ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2026年2月27日、PS5 Pro向けアップスケーリング技術「PlayStation スペクトルスーパーレゾリューション」(PSSR)の進化版を、今後数週間のうちに全世界のPS5 Proユーザーに配信すると発表しました。同日発売の『バイオハザード レクイエム』が、進化版PSSRを初めて採用したタイトルとなります。3月に予定されるシステムソフトウェアアップデート後は、設定画面のオプション選択により、既存のPSSR対応タイトルでも新版を利用できるようになります。
『バイオハザード レクイエム』で始動、既存タイトルへの展開も予告
『バイオハザード レクイエム』は2026年2月27日に発売され、進化版PSSRを採用した最初のタイトルです。SIEによると、3月には複数の既発売タイトルが進化版PSSRに対応する予定です。同時期に配信されるシステムソフトウェアアップデートでは、PS5 Proの設定画面に「PSSRの画像品質を向上」というオプションが追加されます。このオプションを選択すると、現在PSSRに対応しているすべてのPS5 Proタイトルで新しいPSSRを利用できるようになります。SIEは「一部のゲームでは、より鮮明なグラフィックを実感いただけるはずです」と説明しています。
アルゴリズム全体を再設計——AMDとの共同開発がベースに
進化版PSSRでは、ニューラルネットワークだけでなくアルゴリズム全体において、従来とは大きく異なるアプローチが採用されています。SIEによると、新PSSRで使用されているアルゴリズムとニューラルネットワークは、AMDとのパートナーシップ「Project Amethyst」に由来するものです。AMDのFSR 4アップスケーリング技術を通じてPC向けには先行して成果が提供されており、今回のPS5 Pro向け進化版PSSRには、この共同開発技術にさらに6ヵ月の改良を重ねたものが採用されています。PSSRはゲーム映像をピクセル単位で解析しながらアップスケールするAIライブラリで、これまでに50以上のタイトルにおいてPS5 Proでの実効解像度向上に活用されてきました。
カプコン開発者の評価と実機検証
カプコンの伊集院勝・基盤技術研究開発部 基盤開発支援室室長は、『バイオハザード レクイエム』がRE ENGINEのバージョンアップにより主人公の人物表現のクオリティ向上に注力した作品であるとしたうえで、進化版PSSRについて次のように述べています。
「今回バージョンアップされたPSSRでは、繊細が故にアップスケールが難しいこれらの細かいディティールや質感表現を見事に処理し、ひとつ上の次元に引き上げていると感じています」 ——PlayStation Blog(SIE)より
伊集院氏によると、本作では髪の毛や髭を一本一本ポリゴンで描画し、体の動きや風の影響に合わせてリアルに動く表現を実現しており、進化版PSSRがこれらの繊細なディテールの処理に貢献しているとのことです。

Digital Foundryは、『バイオハザード レクイエム』のPS5 Pro版についてレイトレーシングモードで1080pより若干高いベース解像度から4Kにアップスケーリングしており、60fpsで高品質な4K出力を実現していると報じています。同メディアによると、PS5 Pro版のレイトレーシング場面で一部ノイズが見られるものの、これはPSSRではなくカプコンのデノイズ処理に起因するもので、PC版でDLSS 4.5やFSR4を使用した場合にも同様の現象が発生するとのことです。Digital Foundryは、ホラー作品特有の暗い映像が差異を目立ちにくくしている点や、より低い入力解像度での検証が未了である点を留保しつつも、現時点では新PSSRはPC版アップスケーラーと同等水準にあると評価しています。




