『仁王3』開発者インタビュー:オープンフィールド化で挑む“戦国死にゲー”の新境地

nioh3_250605

コーエーテクモゲームスのアクションRPGシリーズ最新作『仁王3』が、2025年6月5日の「State of Play」にて正式発表されました。対応プラットフォームはPlayStation 5およびPC(Steam)で、発売は2026年初頭を予定しています。

本作では、シリーズ初となる“オープンフィールド構造”を採用し、戦闘スタイルを「サムライ」と「ニンジャ」の2種類から切り替えて戦う新システムが導入されました。

本記事では、ファミ通.comおよび4Gamer.netに掲載された体験版プレイレポートと開発者インタビューをもとに、本作の革新ポイントを詳しくご紹介します。

スポンサーリンク

『仁王3』の基本情報と発売時期

アナウンストレーラー

発売日・対応ハード・開発元

『仁王3』は2026年初頭に発売予定で、対応プラットフォームはPlayStation 5およびPC(Steam)となっています。開発を手がけるのはコーエーテクモゲームスのTeam NINJAで、ゼネラルプロデューサーを務める安田文彦氏(『仁王』『仁王2』でディレクター/プロデューサーを歴任)と、プロデューサーの柴田剛平氏(シリーズ前作ではプロジェクトマネージャー)が中心となり、主要スタッフが継続して参加しています。

シリーズ累計と位置づけ

2020年の『仁王2』から約5年ぶりの新作となる本作は、“戦国死にゲー”として知られるシリーズの最新作です。シリーズ累計販売本数は800万本を超えており、重厚なアクションと自由度の高い攻略性が高く評価されています。

ゲームシステムの進化

オープンフィールドへの転換

『仁王3』では、従来のミッション制・ステージ踏破型から、探索可能なオープンフィールド構造へと大きく変化しました。広大なマップを任意のルートで攻略できる仕様となっており、“地獄”と呼ばれるエリアが攻略目標としてフィールド各地に存在しています。

フィールド上では、探索・強化・戦闘の自由な進行が可能とされており、道中のルート選択やビルド調整によって自分なりの攻略が展開されていく構造が採られています。ジャンプや壁登りも導入されており、フィールド移動の幅も広がっています。

サムライとニンジャのスタイル切替(転心)

戦闘における最大の特徴は、「サムライスタイル」と「ニンジャスタイル」を1ボタンで瞬時に切り替える新システム「転心」の導入です。 転心にはクールタイムがなく、防御行動を兼ねた操作で敵の「大技」に対するカウンター効果も備えています。

  • サムライスタイル:地に足のついた攻防一体の戦い方で、「残心」による気力回復が可能。新要素「捌き」「技研ぎ」により防御・攻撃の駆け引きが強化。
  • ニンジャスタイル:高い機動性と素早い攻撃が特徴。「霞」による分身移動や背後攻撃の強化に加え、忍術使用回数が攻撃ヒットで回復する仕組み。

さらに、キャラクタークリエイトもスタイルごとに外見やボイスを個別に設定可能で、転心によってビジュアルも切り替わる設計となっています。

スタイル選択の自由性

転心は必須ではなく、スキル次第で「切り替えずにカウンターのみ行う」構成も可能です。開発陣は「プレイスタイルの自由度」を重視しており、サムライ派・ニンジャ派に分かれるような個性あるビルドが想定されています。

忍術・陰陽術とビルド要素

ニンジャスタイル専用となった忍術は、敵への攻撃で回数が回復するため、継続的な使用が可能です。一方、陰陽術は「札」と「使役符」の2系統に分かれ、サムライ/ニンジャ問わず使用可能。

  • 札:毒や遅延などの効果を与える補助術。
  • 使役符:妖怪を召喚して攻撃させる攻撃系術。

これらはフィールドの強敵「地獄憑き」から得られる「魂代」によって習得されます。社では札/使役符の切り替えも可能です。

ビルドの多様性と能力付け替え

サムライとニンジャの2スタイルそれぞれで異なる装備・スキルビルドを構築可能です。装備品には従来同様、ランダムな特殊効果が付与され、ハック&スラッシュ的な装備収集の楽しみも健在。

