【訂正:2025年10月13日】
本記事は当初、The Gamerが2025年10月12日頃に報じた内容に基づいて作成されました。The Gamerは、店舗スタッフを名乗るRedditユーザーの証言やオンライン在庫状況から、「ターゲットとウォルマートでXbox製品が大量に撤去されている」と報じていました。
その後、Windows Centralが10月13日に追加取材を行い、Microsoftが「ターゲット、ウォルマート、その他の小売業者は、引き続き協力的なパートナーである」と公式に声明を出したことを報じました。また、元Xbox幹部やメディア関係者への取材により、実際には多くの店舗で通常通り販売されていることも確認されています。
以下、両メディアの報道を統合した記事を掲載します。
週末、Xbox製品が撤去されたとの報道が拡散
2025年10月の週末、米国の大手小売チェーンであるターゲットとウォルマートにおいて、Xbox製品が店頭から撤去されているとの報道が広まりました。複数のメディアが、店舗スタッフによる証言やオンライン在庫状況を基に報じており、一部店舗で実際に在庫が少なくなっている様子が確認されています。
こうした報道を受けて、Microsoftは10月13日に公式声明を発表し、「ターゲット、ウォルマート、その他の小売業者は、Xboxのコンソール、アクセサリー、ゲームに関して、引き続き協力的なパートナーです」と述べました。
店舗スタッフの証言と在庫状況——The Gamerの報道
The Gamerは、複数のRedditユーザーの投稿を根拠に、ターゲットとウォルマートでXbox製品が大量に撤去されていると報じました。
ターゲットに勤務しているというu/Jawwaad127氏は、水曜日に店舗のすべてのXboxゲームが撤去されたとし、「すべてのゲームが販売終了となり、今後クリアランスセールに回される可能性がある」と述べています。
また、カンザスシティ地域でも同様の事例が報告されています。u/CodeE1985氏は、地元のターゲット店舗でXboxの棚が撤去された様子を写真付きで投稿し、電子機器部門のマネージャーが「本体、ゲーム、アクセサリーを今後取り扱わない」と説明したと伝えました。
My local Target is getting rid of their Xbox section
byu/CodeE1985 inxbox
さらに、ウォルマートでも同様の傾向が見られるとされ、u/Spacefox85氏は、自身の勤務する店舗で進行中のレイアウト変更において、Xboxゲーム棚が撤去されたと報告しました。SwitchとPlayStationの製品は1つのロックケースに集約される一方で、Xboxの棚は設けられないとのことです。同氏は「1年ほど電子機器部門で勤務しているが、Xboxゲームを販売した回数は片手で数えられる程度だった」と述べています。
The Gamerがカンザスシティ北部のターゲット店舗のオンライン在庫を確認したところ、これらの証言を裏付ける状況が見られました。Xbox Series Sの在庫は1台のみ、コントローラー数点と『Doom: The Dark Ages』などが「在庫限定」となっており、一方でPS5やNintendo Switchの製品は豊富に揃っていました。特に、PlayStation Portalの在庫数がXbox本体を上回っている状況が確認されました。
Microsoftが「引き続きパートナー」と表明——Windows Centralの追加取材
こうした報道が注目を集める中、Microsoftは10月13日に声明を発表。「ターゲット、ウォルマート、その他の小売業者とは引き続き協力関係にある」と明言しました。
Windows Centralは、この声明とあわせて独自取材も実施。元Xbox幹部のLarry “Major” Nelson氏は、「今週中に複数のターゲットやGameStopを訪れたが、いずれもXbox製品は通常通り販売されていた」と述べています。
さらに、メディア関係者のDestin Legarie氏が地元のウォルマートに電話で確認したところ、店舗スタッフは「在庫整理や販売終了の話は聞いていない。在庫もある」と回答したとのことです。
Windows Centralの記者が実際に地元ターゲット店舗を訪問した際も、アクセサリーやゲームソフトは通常通り陳列されていました。ただし、Xbox Series Xの本体在庫は確認されなかった一方で、オンラインではSeries Sが複数在庫されており、ウォルマートでは両機種とも購入可能な状態でした。
Windows Centralは、Microsoftが近年、受注生産に近い方式でXbox製品を供給している可能性を指摘しており、在庫数の変動は特に珍しいことではないと分析しています。
Microsoftは次世代ハードウェア開発の継続を明言
今回の騒動の背景には、Xboxハードウェア事業の将来性に対する不安もあります。
しかし、Microsoftは10月5日に、次世代Xbox本体の開発を継続していると改めて発表しました。Windows Centralの報道によると、「当社は、将来の第一パーティ製コンソールおよびデバイスの設計、エンジニアリング、製造に積極的に投資しています。詳細はAMDとの契約発表を参照してください」と述べられています。
現在もMicrosoftとAMDによる複数年契約のパートナーシップは継続中であり、次世代ハードの開発計画に変更はないと見られています。Xbox Series X|Sの生産停止情報も否定されており、新しい在庫は通常のペースで小売店に出荷されているとのことです。
2025年夏には、Microsoftのサラ・ボンド社長とAMDのリサ・スーCEOが次世代Xbox向けシリコンについて言及しており、第一・第三の双方のパーティによる開発が継続されている姿勢が確認できます。
価格改定と相次ぐ憶測の背景
今回の騒動には、Microsoftによる一連の価格改定も影響していると見られます。
関税の影響などにより、Xbox Series Xは499ドルから649ドルへ、Series Sは299ドルから399ドルへとそれぞれ値上げされました。さらに、Game Pass Ultimateも11月から約50%の値上げが予定されています。
こうした動きが、「MicrosoftがXboxハードウェア事業から撤退するのではないか」との憶測を助長しました。先月には、コストコがXbox本体の販売終了を発表するなど、一部小売店での動きが報じられています。
しかしMicrosoftは、AMDとの10年にわたるパートナーシップを夏に発表しており、撤退の意図はないことを改めて強調しています。
Windows Centralは今回の混乱について、「大量解雇、AI投資への注力、記録的な収益にもかかわらず強行された価格改定、そして一連の経営判断が、Xboxのイメージを過去最低レベルに押し下げている」と指摘する一方で、「根拠のない情報や過度に否定的な報道は、顧客や従業員、そしてXboxに依存するサードパーティ開発者に悪影響を与える可能性がある」とも警告しています。
Microsoftは現在、ファンやパートナーの信頼維持に努めており、少なくとも主要小売店での取り扱いが今後も継続されることが、今回の公式声明からは明確になっています。
訂正履歴
- 2025年10月13日12時:Windows Centralの追加取材により、Microsoftの公式声明と在庫状況の詳細を追加しました。The Gamerの報道内容を「店舗スタッフの証言と在庫状況」セクションとして整理し、Windows Centralの取材結果を「Microsoftが「引き続きパートナー」と表明——Windows Centralの追加取材」セクションとして追加。訂正通知を冒頭に追加しました。
- 2025年10月13日19時:一部文体や表現に読みづらさがあったため、文意を損なわない範囲で簡潔かつ明瞭に修正しました。




