「ほぼそれだけでPS5 Proの存在意義を正当化する」——新PSSR、DFが4タイトルで検証した結果

PSSR2_260317

Digital Foundryが『サイレントヒル f』『ファイナルファンタジーVII リバース』『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』『モンスターハンターワイルズ』の4タイトルで新PSSRをテストした結果、すべてのタイトルで内部レンダリング解像度を変えないまま画質が改善されたことが確認された。パフォーマンスコストもPSSR1とほぼ同等で、『モンスターハンターワイルズ』での計測では1〜2fps差にとどまる。ソニーは2026年3月17日14時以降(日本時間)よりPS5のシステムソフトウェアアップデートの段階的配信を開始する予定で、開発者パッチ対応の11タイトルに加え、全PSSR対応タイトルにシステムレベルで新PSSRを適用できるトグル機能も提供される。

スポンサーリンク

解像度もフレームレートも据え置きで画質だけが変わった

Digital Foundryのテストでは、4タイトルすべてにおいて内部レンダリング解像度がPSSR1適用時と同水準だった。Oliver Mackenzie氏はピクセルカウント計測に基づき、解像度はおおむね同一であり、画質の向上は純粋にアップスケーラーの性能によるものだと報告している。

パフォーマンス面では、『モンスターハンターワイルズ』のイントロカットシーンを用いた計測で、PSSR1とPSSR2のフレームレート差は1〜2fps程度だった。Mackenzie氏は「フレームレートはほぼ同等だった」と述べており、PSSR1時代に報告されていた4Kアップスケールコスト約2msという数値から大きな変動はないとみられる。

なお、今回テストされた4タイトルはいずれも開発者がパッチを適用したバージョンであり、システムによる強制適用ではない。PlayStation Blogによると、システムソフトウェアアップデートは2026年3月17日14時から段階的に配信される。同日発表の開発者パッチ対応タイトルは11本で、2月27日に対応済みの『バイオハザード レクイエム』を含めると計12本となる。『紅の砂漠』は3月19日の発売時に対応する予定だ。さらに『アサシン クリード シャドウズ』『サイバーパンク2077』も今後数週間以内に対応パッチが配信される。全PSSR対応タイトルに新PSSRを適用できる「PSSRの画像品質を向上」オプションも用意されているが、結果はタイトルにより異なる場合がある。

PSSR1で最も問題が深刻だった『サイレントヒル f』が別物に

4タイトルのなかで最も劇的な変化を見せたのが『サイレントヒル f』である。PSSR1において、同タイトルはレイトレーシンググローバルイルミネーション(RTGI)のパルス状アーティファクト、表面全体に広がるフィルムグレイン様のノイズ、サブピクセル単位のちらつきなど、深刻な画質問題を複数抱えていた。Digital Foundryの画質検証担当Alex Battaglia氏は「RTGIのパルス状の問題は新PSSRで完全に解消された」と報告している。

解像度は前後のパッチで1440pのまま変わっていない。Mackenzie氏はこのタイトルについて、低品質でアーティファクトだらけだった映像が、クリーンで安定した魅力的なものに変わったと評している。PS5版の30fps画質モードと比較しても、Pro版60fpsの画質はおおむね同等の水準に達している。PS5 Proが当初掲げていた、30fpsモード相当の画質を60fpsで実現するという目標に、ようやく到達した形だ。

『ファイナルファンタジーVII リバース』はPSSR1の時点で比較的良好な画質だったタイトルだが、新PSSRでさらに改善が進んだ。PSSR1特有のノイズやカメラ移動時の不自然なぼけが解消され、テクスチャのディテールも向上している。Battaglia氏によれば、開発者がパッチでネガティブミップマップバイアスの設定を変更し、より高解像度のテクスチャを表示するようにした可能性がある。同氏は、アルゴリズムの安定性が増したことで、開発者側がより積極的なテクスチャ設定を選択できるようになったとの見方も示している。

『ドラゴンエイジ』では改善と課題が同居

すべてのタイトルが一様に改善されたわけではない。『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』では、フォリッジの安定性やノイズの低減など明確な改善がある一方、布地や地面などの特定テクスチャに点描状のドットパターンが残存している。Mackenzie氏はこのパターンがFSR2では発生しないことを指摘しつつ、他タイトルには見られないため同作固有の問題である可能性が高いとの見解を示した。

Battaglia氏は、テクスチャ内の特定パターンに対してアップスケーラーが実在しないディテールを生成してしまう可能性や、アップスケーリング前に適用されるシャープニングが原因となりうることに言及した。このドットパターンが他タイトルにも広がるかどうかは現時点で不明であり、Battaglia氏自身も他タイトルでの挙動を確認するまで判断を保留するとしている。

Project Amethystが変えたPS5 Proの立ち位置

新PSSRのアルゴリズムとニューラルネットワークは、AMDとソニーの共同開発プロジェクトであるProject Amethystの超解像技術に由来する。Digital Foundryによれば、新PSSRはPC向けFSR4そのものではなく、Project Amethystの共同開発技術に基づくソニーの独自実装である。PlayStation Blog(2月27日付)は、PC向けFSR4も同じProject Amethyst由来の技術に基づいているとしたうえで、FSR4のPC提供からさらに6か月の改良を経てPS5 Pro向けに提供したと述べている。

Mackenzie氏は4タイトルのテスト結果を踏まえ、「PSSR2はほぼそれだけでPS5 Proの存在意義を正当化する」と評価した。同氏は開発者が今後ダイナミックレゾリューションの目標をより攻めた水準に設定できるようになるとの見通しも示したが、これは推測にとどまる。

将来技術については、Battaglia氏はProject Amethystを通じて機械学習フレームジェネレーションやレイリジェネレーションがPS5 Proに展開されることに期待を示したが、これはあくまで同氏個人の希望的観測であり、具体的な計画や予定として発表されたものではない。Digital Foundryは2026年3月2日の記事で、PS5 ProがProject Amethystの技術試験場となる構図を分析しており、同技術の蓄積がPS6の差別化にどう影響するかという論点にも触れている。

4タイトルの横断テストが示したのは、改善パターンがタイトルの元の状態によって大きく異なるという点だ。PSSR1で深刻な問題を抱えていたタイトルほど改善幅が大きく、もともと良好だったタイトルでは着実だが穏やかな向上にとどまる。特定の描画条件下では課題も残るが、すべてのケースで解像度もパフォーマンスコストも変わらないまま画質だけが向上しており、PS5 Proの超解像技術がハードウェアの潜在力に見合う水準に到達したといえる。

※本記事はDigital Foundryの報道をもとに、関連情報を加えて再構成しています。

出典

タイトルとURLをコピーしました