逆境から復活へ:『RUINER』のReikon Games、新作『Metal Eden』を9月3日に正式リリース

『METAL EDEN』 – Release Date Trailer 1-36 screenshot

大規模レイオフという試練を乗り越えたReikon Gamesが、待望の新作サイバーパンクFPS『Metal Eden』の発売日を2025年9月3日に正式決定しました。当初5月6日予定から夏への延期を経て、ついに具体的な発売日が明らかになったこの作品は、PS5/Xbox Series/PC向けにDeep Silverより発売されます。

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全スタッフの半数超を失った開発チームが歩む復活への道

Reikon Gamesにとって「Metal Eden」は、単なる新作以上の意味を持つ作品です。2024年1月、同スタジオは全従業員の約56%にあたる60~70名の大規模レイオフを実施しました。『RUINER』でSteam「非常に好評」(9000件中90%が好評)を獲得した実力派スタジオにとって、この出来事は存続をかけた大きな転換点となりました。

残された約44%のスタッフは、それでも開発を続ける道を選びました。大幅に削減された人員で開発を継続し、2025年2月にはPlayStationの「State of Play」で堂々と新作を発表。困難な状況にあっても創造性を維持し続ける開発チームの強い意志が、この発表からうかがえます。

デモ版の反響を受けて品質向上に注力

本作の開発で注目したいのは、開発チームがプレイヤーの声を大切にしている点です。4月に配信されたデモ版では、序盤の2つのミッションを体験でき、同時にSpeedrun.comと連携した総額1000ドルの賞金付きスピードランチャレンジも実施されました。

このデモ版は2025年8月6日時点で964件のレビュー中70%が好評という結果を獲得しましたが、開発チームはさらなる改善を選択しました。プレイヤーからのフィードバックを詳しく分析し、「より良いゲーム体験の実現のため」として発売を夏に延期。完成度を優先する開発方針がはっきりと表れています。

従来のFPSを超えた近未来戦闘システム

『Metal Eden』の最大の魅力は、これまでのFPSにはない多層的な戦闘システムです。プレイヤーが操作する主人公アスカは最新鋭の戦闘用アンドロイド「ハイパーユニット」として、惑星ヴァルカンの巨大都市メビウスでの危険な救出任務に挑みます。

特に面白いのが「コア・リッピング」というシステムです。敵のエナジーコアを奪い取ることで都市防衛部隊のシールドを無力化でき、戦況を有利に進められます。また、「ARMORED RAMBALL」という装甲球体への変形能力も登場し、地上での高速移動から敵陣への突撃まで、戦術の選択肢が大きく広がります。

移動システムも独創的で、ダッシュ・グラップル・ウォールランといったパルクールアクションに加え、グラビティフックとジェットパックを使った立体的な空中戦が楽しめます。巨大都市の垂直空間を縦横無尽に駆け回る、スピード感あふれる戦闘体験が待っています。

人間性とテクノロジーの境界を描くSF世界

本作の舞台設定には、現代的なSFテーマが巧妙に織り込まれています。人類が新天地を求める中で開発された「コア」システムは、人間の意識データをデジタル保存する技術です。かつて希望の象徴だったメビウス都市が危険地帯になってしまった設定からは、技術進歩の光と影が見えてきます。

新しく公開されたトレーラーでは、アスカの人間からハイパーユニットへの変貌過程と、「イロージョンボム」がもたらした破滅的影響が描かれています。AIと人間の境界、技術による人間性の変容という、まさに現代的な問題意識が反映された設定です。

困難を乗り越えた中小スタジオの挑戦


『Metal Eden』は、厳しい状況に直面する中小ゲーム開発スタジオにとって、貴重な事例となっています。2024年にはゲーム業界全体で5,900名以上のレイオフが実施される中、Reikon Gamesも56%という大規模な人員削減を経験しました。それでもなお開発活動を継続している同社の取り組みは、同様の課題に直面している他のスタジオにとって大いに参考になるでしょう。

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