『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』の公式インタビューで、スクウェア・エニックスのクリエイティブ・ディレクター野村哲也氏は、セフィロスを「昔のファンにも今のファンにも親しまれるキャラクター」と語りました。2025年5月に実施され、2026年3月11日に公開されたインタビューで野村氏は、さまざまなプロジェクトで「セフィロスみたいなキャラクターを作ってほしい」と依頼されることが多いとも述べています。セフィロスは新旧のファン双方から支持されているとの認識も示しました。3〜4年にわたる数百点のアート監修の舞台裏や、カードゲームならではの表現への向き合い方にも話が及んでいます。
セフィロスは「愛されている証拠」——新旧ファンに親しまれるキャラクターとしての位置づけ
今回のコラボで自ら描くキャラクターとしてセフィロスを選んだ野村氏は、現在も『FINAL FANTASY VII REMAKE』シリーズの開発を通じてセフィロスと向き合い続けており、「最新のFFVIIが現在進行系」だと語っています。そのセフィロスが登場する『FINAL FANTASY VII』について、野村氏は次のように述べています。
「最近になって『FINAL FANTASY VII』を初めて体験した新しいファンもいますが、この作品は昔からのファンにも、初めて触れたファンにも、どちらにも愛されるタイトルだと思っています。」そのうえで、セフィロスの人気についても率直に語りました。「セフィロスは昔のファンにも今のファンにも親しまれるキャラクターで、これだけ多くの人が『セフィロス!セフィロス!』と言ってくるということは、それだけ愛されている証拠なんだと思います。」
野村氏によると、他のプロジェクトやゲームに関わる際にも「セフィロスみたいなキャラクターを作ってほしい」と頼まれることが多いといいます。こうした人気について野村氏は、自身の経験に基づく印象として語っています。そうしたファンの支持を踏まえ、セフィロスを含むアート制作ではファンが抱くイメージから逸れないことと、アーティストの個性をどう両立させるかが重視されました。
カードアートに込めた方針——ファンの既存イメージを土台にした表現
ビデオゲームのアートは動きやアニメーションを前提に設計されますが、カードゲームでは1枚のアートですべてを表現する必要があります。この違いについて野村氏は、プレイヤーが1枚の絵から多くの情報を受け取り想像を広げている点に感心したと話しました。
セフィロスのアートを描く際には、ファンがすでに持っている理解やイメージを土台にしながら、その上に要素を一つひとつ重ねていくことで想像力をさらに広げてもらうことを意識したと野村氏は説明しています。数百点に及ぶ監修全体でも、アーティストの独自性を活かしつつファンが抱いているイメージから逸れないバランスに最も注意を払ったと語りました。
印象に残った作品としてロック・コールのカードを挙げた野村氏は、クラシックなドット絵のゲームを立体的なファンタジーアートとして再解釈したのは「おそらく史上初」だと評価しています。海外アーティストによる背景描写の完成度にも感銘を受け、「日本のファンにもきっと受け入れられる」と感じたと述べました。こうしたアート群は、PAX Eastでも強い反応を得たことがインタビュー内で語られました。
PAX Eastの熱狂と「ここまで深く踏み込んだプロジェクトは初めて」
PAX Eastで約20点の新アートを公開した際、セフィロスのカードへの反応が最も大きかったとWizards of the Coastのディロン・ドゥヴネイ氏はインタビュー内で振り返っています。野村氏はその熱狂について、「FINAL FANTASY」シリーズを遊んできた世代と『マジック:ザ・ギャザリング』を遊んできた世代が大きく重なっていることが一因かもしれないとの見方を示しました。また、事前にはもっと小規模なコラボレーションだと受け止められていたのではないかとし、PAXで全貌を見たことで「ガチなやつだ」と感じてもらえたのではないかとも語っています。
インタビューでは、過去のコンセプトアートがカードとして製品化されることへの率直な心境も明かされました。野村氏によると、当時のコンセプトアートはあくまで開発チームのための設計図であり完成作品ではなかったといいます。新たに描き下ろされたアートと並ぶことに照れを感じつつ、「せめてカードは強くしてほしい」と心の中で思っていたと笑い交じりに振り返りました。
野村氏はインタビューの締めくくりとして、これまでにもアートのライセンスやコラボレーションは数多くあったものの「ここまで深く踏み込んだ形で関わったプロジェクトは初めて」だと語り、「FINAL FANTASY」シリーズの歴史を大きなスケールで表現できることへの手応えを示しています。
※本文中のセフィロス人気やPAX Eastでの反応に関する評価は、インタビュー参加者の発言に基づく見解であり、客観的な人気指標を示すものではありません。
出典
- Wizards of the Coast:『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』:野村哲也氏インタビュー



