Nintendo Switch 2専用タイトルとして明日11月20日に発売される『カービィのエアライダー』のレビューが解禁。大手レビュー集積サイト「Metacritic」には、現時点(11/19 22:04)で64件のレビューが寄せられており、メタスコアは「78」を記録しています。全体的に高い評価を獲得していますが、その独特なゲーム性ゆえに「人を選ぶ」という指摘も見られます。
この記事では、主要メディアのレビュー内容を要約し、本作がどのようなゲームなのか、どのようなプレイヤーに向いているのかを分かりやすく整理しています。購入を迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
全体的な評価傾向:カオスで奥深い「桜井イズム」の結晶
多くのメディアが80点〜90点台の高得点をつけており、Switch 2向けの強力なタイトルであると評価されています。一方で、その特殊な操作性やゲームデザインから、評価が分かれる側面もあります。
良かった点
- 圧倒的なコンテンツ量: 『スマブラ』シリーズなどの桜井政博氏作品らしく、膨大なアンロック要素やカスタマイズが用意されています。特に「750ものミッション(チェックリスト)」は圧巻です。
- 「シティトライアル」の進化: 前作で大人気だったモードが、より現代的かつ戦略的なデザインとなり、最高のパーティゲームとして機能しています。
- 独自性: 『マリオカート ワールド』(※作中の競合タイトル)とは全く異なる、アクション性の高いカオスなレース体験が評価されています。
- シンプルかつ奥深い操作: ワンボタンで完結する操作系は、入り口は広いが極めるのは難しいという、独特の深みを持っています。
気になった点
- 画面の視認性: エフェクトが派手で展開が高速なため、「画面がカオスすぎて何が起きているかわからない」と感じるレビュアーもいました。
- 操作のクセ: 独特な「ワンボタン操作」は、現代のレースゲームに慣れたプレイヤーには「シンプルすぎる」「直感的ではない」と戸惑う要因にもなっているようです。
- 人を選ぶゲーム性: 万人受けする『マリオカート』に対し、本作はより「ゲーマー向け」あるいは「ハチャメチャなパーティ好き向け」という指摘があります。
主要メディアのレビュー抜粋
Metacriticに掲載されているレビューの中から、特に参考になる意見をいくつかピックアップして要約・翻訳してご紹介します。
絶賛の声
Siliconera (100/100)
「ゲームキューブのオリジナル版が好きだったので期待していましたが、まさか『マリオカート ワールド』よりも強力な作品になるとは予想していませんでした。Switch 2には両方のレーシングゲームが存在する余地がありますが、もしどちらか一つを選んで、もう一方を二度と遊べないとしたら、私は迷わず『カービィのエアライダー』を選びます。」
Nintenderos (95/100)
「誰も予想していなかったカムバックですが、一度手に取れば必然だったと感じられます。桜井氏は『カービィのエアライダー』の実験的なエッセンスを持ち帰り、現代のコンソールの野心でそれをブーストさせました。より多くのモード、キャラクター、マシン、そしてスピリットを裏切ることなくフォーミュラを生かし続けるアイデアの洪水がここにあります。」
IGN Spain (90/100)
「シンプルでありながら奥深い操作、多彩なゲームモード、アンロック可能なキャラクターやマシン、そして魅力的なビジュアルスタイル。これらが滑らかなパフォーマンスと組み合わさり、すべてのレースで興奮とアドレナリンを提供してくれます。」
公平・慎重な意見
IGN (80/100)
「『カービィのエアライダー』が存在するという事実と、これほど素晴らしい出来であるという事実、どちらがクレイジーなのか分かりません。(中略)膨大なコンテンツを楽しむ上での最大のハードルは、その操作性です。ワンボタンの操作体系は愛らしく斬新ですが、時としてシンプルすぎるきらいがあります。『マリオカート』ほど手軽ではなく、『スマブラ』ほど競技性が高いわけでもありません。しかし、そのカオスなアクションレースに身を任せる気があるなら、友人との最高の時間と、一人でやり込める膨大な要素が待っています。」
GameSpot (80/100)
「一見シンプルに見えるメカニクスを最大限に活かした印象的なパッケージです。『エアライド』は堅実なレース体験を、『ウエライド』は楽しい気晴らしを、『シティトライアル』は最高にカオスな時間を、そして『ロードトリップ(Road Trip)』はその創造的な出会いと満足感のある進行で全てをまとめ上げています。(中略)桜井氏がDLCの予定はないと言った時は少し残念でしたが、数え切れないほどプレイした今となっては、これ以上望むものは何もありません。」
厳しい意見
Metro GameCentral (40/100)
「近年で最も不可解な任天堂のリリースです。ゲームキューブの最悪なゲームの一つを準リメイクしたもので、プレイヤーをイライラさせ、混乱させるために特別に設計されたかのような作品です。」
結論:『カービィのエアライダー』は買いか?
海外メディアのレビューを総合すると、以下のような方には間違いなく「買い」と言えます。
- ゲームキューブ版のファン: 「コンセプトはそのままに、ほぼ完璧に実行されている」(Atomix)との評価通り、当時の興奮がパワーアップして帰ってきます。
- ミッション達成やアンロック作業が好きな人: 「750のミッションリスト(Checklist)」(VGC)を埋めていく作業や、マシン・パーツの収集に喜びを感じる人にはたまらないボリュームです。
- 『マリオカート』とは違う刺激が欲しい人: 「エスプレッソを70杯飲んだマリオカート」(CNET)と表現されるほどのスピード感とカオスな展開は、本作でしか味わえません。
一方で、「純粋なレーステクニックだけを競いたい」「画面がごちゃごちゃするのは苦手」という方は注意が必要です。
また、ソロプレイに関しては意見が分かれています。「膨大なミッションがあり一人でも楽しめる」と評価するメディアがある一方、「シティトライアル等のメインモードはマルチプレイでこそ輝く」「一人では飽きが早い」とするメディア(GRYOnline.plなど)もあります。
Switch 2の性能を活かした60fpsの滑らかな動作(Combo Infinito)は保証されていますが、桜井政博氏のこだわりが詰まった本作は、プレイヤーの好みによって「最高のパーティゲーム」にも「カオスすぎる異色作」にもなり得る一本と言えそうです。




