和風ホラーアクション『SILENT HILL f』において、2025年11月13日に最新のアップデートとなるパッチ1.10が配信されました。本アップデートでは、新たなアクション難易度「簡単」や、2周目以降の一部パートを任意でスキップできる機能が追加されています。また、「修が増殖する」といったユニークなものを含む、進行不能系の重大な不具合も多数修正され、ゲーム全体の安定性が向上しています。
パッチ1.10の主な変更点
今回のアップデート(パッチ1.10)は、主に3つの柱で構成されています。1つ目は、アクションが苦手なプレイヤーを対象とした新機能の追加です。2つ目は、敵の配置数軽減など、ゲーム全体のプレイフィールに関わるバランス調整。そして3つ目は、進行不能に繋がる深刻なものから軽微なものまで、多岐にわたる不具合の修正です。これらは、新規プレイヤーから周回中のプレイヤーまで、幅広い層に向けた内容となっています。
新難易度「簡単」追加で、より遊びやすく
新たに追加されたアクション難易度「簡単」は、タイトル画面の「はじめから」を選択した際、またはクリアデータからプレイを開始する際に選ぶことができます。今回のアップデートにより、ゲームの楽しみ方の選択肢が広がります。
また、すでに「物語重視」以上の難易度でプレイを開始している場合でも、救済措置が用意されています。ゲームオーバーを一定範囲内で複数回繰り返すと、途中で難易度を変更する選択肢が表示され、そこに「簡単」が追加されます。これにより、特定のボスで詰まってしまったプレイヤーも、進行を諦めることなく物語の先へ進むことが可能になります。
2周目以降のプレイを効率化する「パートスキップ機能」
2周目以降のプレイ時、「壁画」の謎解きをクリアした後に表示される目標【扉の先に進む】を達成すると、一部のパートを任意でスキップできるようになります。この機能を使えば、2度目に闇の社殿の廻廊で目覚めるシーンまで道中のプレイを省略でき、エンディング回収などを目指す際のプレイ時間短縮が期待できます。
スキップ機能の注意点
この便利なパートスキップ機能ですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。まず、スキップしたパートに配置されているアイテムは取得できません。また、「手合わせに感謝を」「良き好敵手に感謝を」「霧裂く者に感謝と敬意を」といった特定のクリア実績は解除されなくなります。一方で、公式からはスキップ機能の利用によるエンディング分岐への影響はないと明言されています。
全体的なゲームバランスの調整
新機能の追加に加え、ゲーム全体のプレイフィールを向上させるための細かな仕様調整も実施されました。具体的には、主人公「雛子」の持久力の回復速度が僅かに向上したほか、複数のエリアで敵との強制戦闘の発生回数や敵の配置数が軽減されています。さらに、アクション難易度「難関」で雛子が受けるダメージ量も僅かに軽減されています。
「修の増殖」や進行不能など多数の不具合を修正
今回のパッチでは、プレイヤーの体験に影響を与えていた多数の不具合が修正されています。特に、ボスである「咲子らしきもの」や「霧のバケモノ」が動かなくなりイベントが進行しなくなる問題や、オートセーブのタイミングによって死亡を繰り返してしまう死亡ループなど、深刻な進行不能系の不具合が解消されたことは大きな改善点です。これにより、ゲームプレイの安定性が向上しています。
修正項目の中には、カットシーン中に登場キャラクターの「修」が二人に増殖してしまうといった、ユニークな不具合の修正も含まれています。この他にも、インタラクトアイコンが表示されない問題や、敵が戦闘エリア外に移動して倒せなくなるなどの不具合が修正されています。
プラットフォームごとの主な修正点
アップデート内容は全プラットフォームでほぼ共通ですが、一部異なる点も存在します。PlayStation®5版およびXbox Series X|S版では、グラフィックス設定に「モーションブラー」の項目が新たに追加されました。一方、PC版(Steam®/Epic Games Storeなど)では、グラフィックス設定の「間接照明設定」と「リフレクション」をオフにしても、カットシーンに入ると勝手にオンに切り替わる不具合が修正されています。
ファンの間では「加藤モード」という冗談も?
今回のアップデート告知について、X(旧Twitter)の公式アカウント投稿のリプライ欄では、新たに追加されたアクション難易度「簡単」をめぐってさまざまな反応が寄せられています。
とくに目立つのが、「絶対加藤さんのためでしょ」「難易度名は“小夏”でお願いします」といったコメントです。新難易度を「加藤さんモード」「加藤小夏さん用の難易度」と冗談交じりに呼ぶユーザーもおり、アップデート発表直後からこの“ノリ”が次々と投稿されている状況です。
この背景には、俳優の加藤小夏さんの存在があります。ファミ通などのインタビューで、本作の主人公「深水雛子」のモデル、フェイシャルアクター、モーションアクターを務めたと明かされている加藤さんですが、自身のYouTubeチャンネルで『SILENT HILL f』の実況配信も行っています。その中で、敵との戦いに苦戦する様子やリアクションは、ファミ通やORICON NEWSといった複数のメディアでも取り上げられるほど話題となっています。
今回追加された「簡単」難易度が実際に加藤さんのプレイを意識して設計されたかどうかは、もちろん公式には語られていません。しかし、「配信での苦戦ぶりを見ていたファンが、“これ絶対加藤さんのためのモードでしょ”と盛り上がっている」という図式は、アップデート告知ポストのリプライ欄を見るかぎり、記事執筆時点でもかなり強く出ていると言えそうです。
なお、「加藤モード」「小夏モード」といった呼び名は、あくまでファンの一部で生まれた愛称・ネタであり、ゲーム内や公式がそう呼称しているわけではありません。この点は留意しつつ、ネット上のちょっとした“お祭り感”として楽しむのがよさそうです。




