『NINJA GAIDEN 4』プラチナゲームズ開発による13年ぶりの新作、Team NINJAが語るシリーズ伝統と革新

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2025年10月21日に発売予定の『NINJA GAIDEN 4』は、コーエーテクモゲームスの人気アクションゲームシリーズの13年ぶりとなるナンバリングタイトルです。今回はTeam NINJAとプラチナゲームズが共同開発を手がけ、Xbox Game StudiosからPS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)、Xbox Game Pass向けに発売されます。東京ゲームショウ2025期間中に実施されたインタビューでは、開発陣がシリーズの魅力を継承しながらも現代的な要素を取り入れた本作について詳しく語りました。

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開発経緯と”Year of the NINJA”構想

『NINJA GAIDEN 4』の開発は約5年前に始まりました。安田文彦ゼネラルプロデューサーは開発のきっかけについて「2012年に発売した『NINJA GAIDEN 3: Razor’s Edge』以降、ナンバリングタイトルは長く発売していませんでした。シリーズとして、どうしていこうかと考えていたときに、マイクロソフトさんにお声掛けいただいたのが発端です」と説明しています。

興味深いのは、近年の関連作品展開についてです。『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』、『NINJA GAIDEN 2 Black』、『NINJA GAIDEN: Ragebound』などが相次いで発売されましたが、これは計画的なものではありませんでした。安田氏は笑いながら「すべて計画通り……ではないです、ウソです」と明かし、偶然重なったタイミングをマイクロソフトが”Year of the NINJA”として位置付けたと説明しています。

シリーズの魅力を現代に継承する挑戦

プラチナゲームズの中尾裕治プロデューサー兼ディレクターは、シリーズの核となる魅力を3つの要素で説明しています。「ハイスピードなアクションと、直感的な手触りが楽しめるのが特徴です。また、圧倒的なゴア表現も魅力のひとつです。この3つがシリーズの根幹になっていると考えていますので、『NINJA GAIDEN 4』でもそこは継承・進化を目標に開発しました」

13年という長いブランクの間に、アクションゲームというジャンル自体が大きく変化しました。中尾氏は「現代に合わせたものにしなくてはならないと思っていましたが、ただすべてを変えてまったく新しい体験にしてしまうと、それは『NINJA GAIDEN』ではないなと」語り、変えるべき部分と守るべき部分の見極めに苦心したことを明かしています。

新主人公ヤクモの導入も、シリーズ初心者への配慮から生まれました。中尾氏は「シリーズを初めて遊ぶ人にも手に取ってもらいやすいだろうと考えて、最初にプラチナゲームズから提案した要素でした」と説明しています。

プラチナゲームズらしさとシリーズらしさの融合

本作最大の特徴は、新システム”鵺の型”です。これは武器が変化するシステムで、プラチナゲームズらしいダイナミックな表現を取り入れながらも、『NINJA GAIDEN』の繊細なアクションシステムに組み込まれています。平山正和ディレクターは「鵺の型は開発初期から存在はしていたのですが、システムは紆余曲折経て、いまの形になっています」と開発の苦労を振り返っています。

Team NINJA側からプラチナゲームズに特別に依頼したのは、雑魚戦の頻度を上げることでした。安田氏は「シリーズファンの方々はボス戦よりも雑魚戦をとくに楽しまれている印象です」と分析し、「だいぶ完成に近づいていたので、嫌なお願いだなと思われたと思いますが、それでも、きっと無理をして頻度を上げてくださったおかげで、シリーズらしさはより増したのかなと思います」と感謝を表しています。

“トンデモ日本”の世界観と新旧キャラクターの魅力

本作の世界観について、安田氏は「シリーズ作品は、アーケードの『忍者龍剣伝』から始まり、初期作品は”西洋の人から見た、間違ったニンジャ”みたいなところから始まっているので、やはりヘンなところがあります」と説明しています。この独特な世界観は「ニンジャですから」で全てが通じる懐の深さを持っており、本作でも”トンデモ日本”の要素が強調されています。

中尾氏は「東京なのに見た目は大阪・道頓堀のようなにぎやかさになっていて、そこに空飛ぶクルマがあったりと、トンデモ感を意図的に取り入れていました」と具体例を挙げ、黒龍の影響で世界が混沌としている状況を表現したと語っています。

新主人公ヤクモとリュウ・ハヤブサの関係性も興味深く設計されています。中尾氏によると「リュウ・ハヤブサは、やはり歴戦をくぐり抜けた超忍ですから、達観しているので口数が少ないわけです。一方でヤクモは、若き忍者なのでちょっと擦れたようなクール感になっています」と、同じクール系でありながら異なる表現を持たせたことを説明しています。

幅広い難易度設定と充実のエンドゲームコンテンツ

シリーズの高難度なイメージについて、安田氏は「全員に骨太な難度をお届けしているシリーズではありません。触っていてカッコいいニンジャアクションを体験できることが、本質的に大事にしている部分です」と明確に否定しています。本作では進化した”ヒーローモード”により、オートガードやオート回避機能を個別にオン・オフできる柔軟な設計が採用されています。

評価システムも現代的にアップデートされ、中尾氏は「回復アイテムを使用してもいいようにしました。回復アイテムを使わないとスコア倍率が1.2倍になるので評価が高くなるのですが、1度使用しても倍率が1.0に変わるだけです」と、より多くのプレイヤーが楽しめる仕組みを導入したことを説明しています。

本編クリア後のコンテンツについて、平山氏は「今後新たな武器やステージ、ストーリーなどを楽しめるダウンロードコンテンツも配信予定です。クリアー後も長く遊んでいただけると思います」と語っていましたが、Xbox公式映像により、2026年初頭に配信予定のDLC「The Two Masters」の詳細が明らかになりました。このDLCでは新しい仕組みを持つ武器の追加に加え、新たなストーリーとポストゲーム向けのチャレンジコンテンツが提供される予定です。

『NINJA GAIDEN 4』は、13年の時を経てシリーズの伝統的な魅力を現代に蘇らせる意欲作として、10月21日の発売を控えています。Team NINJAとプラチナゲームズの共同開発により、シリーズファンにとっても新規プレイヤーにとっても満足できる作品に仕上がり、発売後も継続的なコンテンツ展開が予定されています。


出典:ファミ通

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