『バイオハザード レクイエム』幻のマルチ版要素が製品版に一部残存。熊澤Pが明かす

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カプコンが開発中のシリーズ最新作『バイオハザード レクイエム』について、プロデューサーの熊澤雅登氏が、かつて試作していたオンラインマルチプレイヤー版の要素が、現在の製品版にも一部取り込まれていると明かしました。海外メディア「Press Start Australia」のインタビューで語ったもので、シリーズの方向性やホラー表現への考え方にも触れています。

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オンラインマルチ版の要素が「いくつか」現行版に残存

『バイオハザード レクイエム』は、ディレクターの中西健人氏が過去のプレゼンテーションで明かしたとおり、当初はオープンワールドのオンラインマルチプレイヤーゲームとして構想されていました。今回のインタビューで熊澤氏は、このオンラインマルチ版の現状についてあらためて説明しています。

オンラインマルチ版について問われた熊澤氏は、「そのデザインの要素はいくつか最終版に残っている」と語り、構想自体は取りやめたものの、試作段階で生まれたアイデアの一部は現在の『レクイエム』に反映されていると述べました。一方で、それが具体的にどの要素なのか、どのような形で残っているのかについては、「それが何で、どのような形かはお話しできない」とし、詳細の公開は控えています。

熊澤氏は、オンラインマルチ版のビルドは「ホラー部分が非常にマイルドだった」一方で、「プレイしていて楽しかった」と振り返っています。しかし、シリーズファンに受け入れられるかを検討した結果、「このゲームをシリーズのファンが本当に好きになってくれるかを考えたとき、おそらくそこまで楽しんではもらえないだろう」と判断し、オンラインマルチという形は採用せず、シングルプレイゲームとして作り直す方針に切り替えたと説明しました。

そのうえで熊澤氏は、「そのビルドが楽しかったからこそ、最終的なゲームが楽しいものになるよう、そこからいくつかの要素を取り入れた」とも述べており、オンライン版で得られた手応えの一部が、現在の『バイオハザード レクイエム』にも生かされているとしています。

近作のアクション寄りを認め、ホラー重視の方針を説明

インタビューでは、シリーズの最近作についても言及がありました。『バイオハザード ヴィレッジ』終盤などに見られる「アクション寄りになりすぎているのではないか」という指摘に対して、熊澤氏は『バイオハザード4』および『ヴィレッジ』がアクション寄りになっていたことを、「そうなっていたことは認めなければならない」とコメントしています。

そのうえで、過去作へのフィードバックを通じて「ファンはよりホラーを好む」と理解していると語り、『バイオハザード レクイエム』ではホラーを主軸に据える方針であると明かしました。熊澤氏によれば、『レクイエム』の開発自体は『ヴィレッジ』よりも前から進められていたものの、「本作ではホラーに集中し、ホラーがメインとなるようにしたかった」としており、初期段階からホラー重視の方向性を意識していたとしています。

「最後まで怖い」ための構成とメリハリづくり

ゲーム終盤の構成について問われると、熊澤氏は『バイオハザード7 レジデント イービル』と『ヴィレッジ』の終盤が「非常にアクション寄りになっていた」とあらためて認めています。そのうえで、『バイオハザード レクイエム』では「最後まで怖い状態を保つ」ことを目標にしていると説明しました。

ただし、「ゲームの最初から最後まで途切れなく怖がらせ続ける」という意味ではないとも強調しています。具体的には、ホラーシーンの間にアクションなどの「ホラーではない要素」を挟み、プレイヤーの意識を一時的にホラーからそらすことで、その後に訪れるホラー部分をより強く感じさせる狙いがあると述べています。そのために、「どのシナリオをどの順番で配置するか」や、「プレイ全体を通してプレイヤーを怖がらせ続けるために最適な出来事の順番」を慎重に検討しているとのことです。

約6年に及ぶ開発と、SNSコメントへの目配り

開発期間について問われると、熊澤氏はオンラインマルチ版としての開発時期も含め、「振り返ると、おおよそ6年ほど開発が続いている」と説明しました。

また、ファンの意見への向き合い方については、「全ての開発チームがそうしているかは分からないが、自分はソーシャルメディア上のコメントをできるだけ、もしくは全て読むようにしている」と述べ、プレイヤーからのフィードバックを積極的に取り入れようとする姿勢を示しています。「意見をぜひ投稿してほしい」と呼びかける一方で、自身のメンタルヘルスについては「とても強いので大丈夫」と冗談交じりに話しており、率直な声にも向き合う意欲をうかがわせます。

『バイオハザード レクイエム』は、2026年2月27日に発売予定です。対応プラットフォームはPC、PlayStation 5、Nintendo Switch 2、Xbox Series X|Sとなっています。

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