作品の完成まで開発を続ける猶予が認められていました。しかし、完成に少なくとも70億円の追加資金が必要と判明したことで、その猶予は今回の資金提供停止という形で終わることになります。
※本記事はBloombergの報道をもとに、関連情報を加えて再構成しています。
出典
- Bloomberg:『龍が如く』生みの親のゲーム開発会社が資金源失う-中国親会社撤退へ



