『デス・ストランディング』アニメ化進行中──小島秀夫が描く“境界なき物語”の未来

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ゲームクリエイター・小島秀夫氏が、代表作『デス・ストランディング』のアニメ化を進めていることをVogue Japanとのインタビューで明かしました。すでに実写映画化も発表されている同作は、ゲームを起点にさまざまなメディアへと展開中です。本記事では、アニメ化の文脈を中心に、小島氏が語る“ゲームと映画の境界が消える未来”の構想や、「違和感」という創作理念について掘り下げます。

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『DEATH STRANDING』のアニメ化が進行中

映画化に続き、アニメ化も進行中

小島氏は現在、映画スタジオA24と連携して『デス・ストランディング』の実写映画化を進行中であると同時に、「アニメ化も進めている」と明言しました。これは、ゲームという原作の枠にとどまらず、異なる表現手段を用いて作品世界を拡張していく試みであり、同IPの持つ柔軟性と創作的な可能性の高さを示しています。

原作再現ではなく、“映像作品”としての表現を重視

小島氏は、近年のゲーム原作映像作品に見られるような「忠実な再現」や「ファン向けのサービス作品」とは異なる方向性を目指しており、映画やアニメにおいても“映像作品としての完成度”を重視すると語っています。アニメ化もその延長線上にあり、単なる再構成ではなく、新たな視点から『デス・ストランディング』を描くことが期待されます。

ゲームと映像作品、その境界が曖昧になる未来へ

小島氏の“フェーズ構想”と次なる展開

小島氏は自身の創作活動を段階的に整理しており、現在の『デス・ストランディング』を軸とした展開は「第1フェーズ」にあたると説明しています。このフェーズでは、ゲーム、映画、続編を通じてIPを確立し、その後の「第2フェーズ」ではゲームと映画の境界が曖昧になるような作品の創出を目指すとしています。

たとえば、ゲームをプレイしている画面を傍から見た人が「映画を観ているのでは」と錯覚するような、そんな作品を実現することが目標だと語ります。

メディアの変化がもたらす新しい表現のあり方

小島氏は、映像を鑑賞する環境や習慣が変わりつつある点にも言及しています。かつては映画館の大画面で観ることが前提だった映画も、今ではスマートフォンの小さな画面で視聴されることが一般的になりました。加えて、VRの登場により、視点の制限すら取り払われようとしています。こうした変化は、映像作品の制作・設計にも大きな影響を与えるとしています。

「違和感」が創作を導く原動力に

初見では理解されにくい作品こそが時代を動かす

小島氏は、創作における「違和感」の重要性を強調しています。歴史に残る映画作品の多くが、公開当時は観客や業界から受け入れられず、後年に評価される“カルト作品”として再評価された例があることに触れ、自身もそうしたタイプの作品を目指したいと語ります。

次世代クリエイターへのメッセージ

現在のメディアや表現形式に慣れ親しんだ世代ではなく、これから登場する新しいクリエイターたちが、未来のメディアを創っていく存在になるだろうと小島氏は述べています。そして、自身はそうした人々の背中を押すような作品を生み出すことを目指していると語り、その創作姿勢の根底には“違和感”という刺激があると明かしました。

情報元:Vogue Japan

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