スクウェア・エニックスが11月11日に発売を予定しているPS5/PS4/Switch/Steam用ソフト『タクティクスオウガ リボーン』(※Steam版は11/12発売)。本作の開発陣へのスペシャルインタビューが公開されたので、その内容をかいつまんでご紹介します。
『タクティクスオウガ リボーン』開発者インタビュー
- 『運命の輪』をベースにしつつ、単なるリマスターではなくバトルデザインをリメイクした新生『タクティクスオウガ』という理由から「リボーン」と名付けた。
- 吉田明彦氏描き下ろしのキービジュアルは、SFC版のキービジュアルを現在のタッチで描いたもの。
- まずは『運命の輪』に寄せられたユーザーの意見から修正すべき点を洗い出した。
- もっとも不評だったレベルシステムを個々のユニット単位に戻した。
- “演習”コマンドを各拠点に付与(いわゆるトレーニングの復活)。
- レベルアップ作業に時間を取られすぎないよう、レベル差があるほど低レベルユニットの獲得経験値が増えるパワーレベリングを導入(※『運命の輪』にもあったが、より強化し経験値を獲得しやすくした)。
- 戦闘報酬として経験値を得られる消費アイテムを導入。
- ユニオンレベルを導入。軍全体のレベルを表すもので、そのレベル以上にユニットレベルを上げられない。ユニオンレベルはシナリオ進行に応じて開放されていくため、ユニットを極端に強化しての強引な攻略はできない。(※ユニオンレベルは敵レベルよりもやや高く設定されている。※W.O.R.L.D機能でシナリオを戻した場合、クリア済みステージはレベルキャップを無視して戦うことが可能)
- 魔法とスキルの数は多すぎた為に削減。思考アルゴリズム(AI)の最適化にも繋がり、快適に動作するように。同時にプレイヤーにとっては取捨選択が重要となり、よりオリジナル版の遊び方に近づいた。
- フルボイス化にあわせて、シナリオを細かく精査し加筆修正を行った。松野氏いわく「読ませるテキストよりも聴かせるテキストを重視した」。
- 『運命の輪』からの追加イベントはない。そもそも『運命の輪』時点でオリジナルからセリフ量が倍増していた。
- エキストラエピソード4編「DIVA」「ウォーレンを捜せ」「真の騎士」「十二人の勇者」も再録。エンディング後からプレイ可能に。
- 本作における「十二人の勇者」はエンドコンテンツとしての意味合いもあり最高峰の難度。
- ドット感が失われたのっぺりとしたグラフィックにならないよう、オリジナル版のドット絵と比較しながら慎重に高解像度化を図った。
- ボイス収録には松野泰己氏が立ち会い、セリフの解釈について演出監督と声優陣に指示を行った。
- セリフ量は台本だけでも31万字。30分アニメに換算すると約2クール分に匹敵。収録だけで3ヶ月を要した。
- ほぼ全ての効果音を作り直した。
- カットシーン用、バトル用など新曲あり。
- AI進化により、プレイヤーもその時々の状況から動きを考え戦う必要を求められる“手応えある敵”となった(詰将棋的なバトルではなく、動的に変化するバトルになった)。
(敵AIは)さまざまな積み重ねで作られていて、いくつかの要素で構成されています。まず位置取りです。今作は敵軍がどのあたりでプレイヤーと戦いになるか前線位置を考えられるようになりました。細い道のマップ、平原のような広いマップなど、地形とプレイヤー軍の動きをあわせて、敵が位置取りを考えます。つぎに近接攻撃、遠隔攻撃にダメージ的な特徴が出たことをAIは考慮します。弓などの遠隔攻撃は後衛クラスに有効ですが、ナイトなど前衛に対してはそれほどではありませんし、魔法は遠隔攻撃ですが前衛にも有効、といった差があります。AIはこのダメージの差と前述の位置取りを合わせて動きを決めます。ほかにもマップに落ちているものや、スキルの状態など多くの情報をAIが考慮できるようになっています。
- 倍速モードを実装。ユニットの移動速度から魔法等のVFXまで全アニメーションが高速化。
- UI変更により使用可能な攻撃などが一括表示されるようになり操作ステップが減少。コマンドの階層を潜った結果、MP不足で魔法が使えないことが判明するということもなくなった。
- 判断に悩みそうな魔法やスキルを削除し、一体あたりのユニットにセット可能な魔法やスキル等の数を制限。これにより、『運命の輪』とは比較にならないほど複雑な思考を高速で実行可能に。
情報元:ファミ通.com