『プラグマタ』趙ディレクターが語る「ハードSFにしなかった理由」――”ふたりの物語”にフォーカスした制作判断

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2026年4月24日の発売を控える『プラグマタ』について、趙 容煕ディレクターは「ハードSFにするか悩んだ末、ふたりの物語にフォーカスする」方針を選んだと説明しています。映画『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』(以下『ミルサブ』)公開を記念した亀山陽平監督との対談で、制作哲学や演出観が語られました。グローバル発売ゆえの表現制約、映画の新キャラ「ハガ署長」の元ネタについても言及があります。

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ハードSFか、ふたりの物語か――趙ディレクターの選択

『プラグマタ』は、地球から月面施設に派遣された調査員ヒューと、施設に存在した少女型アンドロイド・ディアナの2人を軸に展開するSFアクションアドベンチャーです。月面施設のクルーとの突然の連絡途絶が物語の発端となります。カプコン公式の発表によると、PS5 / Xbox Series X|S / Steam / Nintendo Switch 2の4プラットフォームで2026年4月24日に発売予定。体験版「Sketchbook」も同プラットフォームで配信中です。

制作の入口について、趙ディレクターはファミ通.comの対談でこう述べています。

「ですから最初、『プラグマタ』をハードなSFモノにするか、もっとライトにするのか悩みました。結果的にはハードSFで進めると、やはり理解できない方々が多いだろうと思い、ふたりの物語にフォーカスしました。もちろんそういった設定もあるのですが、理解できなくても楽しめる作品にしたほうが、多くの方々に遊んでもらいやすいですよね」

世界設定は作り込まれているものの、前面には出さない方針です。亀山監督も「設定すべてを説明しないと理解してもらえない一方で、その説明パート自体がつまらなくなってしまう」という映像作品での課題を語り、両作品に共通する難しさとして話題が展開しました。

『ミルサブ』の演出から学んだ「世界設定の溶かし方」

趙ディレクターが言及したのが、『ミルサブ』における世界設定の見せ方です。マキナの身体パーツについてカートとマックスがトイレで交わす会話を例に挙げ、「世界設定の一部が自然にわかる」と語っています。

この手法について亀山監督は、ニール・ブロムカンプ監督作品の影響を挙げました。現代人がスマートフォンをごく自然に扱うように、「その世界の人たちが日常的に使うガジェットや技術をカジュアルな会話の中に出す」ことで設定を説明なく伝えられると話しています。

趙ディレクターはこの演出について「『え、何。自分も知りたい。話に混ぜて!』という気分になって、すごく興味が沸く」と述べ、プレイヤーが自発的に世界設定へ関心を向けていく状態を理想として挙げました。

グローバル発売ゆえの表現制約――趙ディレクターの本音

アンドロイドのディアナについて「尖ったことをやりたかった」と述べた趙ディレクターは、制約の背景をこう説明しています。

「日本以外の国でも発売するので、そこの表現の問題や、あとは文化的な部分も考慮しなくてはならないので、尖ったことはなかなか実現しにくいのが正直なところです」

亀山監督も「世界に向けて作るとなると配慮することが多すぎて、尖ったことができなくなる」と映像制作の観点から同様の課題を語りました。

ハガ署長の元ネタは「マイク・ハガー」――対談相手の前でぶっちゃけ

映画『ミルサブ』に登場する新キャラクター「ハガ署長」について、亀山監督はカプコンの開発者である趙ディレクターを目の前にしながら、こう明かしました。

「カプコンさんの前で言って大丈夫かと思いつつもぶっちゃけるとマイク・ハガーを意識しました」

昔から『ファイナルファイト』が好きで、友人とよくプレイした思い入れのあるキャラクターとしてハガー市長をハガ署長に反映したと話しています。「自分の管轄している街が荒れているのは市長の責任なのでは」「娘が人質になったからといって自らが助けに行く」という破天荒な魅力に長年愛着があると語りました。

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