『ウィッチャー3 ワイルドハント』の新たな拡張パックが2026年に発売されるという予測が、市場で注目を集めています。この件に関し、ポーランドの大手メディアIGN Polskaが「過去の砂漠エリア構想」を報じる一方、Eurogamerはアナリストへの取材を通じ、財務的な側面からの分析を掲載しました。同サイトは、主に経営・管理職向け成果報酬(インセンティブ)の達成条件として累積純利益に不足があり、これを埋めるにはアップデート等では不十分で、「規模の大きい新コンテンツ」が必要になる可能性があるとの見方を伝えています。
「Zerrikania(ゼリカニア)」構想とゲーム内の要素
IGN Polskaは、開発元のCD Projekt RED内部で過去に、「凍てつく北国」とは異なる方向性が模索されていたと伝えています。具体的には、ヴェレンの湿地帯やトゥサンの鮮やかな色彩とは対照的な、ゲーム内未踏の砂漠地帯「Zerrikania(ゼリカニア)」の探索に対し、開発チームが活発な関心を示していたとしています。
同メディアによると、この情報は数年前に信頼できる情報筋から得ていたものの、当時は裏付けが単一ソースのみであったため、記事化を見送っていたといいます。しかし今回、アナリストによる2026年のリリース予測が報じられたことを受け、当時の情報が現在の推測に新たな視点を与えると判断し、公開に踏み切りました。
あわせて同記事では、説を補強する状況証拠として『血塗られた美酒』で登場した東方由来の「マンティコア流派」装備のほか、条件次第で作中でキャラクター(レソなど)が同地へ向かう旨を発言する点などを例示。これらが伏線と解釈しうる要素であると指摘しています。
さらに同メディアは、現在開発中の『ウィッチャー4』が北国を舞台にするとみられる点を踏まえ、「似たような雪国(コヴィル等)のDLCを出すことはマーケティング上得策ではない」という見解を示しています。その上で、次回作との明確な差別化を図れる「砂漠」という選択肢が、より合理的ではないかと分析しています。
なぜ今、新DLCなのか? 背景に「7億ズウォティ」の純利益不足
一方、この「2026年リリース説」の根拠となっているNoble Securitiesのアナリスト、Mateusz Chrzanowski氏は、Eurogamerの取材に対し「CD Projekt REDが今年(※1)、重要な新コンテンツをリリースすることは100%確信している」と述べています。
同氏がその根拠として挙げるのが、CD Projekt REDの主に経営・管理職向けインセンティブプログラム(株式付与型の成果報酬制度)です。この報酬を受け取るためには、所定の期間内に累積純利益の目標を達成する必要がありますが、同氏の試算によると、第1段階の目標達成には残り5四半期で約7億ズウォティ(約260億円※2)が不足しているといいます。
この不足分について同氏は、「単なるアップデートや小規模な移植では達成不可能」であるため、「規模の大きい新コンテンツの必要性が示唆される」と分析。その上で、収益規模の観点から『ウィッチャー3』の有料拡張が有力候補であると結論付けています。Eurogamerはまた、昨年末の収支報告においてCD Projekt RED自身が、目標達成のために「新コンテンツをリリースする可能性がある」と説明していた点も指摘しています。
開発は『ウィッチャー1』リメイクのスタジオが担当か
しかし、CD Projekt RED本体は現在、シリーズ最新作『ウィッチャー4』の開発に注力しています。そのため、大規模なDLCを内製するリソースを割くのは、開発体制の観点から容易ではない可能性があります。
この点についてEurogamerは、初代『ウィッチャー』のリメイク版を担当している外部スタジオ「Fool’s Theory」が開発に関与しているという噂を紹介しています。同スタジオはシリーズに携わったベテラン開発者たちによって設立されており、この説が事実であれば、本家が次回作に集中しつつ、信頼できる外部パートナーがDLCを手掛けるという体制になります。
「砂漠」という未踏の地への関心、そして経営目標達成のための財務的な動機。複数の情報が、2026年の『ウィッチャー3』における新たな展開の可能性を示唆しています。
注記:本記事はメディアによる報道とアナリストの分析に基づくものであり、CD Projekt REDによる公式発表ではありません。 ※1:Eurogamer記事公開時点(2026年1月)での発言、※2:1ズウォティ=約37円で換算