また、フィールドで入手した能力を社で自由に入れ替える「能力付け替え」システムが実装されており、序盤から細かな構成が可能です。

開発背景とインタビュー

開発体制と方針の変化

『仁王3』は2021年末~2022年頃に本格始動しました。ディレクターやテクニカルディレクターなどの主要メンバーは前作から続投しつつ、新たに若いスタッフも参加しています。シリーズを学生時代に遊んでいた開発者が加わったことで、開発現場にはファン視点の熱意が注がれているとのことです。

また、Team NINJAは同時期に『Wo Long: Fallen Dynasty』や『Rise of the Ronin』なども展開しており、同チーム内の体制分散とノウハウ蓄積によって、毎年1本の大型タイトルをリリースする体制を構築しています。

ストーリーと舞台設定

本作の舞台は『仁王』『仁王2』と同様に戦国時代となっており、「三方ヶ原の戦い」前後の時代が描かれます。主人公は徳川竹千代という名で、キャラクタークリエイトが可能です。ストーリーは前作と直接の地続きではないものの、時代背景を共有し、シリーズ経験者も初見プレイヤーも楽しめる構成とされています。

妖怪要素や守護霊も引き続き登場し、サムライ/ニンジャ両スタイルで異なる「九十九化身」が見た目にも影響する新要素として盛り込まれています。

試行錯誤されたフィールド設計

本作のフィールド設計は当初、開発陣の間で難航したといいます。ゼネラルプロデューサーの安田氏によれば、最初の試作では「広すぎる設計」や、逆に「狭すぎて従来の『仁王』と変わらない」という状態が生じたとのことです。最終的には、レベルデザインチームが何度も調整を重ねた結果、密度と自由度のバランスが取れたオープンフィールド構造に着地したと述べています。

スキル解放式となった「構え」

『仁王3』では、これまでのシリーズにおける戦闘の基本要素であった“構えの変更”が、最初から使用可能ではありません。これはスキル解放によって段階的にアンロックされる形式となっており、プレイヤーの習熟度に応じてシステムの奥深さが開放されていく設計です。開発陣は、序盤から情報量を詰め込みすぎないよう配慮したと語っています。

妖怪「千々古」と遊び要素の融合

探索要素の一環として、新たなマスコット的妖怪「千々古(ちぢこ)」が登場します。空中をふわふわと漂う姿が特徴で、鈴の音を頼りに空を見上げることで発見可能です。弓矢で射抜くと報酬が得られる仕組みとなっており、探索と遠距離武器の練習を兼ねた軽い遊び要素として機能しています。

「九十九化身」のスタイル差異

『仁王3』における「九十九化身」は、守護霊と融合した特殊な強化状態として登場しますが、注目すべきは使用スタイルによって変化するビジュアルです。サムライスタイルとニンジャスタイルでは、九十九化身の外見が異なる演出となっており、スタイルごとの没入感やキャラクター性をより強く演出しています。

Team NINJAの挑戦とメッセージ

ゼネラルプロデューサーの安田氏と、プロデューサーの柴田氏によれば、『仁王3』はTeam NINJAにとって“集大成”のような作品とのことです。従来のリニアなゲーム進行を再定義しながらも、試行錯誤によるビルド構築や、達成感のある攻略体験というシリーズの本質は維持されています。

また、マルチプレイは「常世同行」など従来の要素を踏襲しつつ、オープンフィールド上での協力プレイに対応。特定エリア内での自由な探索(ただし完全なMMO型ではない)やボス戦時の集結といった仕組みが盛り込まれています。

体験版は2025年6月18日までの期間限定配信で、プレイヤーのフィードバックをもとに製品版の完成度を高めていく意向が明言されています。

スクリーンショット

004

005

006

007

008

情報元:ファミ通.com / 4Gamer.net

タイトルとURLをコピーしました